四元素説、四代元素とは、古代ギリシャに於いて提唱され中世頃まであった学説である。
概要
この世の物質は「火」「水」「土」「風(空気)」の四つの元素からなるという考え方のこと。
古代ギリシャの学者ターレスは万物は水から成ると考え、ヘラクレイトス(「万物は流転する」の人)は火からなると考え、クセノパネスは土からなると考え、アナクシメネスは風(空気)から成ると考えた。
それらの考えを統合し、エンペドクレス(BC490頃~BC430頃)が提唱した考えで、「万物は火、水、土、風の四つの元素からなり、これらが結合したり争って離れることによって変化する」というもの。
さらに、アリストテレスはこれに天体を構成する第五の元素「エーテル」(実在するエーテルとは別)や「乾、湿、熱、冷」という状態の概念を取り入れ、さらに発展させた。
この考えは錬金術にも受け継がれ、その積み重ねは現代の科学にまでつながっている。
現代でこそ、物質が原子からなるということはすでに判明し四元素説は否定されているが、そこに至るスタート地点として知っておいたほうが良いだろう。
錬金術での四元素説
錬金術の中では四元素説に対応して、四大精霊という概念が存在した。
「四大精霊」とは、サラマンダー、ウンディーネ、ノーム、シルフからなる4体の精霊のことであり、錬金術師パラケルススによって提唱された。サラマンダーが火、ウンディーネが水、ノームが土、シルフが風に対応する。
四大天使への対応
キリスト教などの「四大天使」ではミカエルが火、ガブリエルが水、ラファエルが風、ウリエルが土に対応するとされた。
五行説との対比
古代ギリシャで万物は「火・水・土・風」からできているという四元素説ができたのと対応するように、東洋の古代中国では万物は「金・火・水・土・木」からできているという五行説が成立している。
現代創作では、やはり中国由来で五行説に対応している「四神」を四元素説に流用して当てはめていることがある。「四神」とは朱雀・玄武・青龍・白虎からなる4体の神獣で本来の五行説では朱雀が火、玄武が水、青龍は木、白虎は金に対応する。しかし四元素説に当てはめると朱雀が火、玄武が土、青龍が水、白虎が風に対応することが多い。
創作の中の四元素説
現代の創作においては四元素説は物語を彩る属性として現役である。例を挙げると、日本の国民的RPGの一つである『ファイナルファンタジー』シリーズではその初期作品群において「火」「水」「風」「土」のクリスタルを巡る戦いがストーリーの根幹をなしていた。
また、「四天王」「四大幹部」など4の数を持つ別の要素に四元素説を対応させることも多い。
ゲームでの採用
属性の組み合わせによって強弱があるというシステムはゲームを面白くする要素であり、四元素説の中でも強弱が付けられることがある。現代のゲームではより多くの属性が取り入れられることが多く、その際には四元素説はあまり重要視されない。
四元素説が使われている作品の例
- 仮面ライダーウィザード - 四元素説に対応した変身フォームが登場
- 仮面ライダークウガ - 四元素説に対応した変身フォームが登場
- ゼロの使い魔 - 四元素説の魔法が登場
- テイルズシリーズ - 四大精霊としてノーム・ウンディーネ・イフリート・シルフが登場
- ドラゴンクエストⅦ - 四元素説の精霊が登場
- ファイナルファンタジーシリーズ
- ファイナルファンタジー(第1作) - 四元素説のクリスタルと、四元素説のボス敵「カオス」が登場
- ファイナルファンタジーⅢ - 四元素説のクリスタルが登場
- ファイナルファンタジーⅣ - 四元素説のクリスタルと、四元素説のボス敵「ゴルベーザ四天王」が登場
- ファイナルファンタジーⅤ - 四元素説のクリスタルが登場
- ロマンシング・サガシリーズ
- ロマンシング サ・ガ - 四元素説の術が登場
- ロマンシング サ・ガ2 - 四元素説の術が登場
- ロマンシング サ・ガ3 - 四元素説に対応させた四神の術と、四元素説のボス敵「四魔貴族」が登場
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関連項目
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