二人でお茶を(ふたりでおちゃを、原題 Tea for Two)とは、1925年に米国のブロードウェイ・ミュージカル『ノー・ノー・ナネット(No, No, Nanette)』の一部として作られた楽曲である。数多くのアレンジやカヴァーで広く知られている。
概要

曲名:二人でお茶を(Tea for Two)
作詞:アーヴィング・シーザー(Irving Caesar)
作曲:ヴィンセント・ユーマンス(Vincent Youmans)
タイトルを聞いたことはなくても、旋律に聞き覚えのある方は多いはず。ミュージカルでは、ヒロインで気紛れな女の子であるナネットが、熱烈に求愛するトムと一旦喧嘩したあと仲直りする場面で歌われる。結婚した二人の幸せな生活を思い浮かべた歌だ。リア充爆発しろ。と言いたかったがこの後二人は見事に破局する。と思ったら最後にはくっつきやがった。末永く幸せに爆発しろ。
1925年に公開されたミュージカルは大ヒットとなり、ブロードウェイのみならず世界各地で上演されている。楽曲も好評で、レコードに録音され販売されている。数々の楽曲の中で特に人気のあったものの一つが『二人でお茶を』だ。
1927年、ソ連の指揮者ニコライ・マリコがこの曲をレコードで聴いた。鑑賞後、その場にいた作曲家ショスタコーヴィチに「記憶だけで一時間以内に今の曲をアレンジしてみろ」と無茶振りした結果、45分で管弦楽曲版が完成したという。なぜか『タヒチ・トロット』と名付けられたこの曲は1928年にマリコの指揮によりモスクワで初演されている。
ジャズ界では1930年代からブロードウェイのヒット曲を取り入れる演奏家が増えており、『二人でお茶を』もスタンダード・ナンバー(定番曲)になった。以来、この曲は幾度となく様々なジャンルでアレンジされて演奏されている。トミー・ドーシーによるチャチャチャ(キューバ系ダンス音楽)アレンジは1958年に全米ヒットチャートのトップ10入りした。様々なBGMや番組のテーマ曲としても多用されており、日本でもCMなどで使われている。
1950年には『ノー・ノー・ナネット』を大幅にアレンジしたミュージカル映画が、タイトルも『二人でお茶を』に変えてアメリカで公開された。もちろん楽曲の『二人でお茶を』も劇中の重要な場面で、一度ならず繰り返し登場する。このときは主演のドリス・デイらが歌っている。
ニコニコ動画では
誰でも一度は聞いたことのある曲ということで、ジャズアレンジを中心に様々な音源が古くから投稿されている。
しかし『二人でお茶を』という曲名を含めた知名度が飛躍的に上がったのは、2017年冬アニメ『けものフレンズ』がきっかけであろう。ニコ動で爆発的な人気を誇った本作の最終話「ゆうえんち」の爽やかな大団円において、自動演奏ピアノによるアレンジ(Welte No. 5675 のピアノロールが出典。演奏は河口湖オルゴールの森館ヒストリーホールに所蔵のリプロデューシングピアノ[1])が流れたことで話題となった。

流れる場面では……
二人どころかフレンズがみんな遊園地に集まってお茶(アルパカ・スリ提供)を飲んだりしているのだが、『二人でお茶を』という曲名からかばんちゃんとサーバルちゃんを思い浮かべる視聴者は多いはず。この後二人は(喧嘩ではなく平和裡にだが)一旦分かれ、最後に再び出会って閉幕になる、という元のミュージカルと同じ結果をたどることになる。さすがにそこまで踏まえてこの曲を選んだと考えるのはうがち過ぎというものかもしれないが。
なおTVアニメ「けものフレンズ」オリジナルサウンドトラックには残念ながら『二人でお茶を』は収録されていない。
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関連項目
脚注
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