立山黒部アルペンルートとは、飛騨山脈を貫通する山岳観光ルートである。日本三名山の一、越中立山や黒部ダムへのアクセスルートとなっている。
概要
富山県と長野県を結ぶ唯一の公共交通路であり、立山や黒部ダムへの観光ルートである。
観光が主目的の交通機関の為、通しで乗ると料金がかなり高く、通常の公共交通としてはまず使用されない。雪と寒さの厳しさもあって通年営業はしておらず、冬季は立山駅~日向山高原間の旅客営業は休止となる。
ルート一覧
運行事業者は、
となっている。ただし例外としてオンシーズンのみ運行のバスは、
が運行事業者となっている。また、団体バスについてはこの限りではない。団体客の利用は概ね立山駅~扇沢駅に限られる。
富山地方鉄道線
電鉄富山駅~立山駅。詳細は「富山地方鉄道本線」および「立山線」参照。
富山地方鉄道本線と立山線を経由する。アルペン特急は宇奈月温泉駅発着、電鉄富山発は普通、急行、快速急行、特急が存在する。団体客は立山駅、あるいは室堂駅まで観光バスを利用するため、当路線は利用しないことが多い。
一般の鉄道路線であり、通年営業している。冬に行くと、深い雪の中ひっそりと春を待つ、静かな立山駅が見られる。
立山ケーブルカー
客車の下に貨車を連結している。この貨車は、通常外されることなく運行されている。
多客期には増発運転が実施しているが、収容人数が少ないことから積み残しがよく起きており、立山駅まで来たのになかなか登れないとか、美女平駅からなかなか下に降りられないとかはよくあること。「マウントバス」と言うケーブルカーを無視して立山駅と室堂駅を結ぶバスが多客期には運行されることもあるぐらいである。
老朽化が進んでいることもあり、新たにロープウェイを建設する計画がある。
立山高原バス
途中通過する立山有料道路は日本で最も距離当たりの料金が高い有料道路となっている。しかし環境保護の為に一般の普通自動車は乗り入れることができず、バスに乗ることが必須となっている。現在、路線バスを順次ハイブリッドバスに入れ替えている。また2012年導入分のデザインは、従来の2色から6色のカラフルなものになった。4月のオープン直後は、かなり高く降り積もった雪の間を除雪された道路が抜けていく「雪の大谷」という景観で有名であり、この期間はバスから降りて道路を歩くことも出来る。
途中、ブナ坂、滝見台、上ノ小平、弘法(7月から営業)、追分、弥陀ヶ原、美松、天狗口、天狗平の各バス停があり、このうち弘法、弥陀ヶ原、天狗平は途中下車可能である。
なお、観光バスや直行バスで室堂に向かう場合は美女平駅の北東にある桂台から立山有料道路に直接入ることになる。また、立山ケーブルカー運休時は立山高原バスが立山駅に直行することになる。
この桂台〜美女平駅間は乗り物を乗り継ぐ場合は基本的に通らないことからあまり目立たない区間であるが、カーブの連続で山の中を通り抜ける区間であるため通る価値はあると思われる。
立山トンネルトロリーバス
室堂駅~大観峰駅。正式名称は「立山黒部貫光無軌条電車線」。かつてはディーゼルバスであったが、環境保護のために1996年にトロリーバスに置き換えられた。
トロリー「バス」という名称だが、鉄道事業法の認可を受けたれっきとした鉄道であり、無軌条電車に分類される。そのため室堂駅は日本最高所の鉄道駅となる。かつては中間駅として雷殿駅があったが、駅と稜線とを結ぶ登山道が崩落してしまったために営業休止中となり、そのまま2013年に廃止された。
2018年に黒部側のトロバスが廃止され電気バスへ入れ替わるため、翌年以降は国内唯一の車両となる。
立山ロープウェイ
途中に支柱が1本も設置されていないワンスパン方式と呼ばれる方法で設計されている。2012年に搬器が入れ替えられた(3代目)。
黒部ケーブルカー
雪害防止および景観保護のため、全線が地下を通っている。また、黒部平駅にはケーブルカー初となるホームドアが設置されている(当時はもちろん唯一だったが、後に箱根登山ケーブルカーの早雲山駅に設置されたため唯一ではなくなった)。
黒部ダム
観光期間は例年4月~11月、観光放水期間は6月末~10月中旬。立山黒部アルペンルート屈指の観光要所であり、土日は多くのツアー客や登山客で賑わう。
関電トンネル電気バス
黒部ダム駅~扇沢駅。関電トンネルトロリーバスは2018年をもって廃止され、その翌年から電気バスに移行している。
もともとは黒部ダム建設資材輸送用に作られたトンネルを転用したもの。『黒部の太陽』は、この隧道建設工事がモチーフとなっている。この路線を保有しているのは関西電力であり、トロリーバス時代は関電が日本最大の資本金を持つ鉄道事業者であった。
路線バス
冬季は日向山高原~信濃大町駅、高山駅、長野駅、新宿駅を発着する便も時期に応じて設定される。
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関連項目
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