セイラム魔女裁判とは、1692年から1693年にかけて北アメリカのマサチューセッツ地域で起こった事件である。
概要
ピューリタンの牧師サミュエル・パリスの娘ベティ・パリスと姪のアビゲイル・ウィリアムズが狂乱状態となったことがきっかけで始まった魔女裁判。
結果として150人から200人が逮捕され、19人が裁判所によって極刑を言い渡されて処刑、1人が拷問の過程で死亡した。全体を通じ、最初の告発者アビゲイルを含む10代の少女の一団が中心的な告発者だった。
ヨーロッパでは概ね魔女狩りが廃れた時代に起きた事件であり、近代的な理性を備えつつある人々が魔女狩りを行った。裁判自体も口頭弁論が中心で、石を積まれて圧死したジャイルズ・コーリーのような例があるものの、暴力を用いた拷問はあまり行われず、超法規的殺人もなかった。
そのため、過激な拷問や暴力、処刑方法が用いられ、多くの犠牲者を出したヨーロッパの魔女狩りとはまた違った泥臭さや問題点が見出されることから、研究が盛んに行われている。
補遺
この事件を題材とした作品に、アーサー・ミラーの戯曲『るつぼ』がある。いわゆる赤狩りとマッカーシズムに対する批判を込めてこの事件を描き、登場人物も実在した人物である。
1996年には『クルーシブル』のタイトルで映画化された。
『クトゥルフ神話』大系の生みの親、H.P.ラヴクラフトは、この事件を踏まえた歴史を持つ架空の町・アーカムを創造。宇宙的恐怖に彩られた事件の舞台として名を知られることとなる。
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