小田急1000形とは、小田急電鉄の所有する通勤型車両である。1988年に登場した。
概要
小田急初のステンレス車体採用であり、VVVFインバーターを本格的に採用した形式である。また、千代田線直通列車に使用されていた9000形の置き換え用として導入された。
編成は10両編成・8両編成・6両編成・4両編成の4つのパターンが存在し、このうち6両編成と4両編成は互いに連結して10両編成として運用する事が多く、4両編成では2本を連結して8両編成の各駅停車運用につく事もある。ちなみに4両+4両の編成を1000ブツという。8両編成以外の車両は千代田線直通の機器を装備している編成が存在し、10両編成には全編成に装備されていた(現在は撤去されている)。
顔付きは9000形のデザインをモデルチェンジしたもので、行き先表示幕の左が種別、右が運用番号幕となっている。運用番号幕は直通仕様にのみ存在し、非直通仕様は黒いメクラ板で覆われている。運転台は従来よりの2ハンドルである。速度計は直通をするしないにかかわらず、速度指示表示付きのATC仕様の直通対応になっている。
屋根を見ると列車無線アンテナと信号炎管の他にもう一個の列車無線アンテナの取り付けステーがある。これはJR常磐線各駅停車乗り入れを想定したものと言われ、同じような装備がかつての乗り入れ車両9000形や車体をほぼ同一とする2000形、最新の4000形にも装備されている。
2015年1月現在、小田急車による常磐線乗り入れは過去も含めて存在しなかったが、2013年4月から3年程度をかけ準備を行い、小田急線-千代田線-常磐緩行線の3社局直通が小田急・JRの車両でも行われることになった。
リニューアル工事
1000形登場から26年が経った2014年4月、リニューアル工事の実施が発表され、11月6日にリニューアル第一陣の1066×4編成が大野総合車両所に姿を現した。その後、後述する世界初の機器が導入されたためか試運転を入念に行い、2015年1月9日より営業運転が開始された。当初予定では年内営業運転開始だったんだけどなぁ…
リニューアル工事によって、大容量フルSiC(炭化ケイ素)を用いたVVVFインバータ制御装置を世界で初めて導入したほか、運転台のワンハンドルマスコン・グラスコックピット化、ブレーキの電気指令式化、電気連結器の2段化、前照灯のLED化、妻面窓の閉塞化、袖仕切りの大型化、ドア上に17インチLCDを2台ずつ設置、前面・側面の行先表示器にフルカラーLED式表示器を採用するなど、リニューアルされた箇所は多岐にわたる。とくに車内の様子については、もはや以前の1000形の面影はなくなったと言っても過言ではない変わり様となった。
1000形のリニューアルは全196両のうち160両が対象とされ、36両在籍する後述のワイドドア車(1700形)は除外されている。計画では2014年度は4両編成2本の更新が行われる予定で、この先も同じペースで進むようであれば、8000形のリニューアル車と同様に更新初期車と更新後期車で差異が生じるのかもしれない。
1700形
1700形は1000形のバリエージョンの一つであり、正式な形式名ではない。また、1000形以前にロマンスカー用車両として1700形が存在していたが、それとは何らのつながりはない。
1990年代、宅地化が進んだ小田急沿線の漸増する通勤需要に対して登場させたのが1700形である。ワイドドアの採用により、乗降にかかる時間を短縮させて遅延対策を行ったほか、LED式の行き先表示の採用、パワーウィンドウの側面窓など、試作的な要素も併せ持った車両である。1700形は6両編成で組成され、4両編成の場合はこれもまた通称として1500形と言われた。
実際の所、効果はそれほどのものでもなく、またドア幅を広げた結果として座席数が減ってしまったのでドアの開閉幅を縮めて、座席を延長する工事を施工された。その結果ドアは外から見ると開ききってない様に見えてしまう。また、4両編成は編成を組成し直した際に6両編成に組み直されたので一部先頭車両が中間車両となった。運転台をバッサリした為に一見すれば区別がつかないが、ドア幅が狭くなっている個所がある事、車端部の上部分のビートが不自然に一部切れている所がある事、屋根上に列車無線アンテナの跡があったりと若干違いがみられる。
なお、小田急1000形では先述の通りリニューアル工事が行われているが、ワイドドア車は2015年1月現在でリニューアルの対象から外されている。
その他
- 都心から箱根方面への特急以外の直通運用がほとんどなくなるなど、運用系統が大きく変わった2009年頃にそれまでの青帯の車両に加えて、箱根登山鉄道の車両に合わせた配色であるベルニナ塗装の車両が登場し、主に新松田-小田原-箱根湯本間で各駅停車に充当されている。
- 特急列車や10両固定で最新の4000形、8両の2000形を除けば全ての列車と協調運転が出来るが、電気指令ブレーキの3000形とも問題なく運用できる点は特筆された。しかしリニューアル工事後は、8000形の4連が更新工事の際にブレーキ読み替え装置を搭載しないなどの事例が生じているため、更新後はブレーキ読み替え装置を搭載していないために、併結相手が制限される可能性が高まっている。
- ほぼ全ての車両で純電気ブレーキ改造が施され、登場時とは走行音が大きく異なっている。
- 検測車クヤ31と連結出来るのは1000形(1051×4、1052×4、1251×6)のみである。また、新車搬入に際しての牽引車に使われるなど、色々な意味でオールマイティな車両となっている。
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関連コミュニティ
関連項目
- 小田急電鉄
- 箱根登山鉄道
- 東京メトロ
- 千代田線
- 小田急9000形(千代田線直通車の初代車両)
- 小田急4000形(千代田線直通としての1000形の後継車両)
- 小田急2000形(車体はほぼ同一であるが、中身はだいぶ違う)
- 鉄道車両一覧
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