特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(通称・チケット不正転売禁止法)とは、日本の法律。
概要
通称が示すように、チケットの不正転売禁止を主目的とした法律である…が、全てのチケット転売を禁止しているわけではない。この法律が禁止しているのは特定興行入場券の不正転売のみである。
興行とは
映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツを不特定又は多数の者に見せ、又は聴かせること(日本国内において行われるものに限る。)をいう(本法2条1項)。
興行入場券とは
興行に入場するための紙またはデジタルのチケットをいう(本法2条2項)。この記事においては以下単に「チケット」という。
特定興行入場券とは
不特定多数に販売されるチケットであって下記の要件をすべて満たすものをいう(本法2条3項)。
- 興行主または興行主から同意を得てチケットを販売している業者(イープラスとかぴあとかローチケ等)が公式リセール以外の転売を禁止して売買契約を締結するもので、券面にその旨が書かれている。
- 興行が行われる特定の日時及び場所並びに入場資格者又は座席が指定されたものである。
- 入場資格者(座席指定のチケットにあっては、購入者)の名前及び連絡先(電話番号・メールアドレスその他連絡先)が券面に示されている。
特定興行入場券の不正転売とは
興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいう(本法2条4項)。
本法の対象外のもの
CD等の特典として無料で配布されるチケット
しばしば「リリイベに参加したいがために円盤を積む」という行為が行われるが、リリイベが無料で行われるものである場合、興行主が円盤を積んだ人に対してリリイベ参加券を交付する行為は「売買契約」ではない。従って本法の対象ではない。
CD等の特典として「コンサート等のチケット先行予約抽選券」が付される場合があるが、これによって取得したチケットはそのチケットが有償なら本法の対象である。なお、「チケット先行予約抽選券」そのものは本法の対象外である。
まだ支払いが済んでいないチケットの発券番号
チケットの発券番号はチケットそのものではないため、本法の対象外である。
いわゆる「チェキ券」等
単に写真を撮るだけなので、「映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツ」のいずれにも当たらない(ただし、ライブとチェキ券が一体となっていれば本法の対象である)。
入場資格者(座席指定のチケットにあっては、購入者)の名前及び連絡先の記載がないもの
そもそも名前の記載がないチケットは多数あるが、これは本法の対象外である。
また、名前だけ記載があるものであっても、連絡先の記載がなければ対象外である。現在、興行主がチケット転売を禁止していて、名前が印字されるが、連絡先が印字されていないチケットは多数ある。そのようなチケットは転売可能である。
商品の引換券
本法は「興行」を対象としていて、商品の転売を目的としたものではない(本法2条1項)。
関連リンク
関連項目
- 転売
- 転売厨
- 物価統制令 …これに基づき逮捕を行った事例がある。
- 法律に関する記事の一覧
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- オンライン安全法
- 緊急事態宣言
- 軽便鉄道法
- 刑法
- 全国新幹線鉄道整備法
- 治安維持法
- 鉄道敷設法
- 臘虎膃肭獣猟獲取締法
- 労働基準法
▶もっと見る
- 5
- 0pt
- ページ番号: 5565690
- リビジョン番号: 3329479
- 編集内容についての説明/コメント: