外国為替証拠金取引とは、外国通貨の売買による取引である。一般的に「FX」「FX取引」と呼ばれる。
取引で利用しているシステムについては「為替」「円相場」の記事を参照。
概要
取引をする際には業者に「証拠金」を預ける。この証拠金を担保にして日本円をドルやユーロと言った外国通貨に換金し、その為替の変動の結果より収入を得る。
要は、1ドル=100円で買ったとする。その後円安になって1ドル=101円になった時点でドルを売ると、1円分儲けることができるのである。なんだたったの1円かよ、と思われるかもしれないがこれが1万ドル、10万ドルとなると1円変わるだけで1万円、10万円の損益となるのである。
「買い」と「売り」ポジション
日本円を外貨に変えて預金する外貨預金との違いは、円高になっても利益を得るチャンスがある点である。
外貨預金を行えば、自分が保有するのは外貨であり、円ではない。そのような状況で円の価値が上がる(円高になる)と、外国通貨安になる、つまり自分の外貨預金の資産としての価値が下がる。
しかし、FXでは、円高(外貨安)を予想すれば、円ショート(売りポジション)を保有し、反対決済(この場合円ロング)を行って円高になった分の利益が得られる。
逆に、円安(外貨高)を予想すれば、円ロング(買いポジション)を保有し、反対決済を行って、円安になった分利益が得られる。
FXにおけるトレード手法
ポジショントレード
中長期的な売買に分類される手法で、一度売買して利益が乗ったらそのまま数週間~数ヶ月間、場合によっては1年以上ほったらかしにするのが特徴。
チャート分析は主に週足~日足チャートを使用し、週足のトレンドに逆らわず日足でタイミングを測ってエントリーする。ゆえにトレード回数は1日1回以下である。中長期的なトレンドの中の押し目で決済せず、押し目からの反発による増し玉を行うことで利益を膨らませていき、トレンドの反転シグナルと共に利益をかっさらうという戦略。
トレードにあまり時間を割きたくない人、のんびり気楽に投資したい、という人にピッタリの手法である。
トレンド反転の兆しを察知して見切りエントリーを行う方法と、トレンドの反転を確認してからエントリーする方法があり、後者のことを「トレンドフォロー」とも言う。
短所はチャンスが少なく、かつ損切りに遭いやすいため勝率が30~40%と低く、損切りまでの値幅も大きくなりやすいのでポジション量も自ずと少なめになる。負けが混んでもへこたれない精神力に加え、トレンド転換の判定が遅いため価格調整時や決済前の含み益の減少が大きく、日々目減りしていく資金残高を見るのに耐えたり、逆に急騰直後であっても利食いせず我慢する忍耐力も要求される。その反面、勝ちトレードで3倍以上のリスク・リターン比が狙えるのが強みである。
例えば最近のドル円相場だと、2012年の10月後半に買って2013年の6月頭くらいまでほったらかし、また2014年8月20日前後、もしくは10月末頃の持ち合い上放れで買いを仕掛けて放置し、2015年8月24日の大暴落途中にトレーリングストップで決済…というのが勝ちパターンのイメージになる。この事例一つだけを見ても、ポジショントレードの爆発力がどれほどのものであるかがおわかりいただけるだろう。
また、ポジショントレードの手法は中長期売買向けのものであるが、同じチャートの見方を5分足や15分足などの短い足に当てはめ、数十分~数時間単位で売買し資金を回すデイトレーダーも多い(→後述)。しかし時間足を短くすればするほどダマシが発生しやすくなるので注意が必要である。
スイングトレード
中短期的売買に分類される手法で、数日から長くても1ヵ月くらいまでに全ポジションを決済する手法。
チャート分析は週足、日足でトレンドを読み、4時間足~1時間足でタイミングを測って売買する。
分足は使わないのでデイトレよりはゆったりしたトレードが出来、四六時中チャートにかじりつく必要もなく、勤務時間中にポジションを持ったままトレードすることも可能といったメリットがある。
初心者ほどデイトレードに走りがちだが、実はスイングトレードこそが一番初心者向けなのである。
