津軽線とは、青森県青森市の青森駅と青森県外ヶ浜町の三厩駅を結ぶ鉄道路線である。地元からは「ガニ線」と呼ばれている。
このうち、青森駅~新中小国信号場間は、本州と北海道を結ぶ津軽海峡線の一部を構成していた。
概要
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青森駅と三厩駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本) の路線。地方交通線である。
もともとはごく普通のローカル線であったが、青函トンネルが開通してからは青森駅~新中小国信号場間は津軽海峡線の一部となり、列車の数が急激に増加した。津軽海峡線を形成していた区間内で運行されていた。
津軽海峡線を形成していた区間内で運行されていた列車は以下のとおり
しかし、津軽海峡線として運転された旅客列車の停車駅は青森駅と蟹田駅のみであったため(海峡は一部列車が停車)、恩恵がほとんど受けられず、さらに沿線では騒音が問題となった。
上記の列車に加えて臨時快速「リゾートあすなろ竜飛(蟹田発着の場合はリゾートあすなろ津軽蟹夫)」(これらは津軽線のみ)が運行されていた時期があった(ただし、2018年以降設定なし)。2021年3月現在では、旅客列車は普通列車のみの運行(ただし、四季島を除く)。
北海道新幹線は本路線と並行しているが、経営が別会社のため並行在来線とはならない。
運転形態
津軽海峡線として運転されていた列車については海峡線のページを参照。
上述のとおり、2021年3月現在では全ての普通列車のみの運行となっている(臨時列車および四季島を除く)。主に青森駅~蟹田駅間と蟹田駅~三厩駅間で運転が分かれる。
- 青森~蟹田
- 大半の普通列車が秋田車両総合センター所属の701系で運転されている。夕方の上り1本は青森駅でスイッチバックして新青森駅の隣、津軽新城駅まで運転される。1往復ある青森駅~三厩駅間直通列車には秋田車両総合センター所属のGV-E400系が使用されている。(蟹田から先が不通になった後も車両の都合で1往復の運用は継続中)
- 蟹田~三厩
- 秋田車両センター所属のGV-E400系が使用されている。上記の青森駅~蟹田駅間と違い電化されてないので気動車しか走れないためである。青森駅~蟹田駅間は平日9往復あるのに対し、蟹田駅~三厩駅間では5往復しか運転されていない。
2022年8月の豪雨の影響で休止中。代行バスのほか、乗合タクシー「わんタク」への振替輸送を実施している。2024年5月に鉄路での復旧を断念し廃線に向けて動き出している。
かつてはワンマン運転には非対応であったが、2020年3月のダイヤ改正から青森駅~蟹田駅間の一部の列車で導入が始まった。
2010年12月3日まで、特急車両での普通列車の運用があった(485系・E751系・更に昔は583系も)。しかし、何を血迷ったのか、その運用が廃止されてしまった。18キッパーはもちろん、地元利用客からも好評だったので、早期復活を望むところであるが、北海道新幹線が開業し定期特急列車が走らなくなった今となっては絶望的であろう。なお、この運用には、地方には珍しいグリーン車自由席があったが、首都圏のとは違い、特急車両にグリーン車があるからついでにやっていただけである。蟹田駅~青森駅間は距離が長くなく、さらに料金も高めなので、利用客はほぼいなかった。
2016年3月26日のダイヤ改正でキハ40系の運用持ちが八戸運輸区から秋田車両センターに変更された。そのため、五能線のものと同じカラーリングが走行していたが、2021年3月のダイヤ改正からGV-E400系が導入されたため廃止。
2022年8月の豪雨の影響により、蟹田駅〜三厩駅間は不通となっている。たまたま7月から実証実験として乗合タクシー「わんタク」の運行が始まったことや(乗合タクシーであれば蟹田駅・奥津軽いまべつ駅(津軽二股駅)から乗り換え無しで龍飛崎まで行ける)、復旧に6億円かかること、営業係数が8582円とかなりの大赤字区間であることから、12月にはJRからバス等への転換が検討されることになった(蟹田駅〜新中小国信号場間は貨物列車や「四季島」のために存続するものとみられる)。
2023年9月時点では外ヶ浜町は全線でバス・タクシー転換容認、今別町は津軽二股駅以北はバス・タクシー転換容認を表明しており、少なくとも津軽二股駅以北は廃止が事実上確定した。残る蟹田駅〜津軽二股駅間は今別町側から、新幹線接続ならびに小国峠が道路交通に難があることから鉄路維持を要望しており、JR東日本と協議中である。2024年5月23日、沿線自治体の足並みがそろったことで、津軽線のこの区間の廃止に向けて動き出すことになった。(導入されてたった数年で津軽線の非電化区間部分が廃線になり全線電化区間を走行する事になったGV-E400系がどうなるかは不明。おそらくキハ110系の置き換えに当てられるだろう)
