エンターテインメントソフトウェアレイティング委員会(Entertainment Software Rating Board)、通称ESRBはアメリカのゲームソフトのレーティング審査機構である。
概要
アメリカ合衆国およびカナダで販売されるゲームの審査を行っている。我々日本人にとって日本国外のレーティング団体で一番知名度が高いかもしれない。
レーティング一覧
ここではESRBにおけるレーティングを列挙しておく。比較でCEROのレーティングも挙げているが一部例外もあるのであくまでも参考程度にして欲しい。
- eC (Early Childhood) :年齢層でいえば3歳~10歳ぐらい(CEROでいえばA指定)
- E (Everyone) :年齢層でいえば6歳以上。以前はK-A(Kids to Adults)という表示だった(CEROでいえばA指定)
- E10+ (Everyone 10+) :年齢層でいえば10歳以上(CEROでいえばA指定かB指定)
- T (Teen) :年齢層でいえば13歳以上(CEROで言えばB指定かC指定)
- M (Mature) :年齢層でいえば17歳以上(CEROで言えばD指定かZ指定)
- AO (Adults Only) :年齢層でいえば18歳以上(CEROで言えばZ指定かレーティングを与えられないことになるがこれになると再審査を受けM区分に引き下げるケースが多い。詳細は後述)
- NR (Not Rated) :ESRB発足以前かESRBが審査を行わなかったゲームに表示される
- RP (Rating Pending) :これから審査予定であるか現在審査中であることを示す。T区分以上になる可能性がある場合は"May contain content inappropriate for children."(意訳すると"このゲームは子供にふさわしくない内容を含む可能性があります。")という注意文も記載される(CEROで言えば「審査予定」)
ちなみに日本ではその残虐な視覚効果でZ指定(18歳以上対象)となっている「グランド・セフト・オート」シリーズはESRBではMature(17歳以上対象)指定となっている。
また、日本ではZ指定になるまで発売禁止を受けている「FALLOUT3」はESRBでは同じくMature指定であり、なんら問題なく販売されている。
妙な話だが、日本では12歳以上対象となっている「ペルソナ」シリーズはESRBでは17歳以上対象となっている。宗教表現が駄目だったようだ。
ただ残虐効果には疎いESRBだが、性的描写には厳しく、一部の成人向けゲームはアメリカでは表現規制がかかっている。特に、直接的な性的描写が含まれているとほとんどの場合AO区分に判定されてしまい実質販売ができなくなる。
要素一覧
パッケージの裏面にはレーティング以外にそのゲームに含まれている要素も記載されている。この項ではそれらを列挙しておく。CEROではこれらはアイコン(コンテンツディスクリプターアイコンという)で示されている。
これらのうち、表現が軽いものは"Mild~"と、表現がきついものは"Strong~"と表示されることもある。
その他の表示
上で挙げたもの以外にもいくつかある。
- Online Interactions Not Rated by the ESRB. :簡単に言えば「オンラインモードではレーティングの対象外です。」といった意味になる。たとえば、暴言などが含まれないE区分のゲームでもオンラインチャットが利用できる場合"Fuck you!"などの発言をされることがある。しかし、不特定多数のユーザーが利用する場面では誰がどんな発言をするかは分からないので明確なレーティングが定まらない。そのため、オンラインモードがあるゲームではこういった措置がとられているのである。以前はGame Experience May Change During Online Play.と表記されていた。
- Online Music Not Rated by the ESRB.:上記の音楽版。たとえば、音楽ゲームなどでは後から追加で楽曲を入手できるものがあるがそれらは多岐にわたり上記と同じように明確なレーティングが定まらない。そのため、追加で入手する楽曲やストリーミングができる楽曲はレーティングから切り離されているのである。
下記の4つはスマートフォン向けのゲームに表示されるようである
- Shares Location:ユーザー同士で位置情報の共有ができるゲームに表示される。
- Users Interact:ユーザー同士でコミュニケーションがとれるゲームに表示される。
- Digital Purchases:アプリ内課金が存在するゲームに表示される。
- Unrestricted Internet:インターネットへのアクセスが可能なゲームに表示される。
なぜAOになると発売できなくなるのか?
任天堂などの大手メーカーはAO区分となったゲームソフトの販売を原則認めていないからである。また、アメリカの大手小売店ではAO区分のソフトの販売を認めていないこともある。そのため、アメリカ国内で販売する上で非常に不都合なものとなってしまう。そこで内容を修正しM区分に引き下げてから販売するのである。ちなみに、AO区分に判定されたソフトは6区分の中で最も少ない。
関連項目
外部リンク
- 3
- 0pt