ポジションの捉え方はトレンドフォローをベースとしているためポジショントレードと共通する点が多く見られるが、時間足単位のチャートで押し目の兆候を察知して一旦ポジションを手仕舞い、押し目から再びトレンド方向へと反転したところで再エントリーするという点にポジショントレードとの違いがある。
価格調整時の資金の目減りに耐えなくても良い分ポジショントレードよりも気楽であるが、再エントリーの手間が生じるため幾分売買が忙しくなる。またリスク・リターン比も1:1~2程度と、手仕舞いが早い分ポジショントレードよりは落ちる。勝率は50%前後とポジショントレードよりやや高い程度なので、連敗が続いてもへこたれずにトレードを続ける精神力が要求される点はポジショントレードとあまり変わらない。
逆張りトレード
短期売買の一種で、相場の行き過ぎやレンジ相場のサポート・レジスタンスの壁から戻されるところの値動きを捉えて逆張りでポジションを取り、利益に変える方法。
スイングトレードの「押し目待ち」に当たる時間を、逆方向に向かって取りに行くようなイメージの戦略である。
チャートは日足、4時間足、1時間足くらいを活用し、短ければデイトレ、長くても3~5日程度で手仕舞う。
リスク・リターン比は1:1程度と少ないが、レンジ相場の時間帯が多いFXでは勝率が60~70%と比較的高くなりやすいので、高勝率でコツコツ積み上げて行きたいトレーダーに人気の手法である。
しかし大きいトレンドが発生したら一気に負けてしまうので、すぐ飛び降りる準備をしておかないと大ヤケドを負ってしまう恐れがある点に注意しておく必要がある。
ブレイクアウト
短期売買の一種で、値動きの幅が一定時間緊縮してきた後に大きく放たれる勢いを利益に変える手法。
主に分足~1時間足単位のボリンジャーバンドの縮小などからエントリーポイントを探す(日足の縮小からトレードポイントを探すことも可能)。トレード時間は最も短く、デイトレ~オーバーナイトが基本。
狭い値幅の値動きが概ね1日以上続いているところを探し出し、その値幅の最高値を少し超えるところに逆指値の買い注文、最安値を少し超えるところに逆指値の売り注文を置き、それぞれ反対方向にも損切り注文を置くのが基本。逆指値注文なので、裁量トレードによくある「エントリーしていいかどうか迷う」ことが一切無いのがメリット。
十分に値幅が収縮していないところで同じようなポジションの置き方をすると、レンジ相場の高値掴み・安値売りに当たるところに逆指値が引っかかってしまいやすいので、ブレイクアウトのチャンスか否かを見極めるスキルが要求されてくるが、それさえ気をつければ、逆張りトレード以上の高勝率も十分狙える手法である。
また、FXトレーダーなら誰もが気になる経済指標の発表と密接に関わっている手法なので、重要指標の発表前に値幅が狭まっているときは勇気を出して挑んでみよう。ただし指標発表の結果が微妙だと(注文が入らないならまだしも)価格が大きくぶれて往復ビンタ(=売り・買いともに損切りとなる意味)を喰らうことも度々あるので、資金管理はしっかりと(執筆者の私見として、許容損失額の半分のロットをそれぞれの逆指値に置くことをオススメする)。
このように一瞬の値動きの勢いを利益に変えるタイプのトレードなので深追いは原則禁物である。しかし、慣れてくればトレンド方向と同じ向きに発生したブレイクアウトを前述のポジショントレードやスイングトレードに移行することで大きい値幅に変えていくことも不可能ではない。
余談であるが、ブレイクアウトと言えばタートルズのブレイクアウト戦略が有名であるが、タートルズのブレイクアウト戦略はポジショントレードの手法に当たるものなので、本項のブレイクアウト手法と混同しないよう注意されたい。
デイトレード・スキャルピング
デイトレードという区分は前述の4つの手法とは異なる区別がされるものであり、手法的には前述のスイングや逆張り、ブレイクアウトと同じ手法が用いられる。どこが違うのかといえば、これらの手法をより短い5~15分足といった時間軸の中で売買し、ポジションを持ったその日のうちに決済するといった点である。