なおこれにより青春18きっぷ北海道新幹線オプション券の有効区間が新青森~木古内間に拡大したものの料金も2490円から4500円に大幅に値上げされた。(フェリー使ったほうが安そう)
駅一覧
電化 / 非電化 |
駅名 | 乗り換え路線・備考 | 所在地 | |
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電化 | 青森駅※ あおもり |
JR東日本 | 奥羽本線(弘前駅方面) | 青森市 |
青い森鉄道 | 青い森鉄道線(八戸駅方面) | |||
新油川信号場※ しんあぶらかわ |
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油川駅 あぶらかわ |
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津軽宮田駅 つがるみやた |
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奥内駅※ おくない |
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左堰駅 ひだりせき |
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後潟駅 うしろがた |
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中沢駅※ なかさわ |
2010年に坪尻駅のスタンプがこの駅で発見される珍事があった。 | |||
蓬田駅 よもぎた |
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東津軽郡 蓬田村 |
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郷沢駅※ ごうさわ |
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瀬辺地駅 せへじ |
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蟹田駅※ かにた |
かつての旅客列車における津軽海峡線との実質的な分岐点 | 東津軽郡 外ヶ浜町 |
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中小国駅 なかおぐに |
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新中小国信号場 しんなかおぐに |
海峡線との分岐点 | |||
非電化 | ||||
大平駅 おおだい |
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津軽二股駅 つがるふたまた |
JR北海道 | 北海道新幹線(海峡線) 奥津軽いまべつ駅 | 東津軽郡 今別町 |
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大川平駅 おおかわだい |
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今別駅 いまべつ |
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津軽浜名駅 つがるはまな |
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三厩駅 みんまや |
※2019年6月1日から無人化 | 東津軽郡 外ヶ浜町 |
その他
津軽二股駅は奥津軽いまべつ駅の前身である海峡線津軽今別駅と隣接していたが、公式には乗換駅とされてなかった。また、津軽今別駅は停車する列車はかなり少なく、乗り換えをする場合は蟹田駅の方が便利だった。現在、津軽二股駅と奥津軽いまべつ駅は正式に乗換駅とされており、部分廃線まで青春18きっぷ北海道新幹線オプション券を使って両駅間を乗り継ぐ人も見受けられた。
なお、津軽線は遅延は多いものの、青森県内では運休が非常に少ない路線である。五能線・大湊線のような路線はもちろん東北線や奥羽線が強風等で運休しても津軽線だけ運転していることがよくある。強風・大雨で津軽線が止まっているようであれば、他の県内JR路線は止まっているとことがほとんどである。
時々間違いが見受けられるのだが、津軽鉄道ではない。津軽線にストーブ列車等は走っていない。ちなみに、津軽線と津軽鉄道は改正鉄道敷設法第2号「青森県青森ヨリ三厩、小泊ヲ経テ五所川原ニ至ル鉄道」に基づいて造られた路線である。
関連動画
関連項目
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