タイラントとは、漫画「キン肉マン」に登場するキャラクターである。
タイラントの名は「暴君」を意味し、必殺技も相手を担ぎ上げて投げ落とす変形ブレーンバスター「暴君暴風落とし」。
概要
100万年前、地球から遠く離れた(キン肉星からはやたら近い)暗黒物質に囲まれて存在を確認できなかった惑星「クッピン星」を支配しようとした超人。
だが、その前に「奇跡の救世主」と呼ばれる超人が立ちはだかった。完璧・弐式シルバーマンである。
そこらの残虐超人ごときが完璧超人始祖にかなうはずもなく、タイラントの攻撃は全てパーフェクトディフェンダーで防がれ、ジャーマンスープレックスで撃沈。
この時シルバーマンは超人墓場を出て、後に正義超人となる一派を指導している時期。数億年に渡る苦悩と修行の成果が出たのか、タイラントの命を奪わず不殺に成功。しかし友情について教え諭す事までには至らず、投獄するのみに留めておいた。
この時のシルバーマンは故あって偽名を名乗ったのか、100万年もの歳月の間に(グロロ→ウルルのように)言い伝えが変化していったのか、クッピン星には「ミュースマン」という名で語り継がれていた。
こうして、いったんは危機が去ったクッピン星であったが、投獄されていたタイラントが100万年後に脱獄に成功。3ヶ月でクッピン星を制圧した。救援を求めて地球に逃亡した若者バラックも捕らえられてしまうが、その際に残したわずかな手がかりからキン肉マンがクッピン星を発見。クッピン星にやってきたキン肉マンを見て、タイラントはキン肉マンが「奇跡の救世主」の子孫である事を確信。キン肉マンとの一騎討ちになる。
クッピン星に到着したばかりで背後事情をよく知らないキン肉マンは「おまえが100万年の間怨念の力で技術研鑽を積んできたというなら……」と語っているが、投獄されていたタイラントには技術研鑽などできるはずも無く、外部の情報を得る術も無かった。そのため、威力は十分だが返し技の研究も進んで直撃弾が期待できなくなっているキン肉バスターの返し方を知らず、まともに喰らって撃沈。再びクッピン星の危機は去ったのだった。
余談
- キン肉マンは試合後即座に宇宙船で帰ろうとしているのだが、後の処置は何もしなくていいのだろうか。タイラントに友情の心が伝わったとは思えないし、今度もまた投獄ではいずれまた同じ結果になるだろうし……。
タイラントはキン肉バスターで死んだのだろうか? - 作中でシルバーマンと戦って生きていたのは、サイコマン(全身グシャグシャにされたが)とタイラントの二人しかいない。タイラントがキン肉バスターで絶命する程度の生命力しか無かったとしたら、シルバーマンはよほど丁寧に手加減したことになる。ベアハッグ一発で相手を真っ二つにしていた頃から相当な修行を積み重ねたのだろう。
- 異様に長命であり、しかも超長期の投獄期間にも関わらず肉体の衰えを全く見せていない事から、不老不死の力を与えられた完璧・無量大数軍の元メンバーだったのでは?と推測される事もある。明確に設定が語られた事は無いので詳細は不明。単純にとてつもなく長命な超人という可能性もある。
また、タイラントの暴虐に非難の声を浴びせて殺されたクッピン星の老人がいるのだが、「100万年前のあの時のように」と発言している。もしかしたらこれは「言い伝えられてきた話のように」という意味ではなく、老人は100万年前にタイラントが倒された時に居合わせた当事者で、クッピン星の人は皆物凄い長命な種族なのかも知れない。 - タイラントの部下の中には、幻の七人の悪魔超人の一人、クモのコチラスがいる。いったいどうやってクッピン星にやってきたのか、謎に包まれた存在である。
- 完璧超人ハンマーヘッドの姿も見られる。どうして超人墓場から離れてタイラントの部下になっているのかはやはり不明。
- クッピン星で語り継がれてきた奇跡の救世主の名「ミュースマン」のミュースはギリシャ語で「筋肉」の意味。はるか昔から語り継がれてきた「キン肉マン」という事になる。シルバーマンの子孫たちはシルバー族などではなくキン肉族と名乗っているが、この「ミュース」から受け継がれて来たのかも知れない。
関連項目
親記事
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兄弟記事
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