さらにこれより短い1分足を使い、エントリーから数分のうちに薄い利幅をかすめ取り続けるスキャルピングという手法もあり、デイトレードの1種に括られることも多い。しかし1トレードで2~3pips程度しか狙わないような手法のトレードは、スプレッドや手数料の面で不利になってしまうためあまりオススメできない。スキャルピングが有効なのは、上位足でのトレンドが明確・活発で、一瞬のうちに5~10pipsもしくはそれ以上の値動きが期待できる局面に限られる。
もちろん損切りは必須で、デイトレ・スキャルピングに手を出して良いのは値幅が薄くとも根拠ある損切りポイントを見つけられるようになってからである。その他、スプレッドが少ない通貨ペアに取引が限られるといった制約もある。
僅かな値動きもチャンスに変えられる反面、予想外の値動きに振り回されやすいことや、四六時中ポジションを持ちたくなる「ポジポジ病」を発症しやすく、また相応の利益を得るためにより多くのロットを積む必要があるため、きちんと損切りしないと損切りにあったときのダメージも大きい。また、不慣れな人ほど四六時中チャートに張り付いてしまうため、何より大切な自分の時間を多く失ってしまうというデメリットも無視できない(熟練者はチャートを見る必要があるときだけ見ていることを心得ているので、そのようなことにはなりにくい)。
手っ取り早く利益が出せるというイメージから初心者ほどデイトレードに飛びつきやすいが、実は相場観や資金管理がしっかりしていないとなかなかうまく行かない、玄人向きのトレード手法と言える。
その他裁量トレード
サプライズニュースに絡めてその後の値動きを予測しポジションを持つ「イベントドリブン」や、 後述のスワップ狙いによる長期売買手法の「キャリートレード」などがあるが、前者は株式市場のように企業の買収などといったサプライズが為替相場においては起きにくいことからあまり知られておらず、後者も後述の「スワップポイント」の項にあるように2010年代以降ではほぼ廃れている。
システムトレード・自動売買
以上、ここまで書いてきた手法は自身の裁量により判断しトレードを行う方法であるが、これとは別に一切の裁量を排除したトレード方法として、システムトレードというものがある。
裁量トレードの多くはテクニカル指標を用いるが、システムトレードは売買の判断に四本値や一定のレート等で分析を行い、寄り付き・引けなど時間を基準としたタイミングで売買するものが多い。これは、システムの構築においてバックテスト(過去の相場にルールを当てはめ、取引ルールの優位性を確認する作業)が不可欠であり、再現性の確実さが求められるからである。またシステムトレードはその性質上、自動売買プログラムにしやすいため、全世界のシステムトレーダーにより種々雑多な自動売買ツールが公開され、一部の証券会社で利用が可能となっている。
システムトレードのメリットは、明確なトレードルールのみによって売買を行うため、感情を排除しやすいところと、再現性の高さに優位性を求めることが出来るところにある。デメリットは、過剰最適化されたルールが作られやすく、過去検証では元資金の何十倍にも膨れ上がる結果になったからといって、いざ運用してみるとみるみる損失が膨らんでいく、といったことが起こりやすい点にある。また、取引回数を多く設定しないと再現性に乏しくなるため、短期的な売買戦略になりがちであり、大きなトレンドの波をかっさらうようなルールを作ることは困難である。
なら、自動売買を使えばラクじゃないか…と思う方も少なくないと思われるが、証券会社等が提供している自動売買システムもある程度のドローダウンを想定してプログラムされているのが通常であり、いざ自分が選んだ自動売買システムを走らせた途端連敗が続くようになり、乗り換えた先でも同じことが起き…となりやすい。特に、トレードにおいて最も重要な「環境認識」(=トレンド相場やレンジ相場など、相場の流れを複数の時間足を絡めて多角的に分析し、大きな流れと小さな流れを複合的に分析して売買判断を行うこと)を織り込むことが技術的に不可能である点が自動売買最大の弱点である。
