夢、勇気、家族愛などの普遍的なテーマを真っ直ぐに描いたストーリー、ファンタジックな世界観とそれを彩るBGMが今でも高く評価されており、「ソニック」シリーズや「PSO」シリーズと並んでセガ・ソニックチームの代表作とされる。
オリジナルの「NiGHTS into Dreams...」(1996年、セガサターン)のほか、冬季限定の特別仕様「Christmas NiGHTS(クリスマスナイツ)」、さらに続編として開発された「ナイツ 〜星降る夜の物語〜」(2007年、Wii)がある。また、2008年にはオリジナル版がPS2へ移植された。そして2012年にはオリジナル版がHD画質となってPS3・XBOX360でダウンロード販売されている。
「NiGHTS into Dreams...」(1996年、セガサターン)
セガサターンを語る上では欠かせないアナログキーパッド「セガマルチコントローラー」(通称マルコン)と同時に発売された。自由ながらも時に精密さが求められるアナログ方向キーならではの操作感や、空に弧を描きながら曲芸飛行する独特の浮遊感・スピード感が人気を集め、本作のヒットはマルコンの普及に大きく貢献した。
また、ライバル機プレイステーションと比べて3Dに弱いと言われていたセガサターンだが、本作はソニックチームの高い技術力によって当時としては非常に美しく魅力的なポリゴン空間を構築しており、評価が高い。しかし満を持して登場した任天堂の新ハードNINTENDO64と、その切り込み隊長であった「スーパーマリオ64」の陰に隠れてしまったあたりは実にセガらしい。翌年(97年に「FFVII」が登場)以降の撤退戦の分水嶺に位置する、悲運の名作である。
「christmas NiGHTS 冬季限定版」(1996年、セガサターン)
非売品。96年末の冬季限定でサターン本体やマルコンといったハードに同梱されていた、1ステージだけのスペシャルエディション。前述の同梱版販売期間中に限りソフト単体での通信販売(?)も行われたが、送料・手数料負担のみで、ソフト自体は実質無料で入手できたあたり、のちのドリームキャストでの無謀とも言える各種無料施策につながる採算度外視っぷりである。サターンならではの、内蔵時計と連動した仕掛けが有名。
PS2にNiGHTSが移植された際、追加モード「クリスマスドリーム」としてリメイク版が収録されている。
「NiGHTS 〜星降る夜の物語〜」(2007年、Wii)
11年の時を経てWiiで甦った最新作。
ササキトモコをはじめ、すでにソニックチームを離れた当時の主要スタッフも開発に参加しており、前作の要素を基本的に踏襲している。新たな要素として、ナイツが「ドラゴンナイツ」「ドルフィンナイツ」「ロケットナイツ」といった別形態に変身できるようになった。
「NiGHTS into dreams...」PS2版・HD版
2008年、オリジナル版発売からおよそ11年を経てPS2に移植される。初回限定版にはオリジナル版と同時期に発売された絵本「NiGHTS~翼が無くても空は飛べる~」の復刻版がセットとなっている。
セガサターンのグラフィックを再現したモード「SEGA SATURN DREAM」、グラフィックなどを一新したモード「BRAND NEW DREAM」の二種類が存在し、ある条件を満たせばクリスマスナイツ仕様の「クリスマス ドリーム」で遊ぶことができる。その他、セガサターン当時の資料を閲覧できるギャラリーモードやムービーモードもある。
2012年、PS2版をベースにPS3・XBOX360にHD画質版がダウンロード限定発売される。HD版では、トロフィー機能の追加や撮りおろしの開発者インタビューも収録されている。
ゲーム概要
新作・旧作ともに、悩みを抱えた少年と少女が、不思議な存在「ナイツ」と出会い、悪夢に浸食されつつある夢の世界を守る、というストーリー。
以下、1作目「NiGHTS into Dreams...」をベースにゲーム内容を述べる。
主人公の少年・少女は、ファンタジックな夢の世界「ナイトピア」でナイツと融合することにより、自由に空を飛ぶ力を手に入れる。ナイトピアを悪夢の世界「ナイトメア」にしようと企むワイズマンおよび、ワイズマンに従うリアラをはじめとするナイトメアンたちから「イデア」を取り戻すことがゲームの目的。
各ステージでマップを周回しながらイデアを集め、さらにナイトメアへと移動してステージボスを倒すことで次のステージに進むことができる。
また、ゲーム中に登場する夢の世界の住人「ナイトピアン」たちとナイツの友好度によってBGMが変わるという仕掛けが用意されていた。
Dreams Dreams
本作のメインテーマ曲で、ゴスペルバージョン、キッズバージョンなど複数のバージョンが存在している。
作曲者はステージBGMも手掛けているササキトモコ。詳しくは→Dreams Dreamsを参照
お絵カキコ
関連項目
公式サイト
パソコン通信からインターネットに移行しつつあった1996年、いつでも時代を先取りしすぎることで知られるセガはゲームメーカーの中でも先んじて「公式プロモーションサイト」なるものに力を入れていた(先見の明なのか、単に新しいもの好きなのかはセガのみぞ知る)。中でもNiGHTSの公式サイトは、2009年時点でまだネット上に現存している。(当時のサイトは現行のNiGHTSサイト内に移行)当時のスタッフたちが楽しんで作っていたことが伝わってくる、手作り感満載の貴重な歴史的資料である。
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