銀ノ魂篇とは、漫画『銀魂』における長編エピソードの名称である。
概要
原作の第五百九十六訓から第七百四訓までにわたって描かれた長編エピソード。「烙陽決戦篇」の直後に続く長編にして、銀魂の最終章。直前の「烙陽決戦篇」(全44訓)を上回る話数であり、実に全109訓に渡って展開された。
「烙陽決戦篇」で銀時たちが神楽の故郷にして鬼兵隊の緊急集合場所である忘れられた星『烙陽』に行っていた時、突如天空からの砲撃でターミナルが破壊される。それを境に地球に暮らす人々の生活は急変した。
天導衆からのアルタナの解放を謳う各星間国家の連合軍『アルタナ解放軍』の襲来、その先兵たちによる横暴極まりない破壊と略奪の日々。これらは全て自らや天導衆をエサに地球そのものを滅亡させようと企む虚の策略によるものだった。
そんな中、万事屋と縁のある人々は、荒れ果てた「万事屋銀ちゃん」の事務所に依頼書を提出し、彼らが帰還するその時を待ちわびていた。
やがて解放軍の魔の手がついに万事屋銀ちゃんやスナックお登勢に迫ったその時、ついに銀時たちが帰還。彼らを筆頭に、かぶき町の総力を挙げて解放軍を一時的に撃退することに成功。
その頃、「烙陽決戦篇」にて快援隊に軟禁されていた徳川喜喜は解放軍の蛮行を止めるべく、自身が幕府代表として桂小太郎や坂本辰馬と共に解放軍の上層部との交渉に向かうことを自ら提言。その結果、交渉は(一応は)成功し、解放軍上層部との間に一定の関係を築き上げた。
しかしそんな彼らを嘲笑うかのように虚は奈落の戦闘員に自らの血を与え不死者軍団を築き上げた。更に彼らに町民に成り済まさせた上で解放軍に奇襲を仕掛け、喜喜らの尽力により解放軍との間に成立した停戦協定を破棄させる等、「星崩し」を着々と進めていく。
更に解放軍上層部でもやり場のない憎しみをぶつけようとする圓翔皇子ら過激派の台頭により、地球側と解放軍の全面戦争に突入。その裏で暗躍していた虚は地球側と解放軍の全面戦争を利用し、全銀河を巻き込みその全文明を滅ぼそうとする。
もともと『銀魂』は「将軍暗殺篇」以降これまでとは一線を画するシリアスな展開が続き、物語上重要な伏線の回収が相次いでいたことから連載終了を予期するファンは多かったが、2015年の『ジャンプフェスタ』にて原作者から直々に
「本誌も今はシリアスモードで、今やっている新八のツッコミ喪失篇(「烙陽決戦篇」のこと)の後、来年から始まるシリーズが、銀魂の最終章になると思います」
というコメントが発表されたことで銀魂の連載終了が間近に迫っていることが決定的になった。
当然ファンの間では嘆き悲しむ声も多かった他、あまりシリアスを好まない層からは「連載終了までにもう一度ギャグを見たい」という声も上がった。
そんな中、第五百九十五訓まで続いた「烙陽決戦篇」でこれまで謎に包まれていた神楽一家や高杉の過去の因縁に一定の決着が付き、虚の正体や天導衆の真の姿が明らかになった上で、ついにこの最終章「銀ノ魂篇」に突入した。
ちなみに長編名の銀と魂の間に入る文字はひらがなの「の」ではなくカタカナの「ノ」だが、これは原作の表紙やアニメのアイキャッチにある『銀魂』のロゴには銀と魂の間に刀傷のようなスラッシュ状の模様があり、この模様にかけてカタカナの『ノ』にしたものと思われる。
つまり、「『銀魂』の終わりは『銀魂』」ということである。ただ、前述のジャンプフェスタで原作者もまだ回収できていない伏線が多くあるとしており、実際のところ長編の着地点がどこになるのかは作者にも読者にも分かっていなかった。
2年後ショックではない正真正銘の『2年後』
「侍の国」、僕らの国がそう呼ばれたのは今は昔の話。
かつて侍達が命を賭して守った江戸の空には、再び異郷の船が飛び交い、
かつて侍達が命を賭して守った江戸の街には、再び異人がふんぞり返り歩く。
あれから2年…戦いの爪痕を深く残しながらも、
江戸は一歩ずつ、以前の姿に戻りつつあった。