自動売買はプログラミングの都合上、過去の相場の値動きに基づく経験則に沿ってプログラミングすることしか出来ず、絶えず変化する相場環境に対応できない(将来の相場環境変化を予測して自動売買プログラムに織り込むことが不可能)という問題がある。即ち今相場がどのような状況なのかを分析することは、人間の目と頭でしか判別できないのである。また、レンジ相場とトレンド相場など、相場の捉え方が異なる取引ルールを単一のロジックでは対応できないことや、過去の相場環境に則った売買ルールで組まれた自動売買システムが現在の相場環境に逆らうポジションを取り続け、みるみる資金を溶かしていく状況が発生することが避けられないというという問題があり、このことは自動売買では解決できない永遠のテーマとなっている(例を挙げると、過去相場の値幅の範囲内での値動きを想定したプログラムの場合、国際情勢・市場環境の変化や経済市場におけるショック相場が発生したとしても、自動売買プログラムは過去の経験則に基づいて「売られ過ぎ」と判断して買いポジションを積み上げてしまうなどして、膨大な含み損を抱えてしまい、最終的にロスカットを食らってしまうことが往々にしてある)。
結局今の相場環境に合った自動売買プログラムはどれかを選ぶ点において自分の目利きが必要である点においては、投資信託のファンドを自分で探して選んで買うことと本質的には同じである。自動売買だからといってラクに儲かる訳ではなく、むしろ裁量取引よりも一発退場する可能性が高い点に注意する必要がある。
特にプライベートで募集する自動売買システムは取引量に応じてFX業者から支払われるアフィリエイト報酬目当てのものが多く、最初からオーバートレードや値幅の狭いナンピン、取引頻度の高いマーチンゲールなどといった無理な手法を仕組んでいるものが多い。バックテスト成績に基づいた甘い言葉で誘惑するのが常であるが、アフィリエイト報酬目的のため資金管理がザルであり、早々に破綻するものが非常に多いという問題を孕んでいる。
そして、相場は人間心理が織り成すものであるため、単一のシステムトレードや自動売買で未来永劫有効なロジックを作ることは不可能だと言われている。相場の状況に合わせてその都度ロジックの変更を加える、いわゆるメンテナンスが必要不可欠であり、結局この部分が裁量となってしまう…というのが現実のようである。
トラップリピートイフダン(トラリピ)
テクニカルトレードでもシステムトレードでもない、近年話題になりつつある手法。一定の値幅内に買い注文を仕掛け、レートが下落してきたら買い注文が自動的に入り、その後予め設定していた値まで戻す(上がる)と利確する…といった注文を繰り返す手法。損切りを置かないため下落しっぱなしだとポジションが塩漬けになる方法なので、後述のスワップポイントがプラスになる方向のみ取引するのが原則である。
資金がショートすれば当然強制ロスカットを食らうため、トラップを仕掛けるポジション量は歴史的に見て最低レートを大きく下回るようなあり得ない額になるまで強制ロスカットを喰らわないようにする工夫がある(例えば豪ドル円の場合1ドル=40~50円程度まで耐えられる資金量から逆算して仕掛ける、など)。相当大きい資金量をリスクに晒す覚悟が必要だが、利確決済を積み重ねているうちにいつの間にか含み損を超える利益が手に入っている…なんてことも夢ではない。
相当大きな含み損でも耐えられる工夫がなされている手法ではあるが、当然ながらオーバートレードは絶対にやってはいけない。取引量を無理やり増やすために想定ロスカットラインを引き上げる…例えば、豪ドルの損切りラインが50円だと持てるポジションが少ないから70円に引き上げる、などのような行為は厳禁である。必ず、歴史的な安値を付けても耐えられるだけのポジション量に調整すべきである。逆に資金がたくさんあったり、1回あたり取れる利幅が少なくても良いならレバレッジを1倍以下、つまりドル円のレートが0円になっても強制ロスカットにならない範囲で取引すれば良い。そういった意味では安心感のある取引手法であるとも言える。
現在利確後に自動的に再注文を入れることが出来るシステムを提供している業者はマネースクエアジャパンのみであり、それ以外の業者の口座でトラリピ取引をする場合は利確後再度手動でトラップ注文を仕掛ける必要がある。
