ポール・A・サミュエルソンとは、20世紀後半のアメリカを代表する経済学者である。1970年ノーベル経済学賞受賞。
概要
- ケインズ経済学が実現すれば新古典派学派の理論が成立するとする「新古典派総合」を構築。
- ノードハウスとの共著「経済学」は近代経済学の教科書として世界中で翻訳され100万部以上売れた。これは史上最も売れた経済学書である。
- インディアナ州で生まれシカゴ大学卒業後、ハーバード大学でレオンチェフやシュンペーターのもので学んだ。
- ハーバード時代から天才ぶりを発揮していた。一つのエピソードにサミュエルソンが博士論文をレオンチェフとシュンペーターに見せた時、シュンペーターはレオンチェフにこう言ったという「さて、我々は合格させてもらえただろうか?」(この試験は本来は二人がサミュエルソンの合否を決めるもの)
- 二次大戦中は放射能研究所で働き、戦後まもなくMIT教授となり、以来多くの業績を残している。
主な業績
サミュエルソンの業績は非常に多く、あらゆる経済学者の中で最も多産な人物と言われる。サミュエルソンのよく使う手法は二つある。
それを踏まえてサミュエルソンの業績をざっと羅列しておく。
- 顕示選好理論の考案
- 効用計測問題と微分可能性の研究。
- 比較統計と動学の導入。
- バーグソン=サミュエルソン社会厚生関数の導入。
- 新古典派経済学に公共財を導入した。
- 現代生産理論への貢献。
- 資本理論への貢献。
- 代替材定理の一つを証明。
- 動的レオンチェフ体系の分析の創始者。
- 国際貿易理論では、ストプラー=サミュエルソン定理で知られ、ラーナーと独立に要素価格等価定理を発見。
- 昔からの交易条件と資本フローを巡る「移転問題」を解決した。
- マクロ経済学では、乗数アクセラレーターマクロ動的モデルで有名になった。
- 世界に フィリップス曲線を紹介した。
- モーリス・アレの「重複世代」モデルを広めた。
- 投機価格に関する研究で、実質的にファイナンス理論の効率的市場仮説を予見した。
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関連項目
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