快速急行とは、列車およびバスの運行種別のひとつである。略称は「快急」。
概要
鉄道では、私鉄のみ運行されている種別。快速が付く種別は複数あるが、概ね急行と特急の間といった位置づけである。
かつては特別料金を要する快速急行も運行されていたが、現在は全ての快速急行は特別料金を不要としている。
有料特急が運行されている路線では特別料金不要の列車としては最上位となり、JRにおける「特別快速」「新快速」に相当する列車として運転されている。
以下、2020年4月現在運行中の情報をおおよそ東から順に記載していく。
東武鉄道
2008年6月に無料特急の格下げとして東上線系統に設定された。TJライナー・川越特急に次いで3番目に速い種別である。
シンボルカラーはネイビー色。
かつては日光線方面に有料快速急行も運行されていた。
停車駅
池袋駅 - 和光市駅 - 志木駅 - 川越駅 - 川越市駅 - 坂戸駅 - 東松山駅⇔小川町駅間の各駅
一部は和光市駅から副都心線・東急東横線・みなとみらい線に乗り入れる。
その他
伊勢崎・日光線系統で1976年から1991年まで特別料金を要する列車としての快速急行が運転されていた。
この快速急行は急行の上位種別ではなく、「快速用車両で運行される有料急行」という意味の「快速急行」であったため、
当時の急行よりも下位の列車という、通常とは逆の設定であった。
西武鉄道
池袋線系統では1980年3月から運行されている。特急シンボルカラーは紫色。
2013年3月16日からは、地下鉄直通系統も運行している。
新宿線では1998年3月から運行されていたが、2012年6月30日のダイヤ改正で一度廃止される。その後2020年3月14日のダイヤ改正で再び運行されるようになった。
停車駅
新宿線
西武新宿駅 - 高田馬場駅 - 田無駅 - 東村山駅 - 所沢駅 - 新所沢駅⇔本川越駅間の各駅
池袋線
池袋駅 - 石神井公園駅 - ひばりヶ丘駅 - (秋津駅) - 所沢駅 - 小手指駅 - 入間市駅 - 飯能駅⇔西武秩父駅間の各駅
かつては横瀬駅・西武秩父駅で秩父鉄道に乗り入れる快速急行もあった(秩父鉄道線内は各駅停車)。
なお、多客期に秋津駅に臨時停車することがある。
有楽町線・副都心線直通
(東京地下鉄 副都心線(一部は有楽町線)直通) - 小竹向原駅 - 練馬駅 - 石神井公園駅以西は↑を参照
練馬駅には副都心線・有楽町線直通便しか停車しないので要注意。
小田急電鉄
2004年10月に大増発された湘南新宿ラインに対抗する為に2004年12月から運行された。
シンボルカラーはオレンジ。
停車駅
小田原線
新宿駅 - 代々木上原駅 - 下北沢駅 - 登戸駅 - 新百合ヶ丘駅 - 町田駅 - 相模大野駅 - 海老名駅 - 本厚木駅⇔新松田駅間の各駅 - 小田原駅
一部列車は新松田駅で急行に(から)種別変更し、開成駅にも停車する。
江ノ島線
相模大野駅 - 中央林間駅 - 大和駅 - 湘南台駅 - 藤沢駅 - 片瀬江ノ島駅
多摩線
新百合ヶ丘駅 - 栗平駅 - 小田急永山駅 - 小田急多摩センター駅 - 唐木田駅
富山地方鉄道
2013年12月から下り方面(電鉄富山駅→立山駅)で平日朝に1本運行されている。
方向幕に快急のコマが無いため、ヘッドマークを掲示している。
かつては本線の上り方面(宇奈月温泉駅→電鉄富山駅:1997年4月~2018年4月)も運行されていた。当時の停車駅は廃止路線の項目を参照。
立山線下り
電鉄富山駅 → 寺田駅 → 五百石駅 → 岩峅寺駅 → 千垣駅~立山駅間の各駅
名古屋鉄道
2005年1月の名鉄空港線のダイヤ改正で誕生した。シンボルカラーは白地に青色。
かつては名古屋本線神宮前駅以南などにも運行されていた。
停車駅
名古屋本線
名鉄岐阜駅 - 笠松駅 - 新木曽川駅 - 名鉄一宮駅 - 国府宮駅 - (大里駅) - 新清洲駅 - 須ヶ口駅 - 名鉄名古屋駅 - 金山駅 - 神宮前駅
常滑線・空港線
神宮前駅 - (大江駅) - (聚楽園駅) - 太田川駅 - 尾張横須賀駅 - 朝倉駅 - 新舞子駅 - 常滑駅 - 中部国際空港駅
各務原線・犬山線
名鉄岐阜駅 - 切通駅 - 新那加駅 - 各務原市役所前駅 - 六軒駅 - 三柿野駅 - 名電各務原駅 - 新鵜沼駅 - 犬山遊園駅 - 犬山駅 - 扶桑駅 - 柏森駅 - 江南駅 - 布袋駅 - 岩倉駅 - 西春駅 - 上小田井駅 - 以東 名古屋本線参照
河和線
太田川駅 - 南加木屋駅 - 巽ヶ丘駅 - 阿久比駅 - 住吉町駅 - 知多半田駅 - 成岩駅 - 青山駅 - 知多武豊駅⇔河和駅間の各駅
その他
現在の快速急行は2代目で、 初代快速急行は1995年~2003年まで本線系統で運転されていた。
当時の快速急行は「料金不要の全車一般車特急」を改称したもので、「特別停車駅に原則停車しない急行」を前身とする現在の快速急行とは性質が異なる。
また、初代快速急行と同じ性質の種別として、1977年から1990年まで「高速」という種別の列車が運転されていたことがある。
近畿日本鉄道・阪神電気鉄道
奈良線系統では1972年11月に無料特急の名称変更で、大阪線系統では1978年3月に急行の名称変更で誕生。
奈良線系統は阪神なんば線直通運転開始に伴い、神戸三宮駅までの直通運転が行われている。
かつては京都線にも運行されており、南大阪・吉野線では臨時列車のみ運行されている。
2012年3月19日までは大阪線系統で「区間快速急行」という種別も設定されていたが、翌20日に快速急行と統合される形で消滅した。
なお、大阪線(青山町駅以東)・山田線・鳥羽線内の快速急行は2020年3月14日以降は東行のみとなっている。(特急誘導が目的であろう)
阪神でもかつては本線を全線走破する快速急行も運行されており、設定当初は阪神梅田駅から西宮駅までが当時の急行と同じで、西宮駅から三宮駅はノンストップという設定で、その後停車パターンの変更が何度か行われた。2009年3月からは阪神なんば線系統のみでしか運行されていない。
狭隘かつ急カーブ上にホームがある影響で御影駅に停車できない近鉄の大型車両も使用される関係から、特急が停車する御影駅を通過する。このため、特急との千鳥停車が行われない平日の朝(ラッシュ時上りを除く)と夕方以降は特急よりも快速急行の方が上位種別になるという逆転現象が起きている。
2020年3月より休日は阪神本線での8両運転が開始、2022年12月には平日夕方にも8両運転が拡大したが芦屋駅だけはホームを延伸できなかったので平日朝ラッシュ以外は芦屋を通過するようになった。これにより上記の全線走破スタイルの快速急行に魚崎を追加した停車駅になり西宮から先は特急より速くなった。
停車駅
阪神なんば線・難波線・奈良線系統
神戸三宮駅 - 魚崎駅 - (芦屋駅) - 西宮駅 - (今津駅) - 甲子園駅 - (武庫川駅) - 尼崎駅 - 西九条駅⇔鶴橋駅間の各駅 - [東花園駅] - 生駒駅 - 学園前駅 - [菖蒲池駅] - 大和西大寺駅 - 新大宮駅 - 近鉄奈良駅
※大阪線・奈良線の分岐点である布施駅は通過。東花園駅は高校ラグビー開催時臨時停車、菖蒲池駅は当駅が最寄りの近畿大学附属小学校・幼稚園の平日の開校日に下りのみ臨時停車。かつては尼崎センタープール前駅にも尼崎競艇開催日に限り臨時停車していたが、土休日の快速急行8連化に伴い廃止された。
※土休日朝3本のみ阪神神戸高速線新開地駅からの直通列車あり。阪神神戸高速線内・神戸三宮駅までは各駅停車。
2012年3月19日以前は平日日中のみ、西九条駅~尼崎駅間は各駅停車扱いであった。
大阪線・山田線・鳥羽線
大阪上本町駅 - 鶴橋駅 - 五位堂駅 - 大和高田駅 - 大和八木駅 - 桜井駅 - 榛原駅 - 室生口大野駅 - 赤目口駅⇔青山町駅間の各駅 → 榊原温泉口駅 → 伊勢中川駅 → 松阪駅 → 伊勢市駅 → 宇治山田駅~鳥羽駅間の各駅
赤目口駅と青山町駅の間及び伊勢市駅以東は各駅停車。2012年3月19日以前は室生口大野駅と赤目口駅を通過し、名張駅から榊原温泉口駅の間が各駅停車であったが、
同月20日の改正後は秘境駅が連続する区間を通過とし、比較的利用客の多い駅が連続する赤目口駅~青山町駅の間だけを連続停車とするなど、より利用実態に合った停車パターンに変更された。
南大阪線・吉野線(臨時)
大阪阿部野橋駅 - 古市駅 - 尺土駅 - 高田市駅 - 橿原神宮前駅 - 飛鳥駅 - 壺阪山駅 - 吉野口駅 - 福神駅 - 下市口駅 - 六田駅⇔吉野駅間の各駅