以上、大まかなトレードパターンを記してきたが、具体的にどのようなテクニカル指標を用いて分析・トレードを行っていくのか、またシステムトレードや自動売買を利用するのかについては市販の書籍を読んだり、金融先物取引業者や投資助言業の登録業者が開講しているオンラインセミナーなどを受講したり、かなり値は張るが投資商材を買って勉強する(※注・情報商材を買うときは必ずその業者が投資助言代理業の登録をしているか、しっかり確認しよう。無登録の個人や業者が販売する商材には詐欺まがいのものが少なくないからである)ことをオススメする。
スワップポイント
外貨預金はあくまで「預金」なので、利子がつく。似たものとして、FXでは、スワップポイントを受け取ることができる。
このスワップポイントは、日本円より高い金利の通貨のロングを保有している場合に生じ、受け取ることで利益に加えることができる。しかし、金利差が逆の場合、こっちが金利を払うことになり、保有するだけで損失が拡大する。(逆に日本円より低い金利の通貨のショートを保有すれば、こちらが利益を得られると思うが、日本より金利の低い国はあまりないし、編集者自身もFXを実際にやったわけではないので、確証はないと記述する。)
→上記の件について補足。別にスプレッド業者により違いはあるが、スワップポイントはプラスとマイナスが同額ではないことの方が多く、通常はマイナスの方が大きい。例えば豪ドル円を買えば10,000通貨あたり1日50円のスワップポイントがつくとすれば、売った場合は逆に1日あたり60円のスワップポイントを支払うことになる、といった具合になる。金利差の少ない国同士だと、片方はゼロスワップでもう一方はマイナスといった具合に、どっちを売買してもスワップがプラスにならない組み合わせもある。なぜそうなるのかといえば、その差額が仲介業者の手数料となっているからである(これと同時にスプレッドにも手数料を組み込んでいる業者が多い。1取引につき0.1pips程度を手数料として上乗せしている場合が一般的である。)
中にはスワップポイントをプラマイ同額としている業者も存在するが、そういう業者はスプレッドが広めであったり、取引の際に売買手数料がかかるなどの仕組みになっていることが多い。つまりは、業者によってどこから手数料を取っているかに違いがある、ということである。
スワップポイントにより受け取れる利益は通貨ペアや相場環境にもよるが為替差損益よりもはるかに小さいのが通常であり、それよりも相場の上げ下げ=トレンドを追いかける方がよっぽど大きい利益を狙えるのである。
一時期、円キャリートレードがもてはやされた時代にスワップポイントで儲けるという投資法が流行したが、これらの投資法が後のサブプライム危機やリーマンショックでどうなってしまったかを思い出すと、その答えは明白であろう。そもそもデイトレードだとスワップポイントは関係ないんだし。
ただし、外貨預金の代わりにはなるし、通常の外貨預金に比べてメリットは多い。
手数料はほぼ無料。(スプレット分はある)
通常より少ない金額で取引が可能。(撤退すべき損切りポイントと許容できる損失額は意識しておかねばならない)
好きなタイミングで取引が出来る(トレンド方向に向いている方がより安全、大雑把でもいいから確認しておきたい)。
金利の受け取りは毎日行われる。
金利が毎日変動する。
外貨預金とは違い、信託保全される。
このように、業者の選び方や投資の金額、他国通貨の金利差などを失敗すると、結果的に大きな損失を生むことも考えられるため、十分な勉強をしてから臨むのがよいだろう。
まずはレバレッジの仕組みや金利情報、外国為替相場の変動要因について勉強することをオススメする。
ニコニコ動画とFX
ニコニコでもFXに関することをしている人物はおり、ユーザー生放送では、マーズやごるごるもあがFXの模様を放送している。
レバレッジについて
FXがさながら一攫千金の手段や、少ない資金で投資できるともてはやされるようになった大元がこのレバレッジである。「レバレッジ○倍」と言えば現在の資金で○倍の通貨を取引できる=1/○の資金だけで取引が開始できる、ということである。例えば1ドル100円だとして、レバレッジ1倍(通常と同じ)なら1万ドル買うには100万円必要だが、レバレッジ100倍だと1万円で済むわけである。これにより、少ない資金で多くの通貨が取引できるため、損益が大きくでき、利益さえ取れればあっという間にお金が増えていく、というわけである。これで一攫千金ができる、というわけである。
