広告代理店とは、広告を取り扱う企業である。広告会社、広告業者とも呼ばれる。
概要
基本的に、広告媒体主(メディア)と広告主(企業、法人、個人)との間に立ち、広告枠(場所、時間帯)をメディアの代理人として、広告を出したい広告主に販売し、その一部を手数料(コミッション)として受け取って収入としている。
その後、広告主の求める広告を企画、制作する業務を担うようになり、社内に制作部門を持つところも多い。また、下請けとして広告制作会社を設立するところもある。一方で海外では、役割によって分社化されていることが多い。
広告代理店は、大きく分けて3つに分類される。
総合広告代理店
全てのメディアに対して広告の販売などを手がける企業。巨大企業になっているところが多く、さらに各分野ごとに子会社を作るなど企業グループとなっているところもある。
さらにはテレビ番組の制作を手がけることもある(アニメが主体) 。
専門広告代理店
新聞のみ、交通広告のみなど、特定のメディアのみを担当する企業。各地方に根付く中小企業が多いが、大企業も存在する。
ハウスエージェンシー
広告代理店以外の親会社のための広告を手がける企業。特に鉄道会社が親会社であることが多い。
問題点
1業種1社の原則の無視
海外においては、代理店1社に対して各業種1社のみを手がけることが暗黙の了解になっているが、日本では複数社を手がけることが多い。自動車においては、電通がトヨタ、ホンダ、ダイハツを手がけ、博報堂が日産とマツダを手がけている。
それにより、総合代理店の寡占化が進み、広告の自由競争が発生しない事態になっている上に、安定的な収益を得られるために国際競争力がほとんど無くなっている(ガラパゴス化)。
また、競合他社の機密情報漏洩のリスクを多く抱え込んでいる。
過労死
もともと広告販売における手数料で収入を得ているために薄利多売であるにもかかわらず、ある程度の営業活動をしなければいけないため、営業担当者の残業が増え、過労による死亡も他の業種よりも多くなっている。それによる民事訴訟も何件か発生している。
その緩和のためにアウトソーシングを行う企業もあるが、根本的にコストパフォーマンスの改善には至らない。
批判、糾弾に弱い
他の業種と同様に、少数の反対意見、批判、糾弾に対して弱く、すぐさま掲載中止することが多く、海外では良く見られる他社との比較広告も(他社の名も明確に出さなくても)ほとんど登場しない。
関連項目
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