南大阪線・吉野線の快速急行の停車駅は定期運行される特急と同じである。
南海電気鉄道
2003年5月より高野線のみで運行されている。シンボルカラーはオレンジ。
停車駅
難波駅 - 新今宮駅 - 天下茶屋駅 - 堺東駅 - 北野田駅 - 金剛駅 - 河内長野駅 - 三日市町駅 - 美加の台駅 - 林間田園都市駅⇔極楽橋駅間の各駅
現在の快速急行は2代目で、初代快速急行は1968年まで運転されていた。
初代快速急行は難波駅・新今宮駅(開業後)・堺東駅・北野田駅・河内長野駅から各駅停車で、現在の急行の前身である。
当時の急行は住吉東駅・三国ヶ丘駅・初芝駅にも停車するという点で区別されていた。
京阪電気鉄道
2008年10月の中之島線開業と同時に運行開始。シンボルカラーは紫色。登場当初から特急補佐といった色合いが強く、近年は主に朝夕ラッシュ時に淀屋橋~樟葉で特急に先行して運転するに留まっていたが2021年9月のダイヤ改正で特急・準急が1時間あたりそれぞれ6本から4本に減便され、それをカバーするために日中にも1時間に2本設定されることとなった。淀競馬場のイベント時臨時停車するのはだいたいこの列車である。朝夕ラッシュ時と快速特急洛楽運転時以外はプレミアムカーが連結されている。
停車駅
本線・鴨東線・中之島線
淀屋橋駅/中之島駅⇔京橋駅間の各駅 - 守口市駅 - 寝屋川市駅 - 香里園駅 - 枚方市駅 - 樟葉駅 - 中書島駅 - 丹波橋駅 - 七条駅 - 祇園四条駅 - 三条駅 - 出町柳駅
阪急電鉄・神戸高速鉄道
京都本線では1997年3月から、神戸本線では1987年12月から運行されている。かつては宝塚本線にも運行されていた。
シンボルカラーは黄色地に黒文字。かつては黒地に黄色文字。
2022年12月に準特急に名称変更され、阪急から快速急行は消滅した。座席指定サービスプライベースが連結されている車両=特急・準特急とする為らしいがそれじゃあ快速急行にプレミアムカー連結してる京阪はなんなんだ・・・
停車駅
京都本線
大阪梅田駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 茨木市駅 - 高槻市駅 - 長岡天神駅 - 桂駅 - 西院駅 - 大宮駅 - 烏丸駅 - 京都河原町駅
現在の「快速急行」は2代目で、要するに2001年以前の「急行」と全く同じ種別である。
また1997年の設定当時に運転されていた「快速急行」は、2001年に「快速特急」に改称された。
神戸本線・神戸高速鉄道
大阪梅田駅 - 十三駅 - 塚口駅 - 西宮北口駅 - 夙川駅 - 岡本駅 - 六甲駅 - 神戸三宮駅⇔新開地駅間の各駅
中国ハイウェイバス(高速バス中国高速線)
西日本JRバス・神姫バスが運行している高速バスに存在する。2009年12月14日から津山⇔大阪系統に設定された。
停車停留所
津山駅 - 中国道 津山IC - 中国道 勝間田バス停 - 中国道 美作IC - 中国道 作東バス停 - 中国道 上月PA(中国上月) - 中国道 作用IC - 中国道 南光バス停 - 中国道 葛根バス停 - 中国道 山崎IC - 中国道 安富PA - 中国道 夢前バス停(夢前SIC) - 中国道/播但道 福崎IC - 中国道 北条バス停 - 中国道 泉バス停 - 中国道 滝野社IC - 中国道 社PA - 中国道 東条バス停 - 中国道 宝塚IC - 千里ニュータウン(桃山台駅) - 新大阪駅 - 大阪駅 - USJ
※津山駅~中国道津山IC間、および中国道宝塚IC~USJ間のみの利用は不可能。
現在は運行していない路線
- 富山地方鉄道本線(上りのみ)
停車駅:宇奈月温泉駅~西魚津駅間の各駅→滑川駅→中滑川駅→中加積駅→上市駅→寺田駅→稲荷町駅→電鉄富山駅 - 西日本鉄道
停車駅:大牟田駅→新栄町駅→西鉄柳川駅→大善寺駅→花畑駅→西鉄久留米駅→宮の陣駅→西鉄小郡駅→三国が丘駅→筑紫駅→朝倉街道駅→西鉄二日市駅→大橋駅→薬院駅→西鉄福岡(天神)駅
(2010年3月まで運行されていた。) - 京阪交野線
京阪本線へ直通し線内は各駅停車扱い。おりひめ、ひこぼしの愛称があった。
関連項目
- 4
- 0pt