しかし、逆に見ればポジションと逆方向に値動きするとあっという間に損が膨らんでしまうのである。冗談ではなく、ちょっとの値動きで資金の大半を失うという可能性もある。後述の資金管理の話にも触れているように、レバレッジを大きくかける取引を続けるということは、はじめのうちは勝っていようが負けていようが結局最後は「有り金をほとんど全部なくす」というバッドエンドしか待ち受けていない、という極めて危険な行為なのである。
これを回避できる唯一の方法が「儲かっているうちにスパッと辞める」ことなのだが…それが果たして簡単に出来ることなのかどうかは、各自でよーく考えていただきたい。
日本では当初はレバレッジに対する規制がなく、最大レバレッジが業者選びの一つの指標になっていた。しかし、レバレッジをかけすぎてあっという間に資金をなくす人が増えたせいかついに国からレバレッジ規制が敷かれ、2011年にはレバレッジが最大25倍までに制限された。この規制が適用されるのは国内の業者に限るため、レバレッジ規制が緩い海外の取引業者で口座を開き、取引を行う剛の者も存在する。ただし、海外の取引業者のため業者が破綻して預けた資金が引き出せなくなるなどのリスクは国内の業者より高いことは留意してほしい。
資金管理について
以上のことを踏まえて、いかにして有り金を溶かさずにFX取引をするか、であるが、最も大事な要素は後にも先にも資金管理である。もっとも、これは株式投資なり先物取引なり、全てにおいて言えることである。
資金管理とはどういうことかというと、取引を行う際に予め起こりうる最大損失額を決めてから売買するポジション量を逆算して決める、ということである。
…といってもわかりにくいと思うので、具体例を出してみると、投資資金が100万円、損切りまでの値幅が1円(100pips)、1回の取引につき許容できる予定損失額が総資金の2%であれば、
100万円×2%=2万円
100pipsの損失=1万通貨あたり1万円
となり、売買できる取引量は2万通貨まで、となる。
レバレッジに置き換えて言うと、ドル円相場で約2倍程度…1ドル=100円として計算した場合。
資金管理や取引量をレバレッジで考えたい人は、最初のうちはリスク%=レバレッジ倍数と同程度とみなして考え、レバレッジが総運転資金の2~3倍以内に収まる程度で取引を回していくのが無難であると言えるだろう。レバレッジを引き上げてもいいのは、取引に慣れ、損切りの幅がより狭いところでエントリーが出来るスキルを身につけてからのことである。またこのような性質から、売買が短期になればなるほどロット数を上げることが可能である(売買が短期になればなるほど利食い幅・損切り幅の両方とも小さくなっていくため)。
また、損切りまでのpips数は取引している相場のトレンドの転換点、例えば直近の安値切り下げ・高値切り上げが確定するポイントや、レジスタンス・サポートライン・移動平均などの指標を超えるポイント・ファンドの売買オーダーやオプションバリアが観測されるポイントなどを意識して置く、言い換えれば「客観的に見て根拠のある値位置で損切る(=ファンドやプロのトレーダーと同じように動く)」のがセオリーであり、損切りの値幅はその相場の環境に左右されるものであるということを念頭に置かなければならない。即ち、
ということになる。
また 「一定のpips数を以って損切り」という方法は値幅の設定にもよるが、その値幅が相場環境に合わないときに無駄な損切りを垂れ流すだけになってしまうおそれがあるので注意が必要である。が、それでも損切りを置かないでトレードするよりはマシであることだけは事実である。
そして絶対にやってはならないのが、損切り注文を置かないトレードや、損切りすべきポイントにまで値が動いたのに決済しないで相場の反転を祈るといったトレード。このような行為は一言でいってしまえば「愚の骨頂」である。
どんなにあれこれ予想したって平均すれば2回に1回はトレードすべき方向を間違うのがトレードなのであるから、
間違えたポジションを掴んだと判断した時点でスパっと決済して損失を確定する=損切りするのが鉄則中の鉄則なのである。
いいか!売買と同時に損切り注文を置かないトレードは絶対するんじゃないぞ!!
