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ARMS(漫画)とは、週刊少年サンデーで連載されていたSFバトル漫画である。
概要
事件や事故で体の一部を失い、その後ナノマシン「ARMS」によりその欠損を補った少年少女たちの戦いを描いている。
ストーリーは「覚醒編」「邂逅編」「進化編」「アリス編」「帰還編」の5部に分かれており、当初は高校が舞台だった物語は世界規模に拡大していく。
2001年には『PROJECT ARMS』の名前でアニメ化もされた。ストーリーは第4部までで決着するように改変されており、また、原作でのニューヨークでの戦いもテレビ放送と同時期に起こった2001年のアメリカ同時多発テロを想起させるためか舞台が変えられている。
登場人物
- 高槻涼
- 主人公。飄々とした性格でマイペース。よく赤木カツミにそのことで怒られている。
- 両親に小さいころから格闘術・サバイバル技術を教わっており、トラップ技術は本職の軍人すら翻弄するほど。
- 幼少時に事故で右腕を切断しなければいけないほどの大けがを負うが、ARMSを埋め込むことで回復した。しかし、本人はそのことを知らない。
- 赤木カツミとは幼馴染で、大切な存在。
- 埋め込まれたARMSは「ジャバウォック(魔獣)」。第一形態での発現場所は右腕。
- 新宮隼人
- 涼の高校にやってきた転校生。カッとなりやすい性格で喧嘩っ早い。
- 祖父から新宮流古武術を習っているが、その性格のせいで十全には扱えていない。物語を通して精神的にも成長すると、その真価を発揮するようになる。
- 幼少時に生まれ故郷の鐙沢村を襲撃され、目の前で父親を殺され、自身も左腕を切り落とされるという悲劇に見舞われたのが、現在の彼の性格につながっている。
- 埋め込まれたARMSは「ナイト(騎士)」。第一形態での発現場所は左腕。
- 巴武士
- 涼の高校に隼人に続いてやってきた転校生。
- 臆病な性格で誰も信用しようとしなかったが、戦いを通して成長し、仲間を大切に思うようになっていく。
- 幼少時に妹をかばって交通事故に遭い、両足を切断しなければいけないほどの怪我を負い、ARMSの移植を受ける。生来の運動神経と動体視力にも長けており、音速で移動するサイボーグの動きを見切ったり、回転するヘリのローターをすり抜けるなどの超人的な機動を見せる。
- 埋め込まれたARMSは「ホワイトラビット(白兎)」。第一形態での発現場所は両足。
- 久留間恵
- 第2部から登場する赤木カツミそっくりの少女。
- 秘密組織「ブルーメン」の一員であり、登場当初からすでにARMSの制御ができるようになっている。
- 当初は自らの能力を鼻にかけ孤立気味であったが、成長し本物のリーダーを資質を身に着けた。
- 幼少時に通り魔に襲われ、両目を失うも、ARMSを移植することにより視力は回復している。
- 埋め込まれたARMSは「クイーン・オブ・ハート(ハートの女王)」。第一形態での発現場所は両目。
- 赤木カツミ
- 高槻涼の幼馴染で世話女房。平凡な少女と思われていたが、実は彼女にも秘密があったことがストーリーの中で明かされる。
- 第1部のラストで死亡したと思われていたが、第2部で生存が判明。第3部と第4部は涼たちによる彼女を奪還するための物語となっている。
ARMS
作品のタイトルでもあり、少年少女たちに埋め込まれたナノマシン兵器の名称でもあり、物語のキーワードにもなってくる。
地上に落下してきた金属生命体「アザゼル」がベースになっており、人間に埋め込まれるとナノマシンが増殖し体の欠損部分を補う。普段は代替された部分の怪我の治りが速い程度の効果しかないが、一度発動すると金属生命体として戦闘形態へ変化する。第一形態では代替された部分しか変化しないが、完全体では全身がそれぞれのARMSに特有の異形の姿へと変化する。これらの発動は訓練により制御することが可能であるが、オリジナルARMSでは勝手に発動してしまうことも多かった。一度完全体として覚醒したあとには人間の姿のまま、全身にARMSの浸食が及んでいる形態も登場する。
ARMSは誰にでも埋め込めるわけではなく、拒絶反応を起こさずARMSと共生関係になれる人間はごくわずか。拒絶反応を起こしてしまった場合、全身がARMSに浸食され金属の塵となって死亡する。拒絶反応を起こさない人間の遺伝子はすでに解明されており、主人公の高槻涼たちもその遺伝子をもって生まれてくるよう調整されたデザイナーズチャイルドである。
