ヒトツ(Hitotsu)とは、2018年生まれのオーストラリアの競走馬である。
概要
父モーリス、母Love Is Fickle、母の父Redoute's Choice。父はマイル・中距離のG1を6勝した名馬で、オーストラリアにはシャトル種牡馬として繋養されていた。母の父はブルーダイヤモンドステークスなどG1・4勝を挙げており、種牡馬としては産駒の早熟性で人気を博している。
同馬はマジックミリオンセールで、馬主の代理としてウェンディ・ケリー調教師によって10万ドルで落札された。
2歳(2020/21シーズン)
デビュー戦は2021年2月6日のブルーダイヤモンドプレリュード(G3)といきなり重賞競走に出走。これはケリー師曰く一流馬の重圧に慣れさせて、3歳以降の競馬の準備をさせることを目的としていた。レースは勝ち馬から3.2馬身差の7着と当たり前と言っちゃ当たり前の結果だった。
続いてブルーダイヤモンドステークス(G1)と未勝利馬でありながらG1競走へ出走。日本の競馬ファンからすれば驚くだろうが、海外では未勝利馬がG1に出ることは不可能ではなく、アメリカの三冠馬American Pharoahも未勝利馬ながらもG1で初勝利を挙げている。結果は10着と大敗だった。
その後は、サイアーズプロデュースステークス(G2)に出走したが、Lightsaberの6着に敗れてシーズンを終えた。
3歳(2021/22シーズン)
馬主として新たに、『日本産馬の大ファン』のオジー・キール氏が加わり、以降はキール氏の勝負服で出走することとなった。また、キアロン・マーハーおよびデーヴ・ユースタス厩舎に転厩することとなった。
9月12日の未勝利戦で初勝利を挙げると、コーフィールドギニー(G1)に出走してAnamoeの5着となった。
続くヴィクトリアダービー(G1)では1番人気に推されての出走。道中は後方馬群の中を進み、直線では1頭次元の違う脚で追い込んで最後は1.75馬身差をつけて勝利し、G1初制覇。モーリス産駒にとってピクシーナイトに続く2頭目のG1馬となった。
年が明けて3月5日のオーストラリアンギニー(G1)で始動。ここではマイルの競走ということもあって5番人気だった。レースでは最内枠からラチ沿いで脚を貯めて、直線では粘るLightsaberを交わして2度目のG1勝利を飾った。
次走はオールスターマイルやローズヒルギニーなども検討していたが回避してオーストラリアンダービー(G1)に直行。1番人気に支持され、レースでは中団後方から追走して迎えた直線では不良馬場に苦しみながらも3頭でのたたき合いを制して2着に0.36馬身差で勝利。G1・3連勝となった。ヴィクトリアダービー・オーストラリアンダービーの両制覇は1978/79年のDulcifyと1993/94年のMahoganyに次ぐ3頭目で、ヴィクトリアダービー・オーストラリアンギニー・オーストラリアンダービーの3連勝は史上初であった。
・・・が、レース後に繋靭帯炎を発症、戦列復帰を目指していたが新たに脚部故障が見つかり引退となった。今後豪競馬におけるモーリス後継種牡馬としての役割を担う事になる。
血統表
モーリス 2011 鹿毛 |
スクリーンヒーロー 2004 栗毛 |
*グラスワンダー | Silver Hawk |
Ameriflora | |||
ランニングヒロイン | *サンデーサイレンス | ||
ダイナアクトレス | |||
メジロフランシス 2001 鹿毛 |
*カーネギー | Sadler's Wells | |
Detroit | |||
メジロモントレー | *モガミ | ||
メジロクインシー | |||
Love Is Fickle 2011 鹿毛 FNo.C4 |
Redoute's Choice 1996 鹿毛 |
*デインヒル | Danzig |
Razyana | |||
Shantha's Choice | Canny Lad | ||
Dancing Show | |||
She's A Meanie 1995 青鹿毛 |
Prince Salieri | Salieri | |
Caitie's Kingdom | |||
Shekanwin | Musical Phantasy | ||
Brauner Flight |
クロス:Danzig 5×4(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
関連項目
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