また、ボラティリティが高いポンド円相場などは、適切な損切りポイントとなる値幅がドル円相場と比べてもっと大きくなるので、適正なポジション量はドル円相場なとと比べて自ずと少なくなってしまう。
つまり「レバレッジが何倍まで」という基準で取引量を決めるのはナンセンスである、ということに気づかなければならないのである。
参考までに、適正と言われるポジション量は、1取引あたりの予定損失額が総資金の1~2%以内と言われている。手練のプロトレーダーであっても、3~5%以内に留めるのが定石である。
負けトレード1回あたりの損失額が総資金の5%を超えるトレードは、投資の世界においては「オーバートレード」(取引量過大)と認識されており、たとえプロのトレーダーであっても非常に危険な行為なのである。
「なんだよ、そんなこと言ってたら利益が小さくなって、一攫千金を狙えないじゃないかよ!」と言っては絶対ならない。なぜなら、勝率と確率は全く異なるものだからである。
仮に、勝率50%の手法で利益損失比が2:1のトレード手法があったとしよう。いくら有利なトレードであっても、総資金の50%も60%ものリスクを一度に取ったら、破産に向かって一直線である。どういうことかというと、コインの裏表を当てるゲームやルーレットをしたことがある人なら、50%の確率なのにどちらか一方の面や色ばかりが5回も6回も続けて出ることがよくある、ということに心当たりがあるだろう。10回連続という局面すら、時折見られるほどである。そして、それは相場についても同じことが言えるのである。このような条件下で総資金の50%も60%も突っ込んでいたら、もしたまたまそれが悪い方向に出たらどうなるか?と想像すれば想像に難くないであろう。
今からFX取引を始めようと考えている方、または始めたばかりの方は、まず最初にみっちり勉強して、売買ルールをかっちり決めて、デモトレードで練習を積んで、なおかつ実戦では低めのリスク(初心者のうちは1取引あたりの予定損失額1%以下が望ましい)で取引して、それを厳守すること。
小さいことからコツコツとやることこそが、「有り金を全部溶かす」という悲劇的な結末を回避する唯一の方法と言えるのである。
トレード記録を残すということ
ここまであれこれ書いてきたが、実は、これが出来ていると出来ていないとで雲泥の差が出てくるというものがある。
それは、
自分の行ったトレード記録を残すこと
である。
要は学校でやった授業と復習、あの作業と同じである。自分自身のトレードを振り返り、どこが良かったか、どこが悪かったか、ルールを破っていないかなどを分析、反省し、次に活かしていく。
継続して利益を出しているトレーダーは必ずやっていると言われているほど、重要な事である。しかしほとんどのトレーダーは、これをやらずにその場その場の感覚でトレードをしているから長く続かない、と言われている。
投資記録をノートにつけるのが面倒であれば、ブログを作って自分のトレード記録を晒すのも良いであろう。
人に見られているという気持ちを持つことで、自分自身の行動もまたコントロールされやすくなるのだから。
…かく言う筆者も出来ていないわけであるが…これから頑張る。多分。きっと。
税金について
FXでよく取りざたされる税金だが、これが結構ややこしい。個人であるか法人であるかなどなど・・の条件で違ってくるため、詳細はググって欲しい。さて概略および基本的なことだけを書けばFXは個人には不利な税制になっている。FXにおける収入は雑所得扱い(つまりお小遣いと同じ)だからである。なので株と比べてみると、税率と損失の扱いがFXは不利である。なので、もしFXによるトレードだけで生活したい、と考えた場合サラリーマンと同じ手取りを得るには彼らより多めに利益を取る必要がある。
→平成24年からは全てのFX取引による損益は先物取引と同じ分離課税に変更されたので、税率は一律20%(復興特別所得税を除く)の分離課税となり、もし年間を通して損失が出たとしても確定申告すれば3年先まで将来の黒字と相殺できるようになりました。
まあ税金で悩むよりも先に、安定して税金で悩む必要があるだけの利益を出せるように悩むのが先だが。
関連動画
FXってなに?
FXで痛い目を見た場合
その他
関連項目
- 15
- 0pt