オフサイドとは、以下のことを表す。
スポーツの規則
オフサイド(offside)は、フットボールやホッケーに見られる攻撃側の選手のポジションに関する規則である。基本的には、待ち伏せの禁止など攻撃側が無駄に有利にならないようにするために設けられる。
主なオフサイドの規則があるスポーツ
サッカーのオフサイド
サッカーにおいてオフサイドポジションは、フィールドにおいてオフサイドラインと守備側のゴールラインの間のゾーン全てを指す。オフサイドラインの定義は以下の通り。
以上の3つの内、最も守備側のゴールラインに近いものがオフサイドラインになる。
基本的には3つ目であり、最もゴールラインに近い選手はGKであることがほとんどなので、要するに「GK以外で最も後ろにいる守備側の選手が基準」と認識しておけば概ね問題ない。1つ目は「後方へのパスはオンサイド」、2つ目は「自陣にいたら(たとえ相手が全員で攻撃していても)オンサイド」ということを意味する。
オフサイドポジションにいる攻撃側の選手が「プレーに積極的に関与する」とオフサイドの反則が適用され、守備側に間接フリーキックが与えられる。
積極的に関与しているかどうかは主審が判断する。ボールに触れるだけが関与ではなく、そこにいることで守備側の行動を牽制するなどのことも関与となりうるのである。
オフサイドポジションかどうかは(ピッチ内にいる)主審からは判別できないことが多いので基本的には(ライン際にいる)副審が頑張る。かつては副審ではなく「線審」が正式名称であったほど、サッカーにおける副審の重要な役目である。
オフサイドのライン基準は、頭、胴体または足である。これらのどれか一つでもラインを超えてしまえば、オフサイドとなる。ただし手は含まれない。
勘違いしている人も多いが、オフサイドかどうか判定されるのはパスが出された瞬間である。パスの瞬間にはラインの手前にいて、DFラインの裏側に出されたパス(スルーパス)に追いついたような場合にはオフサイドは適用されない。逆に、パスの瞬間にオフサイドポジションにいて、ラインの手前に戻ってパスを受けるとオフサイドになる(俗に「戻りオフサイド」と言う)。
また、スローイン、ゴールキック、コーナーキックはオフサイドポジションで受けてもオフサイドにならない。
相手側が蹴ったボールであれば干渉してもオフサイドにならない。攻守が入れ替わった直後、まだ守備に戻っていない元攻撃側のFWが間にいることに気づかずに元守備側のDFがGKへのバックパスをしてしまった場合などに起こりうる。
オフサイドのルールを利用し、攻撃側がパスを出したいタイミングを見計らって守備側が一斉に前進することで、前線へのパスを封じる(オフサイドでボールを奪える)戦術がオフサイドトラップである。
ラグビーのオフサイド
ラグビーには二種類のオフサイドがある。
ラグビーはルール上、前方へのパスはできないため、オフサイドラインは決まって攻撃側のボールがある位置になる。また、前方へボールを落とすとノックオンという反則になるため、やはりボールより先に選手が進めないようになっている。例外はキックによる処理だが、キックした選手より前方にいる選手はキックした選手より前方でボールに触るとオフサイドになる。
もう一つは密集プレイ中のオフサイドである。スクラム、ラインアウト中、いずれも他の選手は一定距離以上後方にいないとといけない。また、ラックやモールといったブレイクダウン時には参加してはいけない向きがあり、これを破るとオフサイドになる。
アメリカンフットボールのオフサイド
アメフトでオフサイドが適用されるのはプレー再開前のスクリメージ時のみである。スクリメージでボールがスナップされた際に、ディフェンスがスクリメージラインというラインを超えるとオフサイドになる(スナップ前までに戻れば問題ないが、相手オフェンスが戦略的に妨害してくることもある)。いざスナップが終わると、次のプレー再開までオフサイドは適用されない。
アイスホッケー、ラクロスのオフサイド
アイスホッケー及びラクロスのオフサイドは任意のラインが基準となっている。アイスホッケーでは相手側の、ブルーラインより前方のアタッキングゾーンに、パックより先に選手が入ってはいけない。一方、ラクロスの場合は相手側陣地や自分側の陣地に一定数の選手を常に配置しておかねばならない。流動的なサッカー、ラグビーのオフサイドと異なり、これらの競技はオフサイド適用のエリアが固定されている点が特徴である。
水球のオフサイド
水球のオフサイドは相手ゴール前2mに限定される。オフサイドが適用される条件は2種類。
オフサイドがないスポーツ
オフサイドはこのように、個々のスポーツにおいて競技を面白くするため採用されたものである。だが、競技によってはオフサイドがないスポーツがある。主なものに以下の種目がある。
- バスケットボール→制限時間の設定
ペイントエリアという相手側ゴール付近のエリアにオフェンス側は3秒以上居ることができないため、待ち伏せができない。また、8秒ルールや24秒ルールの存在で素早く相手側に攻める必要があるため、待ち伏せ攻撃に優位性がない。 - ハンドボール→シュートエリアの制限
ゴールエリアラインは相手側GKしか入ることができないため、待ち伏せができない。戦士のように空中で待機できれば可能だが…。 - フィールドホッケー→パス条件、シュート条件の限定
ハンドボールとは逆にシューティングエリア内からのゴールしか認められない。また、ゴールシュート以外のボールを膝以上浮かせる行為は(状況にもよるが)反則となる。過去にはオフサイドがあったらしいが改正された。 - フットサル
サッカーとの一番の違いである。サッカーに比べコート、ゴールが小さい上にゴールキーパーもいることで待ち伏せの優位性があまりないことから。 - ソサイチ
ソサイチとは7人制サッカーのことであるが、これもフットサルと同様の理由である。
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