秦とは、
王朝
- 秦:周~秦の統一期まで存在した中国の王朝。一般的に秦と言えばこの王朝を指す。始皇帝の時に初めて中華を統一したが、項羽や劉邦らに滅ぼされた。(BC905~BC206)
- 前秦:五胡十六国時代に氐族が建てた王朝。一時華北を統一したが淝水の戦いに敗北後は衰退し西秦に滅ぼされた。(351~394)
- 後秦:五胡十六国時代に姜族が建てた王朝。東晋に滅ぼされた。(384~417)
- 西秦:五胡十六国時代に鮮卑族が建てた王朝。夏に滅ぼされた。(385~431)
- 西秦:隋末唐初に蒒挙が建てた王朝。唐に滅ぼされた。(617~618)
- 朱沘が中唐期に建てた王朝の初期の名前。漢に改称。
人名
漢姓
漢姓に秦姓がある。嬴姓の秦氏が著名。王朝・秦の王族の後裔である。また、大秦(ローマ帝国)の商人・秦論が秦姓を称した。
実在の人物
- 秦開:戦国時代の燕の武将
- 秦檜:南宋の宰相
- 秦観:北宋の詩人、政治家
- 秦凱:中華人民共和国の飛込競技選手
- 秦基偉:中華人民共和国の軍人
- 秦宜禄:後漢時代末期の政治家
- 秦剛:中華人民共和国の外交官
- 秦始皇:秦の皇帝。始皇帝
- 秦日綱:太平天国の指導者
- 秦鍾午:大韓民国の射撃選手
- 秦叔宝:唐の軍人。叔宝は字で名は瓊
- 秦徳純:中華民国の軍人
- 秦宓:三国時代の蜀漢の学者
- 秦朗:三国時代の魏の武将・政治家。秦宜禄の子
- 秦豊:新代から後漢時代初期にかけての武将
- 秦良玉:明の軍人
- 秦論:大秦(ローマ帝国)の商人。孫権と謁見した
架空の人物・キャラクター
日本の氏・苗字
古代豪族の秦(はた)氏が著名。カバネは公、のち造、のち忌寸。
渡来人系氏族で大陸の嬴姓秦氏、即ち王朝・秦の後裔と称した。応神天皇の御世、始皇帝の15世という弓月君が来日したのが始まり。以後、5世紀ごろに山城国葛野(現・京都府右京区太秦付近とされる)に土着し、日本の養蚕や機織、土木工事などの技術を日本にもたらしたと伝わる。実際に始皇帝後裔かどうかはかなり疑問が残され、不明である。百済系、新羅系などの説も存在している。広隆寺を建立した秦河勝らが著名。
土佐国の長宗我部氏は秦氏後裔を称した。また、山城国の川勝氏は秦河勝後裔と称した。
現代の苗字としての秦姓は日本各地に広く分布しているが、特に長野県下伊那郡、三重県四日市市付近、島根県安来市付近や、愛媛県新居浜市付近、福岡県うきは市付近に集中している。また、福島県大沼郡三島町、福岡県うきは市では苗字軒数ベスト10入り。福島県を除く東北地方には比較的少ない。また、大分県にも多いが、大分市付近では「しん」と読むことが多い。
実在の人物(氏)
実在の人物(苗字)
- 秦郁彦(はた・いくひこ):歴史学者
- 秦逸三(はた・いつぞう):科学者、実業家。日本で初めて人造絹糸(レーヨン)の製造に成功した
- 秦恒平(はた・こうへい):作家
- 秦佐八郎(はた・さはちろう):細菌学者
- 秦佐和子(はた・さわこ):アイドル
- 秦真司(はた・しんじ):元プロ野球選手
- 秦真次(はた・しんじ):陸軍軍人、神官
- 秦新二(はた・しんじ):翻訳家
- 秦建日子(はた・たけひこ):小説家。秦恒平の子
- 秦透哉(はた・とおや):俳優
- 秦豊吉(はた・とよきち):作家、実業家。丸木砂土
- 秦彦三郎(はた・ひこさぶろう):陸軍軍人
- 秦秀明(はた・ひであき):俳優
- 秦瑞穂(はた・みずほ)タレント
- 秦基博(はた・もとひろ):シンガーソングライター
- 秦裕二(はた・ゆうじ):元プロ野球選手
- 秦由圭(しんの・ゆか):俳優
- 秦由香里(しん・ゆかり):俳優、声優
- 秦豊(はた・ゆたか):アナウンサー、政治家
- 秦れい(はた・れい):俳優
実在の人物(名)
架空の人物(氏)
地名
中国
- 陝西省(略称が秦)
日本
秦氏の居住地や関係した地に秦という地名が付けられた例が多い。また、羽田などの同音の地名や、神奈川県秦野市のように「秦」を含む地名も秦氏が由来であることが多い。
※特記しない限り読みは「はた」
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