第六百六十九訓(アニメ版では第362話)から更に2年後の世界に突入。2年後ショックの頃はまさか作者が本当に2年後のかぶき町を描くなど読者は思ってもいなかったことだろう。2018年8月20日発売の38号で臨時休載などを挟まない限り最終回まで残り5訓と発表され、9月15日の42号で完結を迎えるアナウンスと共に14年以上に渡る連載に終止符が打たれた…はずなのだが、実際はページ数が足らず終わることができなかった。
結果『俺たちの戦いはこれからだ』と言わんばかりに連載が終了し、『最終回の向こう側』としてジャンプGIGAで始まった完結編と共に今度こそ完結を迎えた…はずなのだが、そこでも終わることができなかった。
結果アプリ連載に移行し、本当の本当に完結。15年に及ぶ連載に幕を下ろした。
アニメにおける銀ノ魂篇
テレビアニメでは2018年1月~3月に「ポロリ篇」から続けて放映。本放送第4期『銀魂.』の最期の長編である。第342話~第367話が「銀ノ魂篇」にあたり、これまた昨年の「烙陽決戦篇」の全12話を上回る全26話という話数である。
同年3月26日までを「前半戦」、4月~6月を「休憩」と称して休止し、7月8日~10月8日までを「後半戦」として放映し、アニメの方も完結を迎えた…はずなのだが、原作が終われず第3期から練っていた綿密な計画が狂ったのか、はたまた予定調和だったのか、こちらも終わることができなかった。
そもそも、バトル描写が多いとはいえ、全109訓あるストーリーを全26話に集約すること自体に無理がある話ではあるが、劇場版最終作『銀魂 THE FINAL』にて残りも集約する予定らしい。
銀魂 THE FINAL
銀魂 THE FINAL | |
基本情報 | |
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監督 脚本 |
宮脇千鶴 |
音楽 | Audio Highs |
監修 | 藤田陽一 |
製作 | 劇場版銀魂製作委員会 |
アニメーション制作 | バンダイナムコピクチャーズ |
配給 | ワーナー・ブラザーズ |
公開 | 2021年1月8日 |
映画テンプレート |
監督、脚本に『美男高校地球防衛部』で副監督を務めた宮脇千鶴を迎えて製作される、アニメ銀魂の多分最終作。本作の関連作として、dTV独占配信作品『銀魂 THE SEMI-FINAL』が2021年1月15、20日に配信される。こちらは劇場版で入りきらなかった万事屋と真選組のエピソードを収録。
原作ラストの残り部分をベースに上映時間内で編集、製作されるため、どこまで原作通りに進むかは現時点で不明。というか予告時点で最後まで完成してるかも怪しい。
週替わりの入場者特典として、公開1週目は作者の空知英秋による書き下ろしの『鬼滅の刃』炭治郎&柱イラストカード、アニメ銀魂名場面総選挙上位25話と本作シーン5種のフィルム風シールがランダム1種配布される。前者は未だ衰えない鬼滅人気にあやかる気満々だが、あちらもこちらも同じアニプレックスが絡んでるから多分問題ないはず。←公式によるとちゃんと関係者に許可取ってるそうです。
ちなみに鬼滅作者の吾峠呼世晴がジャンプ編集部に原稿を送るようになったのは銀魂が少なからず影響している。実際WJ本誌での連載終了時には、作者が巻末コメントで空知への感謝のコメントを掲載していた。そんな今回のイラスト制作は、銀魂による時代の寵児となった鬼滅への何らかのお返しなのかもしれない。
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その結果、初週の興行収入ランキングでは「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のV12を阻止して見事1位を獲得。内容もさることながら、"鬼滅(映画)に鬼滅(特典)をぶつけて1位を獲る"という銀魂らしいプロモーションも功を奏し、約2か月以上動かなかった1位の座をもぎ取ったのであった。
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