ARMSを生み出した「アリス」の意志を埋め込まれた4つのオリジナルARMSと、その後に人工的に生み出されたアドバンストARMSが存在し、物語終盤には再調整されたうえで量産化されたモデュレイテッドARMSも登場した。
- ジャバウォック
- 高槻涼に埋め込まれたオリジナルARMS。「アリス」の憎しみを司る。
- 第一形態時でも片手で軍事サイボーグを振り回すほどのパワーを持ち、圧縮空気を使って打ち出す砲撃で遠距離の敵にも対処可能。さらにその爪はARMS殺しであり、これで傷つけられたARMSは自己再生ができなくなる。ARMS殺しを持つARMSは他にもいるが、完全体でないときにも使えるのはジャバウォックのみ。
- 完全体時には毛が逆立った鬼のような異形へ変化する。宿主である涼の憎しみの感情により完全体が発動した際には破壊の化身とでもいうべき存在になり、敵対するものはすべて殲滅する。また、敵の攻撃を受けることで学習し、その攻撃を無効化したり、あるいはその能力を習得するといったことも可能。戦えば戦うほどに強化されていく恐るべき存在である。
- ナイト
- 新宮隼人に埋め込まれたオリジナルARMS。「アリス」の仁愛を司る。
- 第一形態時では鉤爪の他にある程度伸縮自在のブレードが特徴。進化していく中でニードルを射出できるようになった。
- 完全体時には甲冑に身を包んだまさに『騎士』といった姿になる。右腕にはARMS殺しである超振動兵器「ミストルテインの槍」が備わり、敵対する存在を破壊する。この槍は宿主である隼人の守りたいという意思により進化していく。
- 本来はジャバウォックが憎しみによって発動した際のカウンターのための存在。そのため作中で何度もジャバウォックを殺そうとしている。
- ホワイトラビット
- 巴武士に埋め込まれたオリジナルARMS。「アリス」の勇気を司る。
- 第一形態時では両足に発現し、脚力を強化する。圧縮空気を噴出することで飛行も可能。
- 第二形態では頭部こそウサギの耳を思わせる2本の角が生えるが、背中には蝙蝠のような巨大な翼が生えるため全身のシルエットはウサギとはかけ離れている。この形態では超音速での移動が可能であり、そのスピードを生かした突進や、それに伴って発生するソニックブームも攻撃の手段となる。本来はナイトと同じくジャバウォックに対するカウンターとしての存在。ナイトとコンビでジャバウォックと対峙したこともある。
- 物語後半では、一時的に白いアリスと融合したため全身発光による破壊の力を手に入れる。この光による破壊はARMS殺し効果も持っているようで、モデュレイテッドARMS部隊を単騎で壊滅させている。
- クイーン・オブ・ハート
- 久留間恵に埋め込まれたオリジナルAMRS。「アリス」の審判を司る。
- 第一形態では両目に発動し、可視範囲外の光や空気の流れ、筋肉の動きまで認識することができる。恵自身の訓練と合わせることで、相手の筋肉の動きから次の動きを予測することが可能。対人戦では容易に相手を制圧できる。反面、肉体的強化や再生能力は弱いようで、どうしてもサイボーグ部隊などを相手にするときには火力や直接戦闘力の力不足が目立つ。そのため、中盤以降は主に戦闘の指揮を担当することが多くなった。
- 完全体では肉体が変化するのではなく、恵を中心とした空間にホログラムのクイーン・オブ・ハートが投影される。直接敵を攻撃できる能力は持っていないが、敵のあらゆる攻撃をそのまま跳ね返す「アイギスの鏡」を持つ。
- また、隠された能力として宿主の意志によりすべてのARMSを完全に停止させることも可能。しかしそれは仲間の命すら奪うプログラムであり、恵には発動を決断することができなかった。
その他雑記
- 主人公たちのネーミングは『ゲッターロボ』のパイロットたちのもじり。流竜馬→高槻涼、神隼人→新宮隼人、巴武蔵→巴武士、車弁慶→久留間恵。
- 劇中のARMSの名前他はルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』から取られている。
- 組織名などは聖書外典の『エノク書』から取られている。
- クトゥルフ神話からもモチーフが取られている。ex.ARMS開発の元となった隕石を初めて発見したのがミスカトニック大学の調査チームなど。
- 物語序盤で涼が暴走しがちな右腕を押さえようとするシーンはそこだけ切り取ったら「邪気眼」コピペそのものである。
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