京王が使用していた準特急が最も有名であるが、一応近鉄や小田急でも採用されていたことはある。近鉄では、乙特急から準特急に改称していた時期があったが、種別統合ですぐに廃止。小田急でも特急の救済措置として1959年に設定されていたが、NSEの就役により、たった4年で廃止の流れになった。
京王線準特急
かつて日本で唯一京王電鉄が採用していた種別で、特急に次ぐ停車駅の少ない優等種別として、準特急が運行されていた。
車両は全車10両で運転(もちろん通勤用電車)。8000系や9000系30番台、7000系が運用に就いている。たまに9000系0番台と7000系がくっついて走る事も。
英語表記は「Semi Special Express」「S.S Express」、側面表示は「準特」と表示される。以前はオレンジ色に白抜きの黒字だった。
急行より停車駅が少なく、特急よりも停車駅が多い為、他社線では「快速急行」という種別が使われるのが一般的であるが、京王には快速という各停とほとんど変わらない種別があり、紛らわしいという理由で準特急が採用になった。特急を快速特急にという話も、多摩地域での快速のネガティブなイメージ(京王線も中央線も快速は各停と大して変わらないイメージを持たれている)もあり、却下されたようである。また京王線には現在準急が走っていない(かつては調布以東は快速と同等、調布以西各駅に停車する列車として準急が設定されていたことがある)ため、準特急という種別が最も紛らわしさを回避できるというメリットがあったと考えられる。
2012年8月19日のダイヤ改定で、特急が運行休止となるため、事実上の最速達列車となったが、それから約半年後に実施された2013年2月22日のダイヤ改定で、現在の「準特急」がそのまま「特急」へ種別変更された。
しかし、それまで北野以西で「各停」に化けていた高尾線内各駅停車の準特急が「全区間準特急」となるため、「準特急」という種別自体は消滅せずに残ってた。
このため、平日は朝に高尾山口行が1本設定されるのみであった一方で、土休日は高尾山口発着の大多数が準特急になっていた。
2015年9月25日ダイヤ改正では、笹塚駅(京王新線・都営新宿線への乗り換え利便性向上のため)、千歳烏山駅(千歳烏山駅自体が乗降人員が多い上に、隣の仙川駅が急速に乗降人員が増加していて、千歳烏山駅で下位種別に連絡して仙川駅を救済させるため)を停車駅に加えたことから、「準特急」が大幅に増えることになった。
2022年春のダイヤ改正で「特急」の停車駅に笹塚駅、千歳烏山駅(ならびに高尾線各駅)を追加する=すなわち事実上準特急の停車駅に統合することになったため、「準特急」の消滅が決まった。
有料列車として設定された京王ライナーやMt.TAKAO号への誘導や、コロナ禍による利用客減少で需要を増やすための措置(都営線・千歳烏山〜多摩地区の利用や、千歳烏山駅自体の利用向上)とされている。
- 平日
- 朝は、上りでは高尾山口発1本と京王八王子発が3本の計4本、下りも数本が運転。
- 日中は特急と交互に、新宿~高尾山口を20分間隔で、夕方・夜間は新宿~京王八王子を10分間隔で運行されていた。
- 2011年3月11日の震災後の節電ダイヤでは、データイムのみに運転される特急は全部準特急に変更。高尾山口行きは高幡不動から各停に種別変更となるダイヤになっていた。
- 9月には高尾山口行きに関しては終点まで準特急運転に戻っている。
- 土休日
- 本線直通の速達便のほとんどは準特急となる。高尾山口行きは、準特急北野行きで運行して、終点から各停高尾山口行きに種別を変え、運行される。
停車駅
2022年3月廃止直前時点での停車駅は以下の通り。▲は臨時停車で止まることがある駅。
新宿駅 | ● | ||||||
笹塚駅 | ● | ||||||
明大前駅 | ● | ||||||
千歳烏山駅 | ● | ||||||
調布駅 | ● | ||||||
飛田給駅 | ▲ | ▲ | 京王多摩川駅 | ||||
東府中駅 | ▲ | ● | 京王稲田堤駅 | ||||
府中競馬正門前駅 | ▲ | ▲ | 京王よみうりランド駅 | ||||
府中駅 | ● | ● | 京王永山駅 | ||||
聖蹟桜ヶ丘駅 | ● | ● | 京王多摩センター駅 | ||||
高幡不動駅 | ● | ● | 南大沢駅 | ||||
北野駅 | ● | ● | 橋本駅 | ||||
京王八王子駅 | ● | ||||||
京王片倉駅 | ● | ||||||
山田駅 | ● | ||||||
めじろ台駅 | ● | ||||||
狭間駅 | ● | ||||||
高尾駅 | ● | ||||||
高尾山口駅 | ● |
飛田給ではサッカーやコンサート、東府中では中央競馬、京王多摩川では競輪や花火大会、京王よみうりランドではよみうりランドイルミネーションといった理由で多客が見込まれる場合、これらの駅に臨時停車する。
また、競馬開催時は府中競馬正門前駅始発の準特急新宿行きが設定されていた。
阪急準特急
・・・!?
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/MU8315/status/1538441817716191233
これはどう言うことなのと思われるので、簡単に説明を書いておく。京王から準特急が消滅してから3ヶ月後の6月19日、鉄道ファンの1人が阪急電鉄(阪急神戸線向け)の車両の幕回し中に撮影を行い、後でカメラを確認したところ、準特急と表示された幕が存在することに気づいた。まさかの短期間での復活、しかも関西地区で登場と言うことで大きく話題になった。
その後、次々と準特急入り幕が阪急神戸線・阪急京都線向け車両に搭載されている報告が相次ぎ、ついには中間運転台から幕回し中の動画を撮影され、阪急電車に準特急が登場するのは確定的となる。
そして2022年10月12日に、同年12月17日よりこの準特急が運行開始されることになった。快速急行の名称を変更し、2024年に予定されている特急シリーズの座席指定車設定に対応させると言う意味合いであることが判明した。
ちなみにこのダイヤ改正では、阪急京都線で快速が急行に変更されたり、快速特急Aが消滅するなど大きく種別整理が行われる。
停車駅(阪急神戸線)
特急との差異は塚口駅・六甲駅の停車有無、通勤特急との差異は六甲駅の停車有無である。
停車駅(阪急京都線)
特急との差異は西院駅・大宮駅停車有無、通勤特急との差異は淡路駅の停車有無である。
関連動画
京王
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関連項目
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