脊索動物とは、動物の分類群の一。脊索動物門。
概要
我々が肉眼で「動物」として認識しているもののうち、「虫」の仲間と「貝・イカ・蛸」の仲間を除いたほとんどすべての動物がここに分類される (例外はクラゲやヒトデの仲間くらい)…あくまで知名度の高い動物では。全てが多細胞生物であり、内蔵等の器官をもつ。
分類名に冠されている「脊索」とは、この群の動物において受精後の発生段階で現れる軸様の組織である。原始的な脊索動物はこの脊索がいわば背骨のような役割を果たすが、進化の進んだ脊索動物は発生の段階で脊索とは別に脊椎が出現し、脊索は次第に追いやられて消滅する。
紛らわしいが脊椎動物は脊索動物の中の一分類群である。ただし後述するように脊椎動物門を認める場合もある。
脊索動物は半索動物(ギボシムシ等)や棘皮動物(ヒトデ・ウニ・ナマコ等)とともに後口動物に分類されている。要するに魚やヒトはどちらかと言えば昆虫やタコよりはヒトデに近い生き物なのである。
脊索動物の下分類
ここでは主に脊索動物門の亜門とされうるものをあげる。なおそれぞれを門に格上げすることもある。
なお原始的な脊索動物として有名なピカイアは頭索動物に属する・脊椎動物の直系の先祖だ、などと言われてきたが、単に当時(カンブリア紀中期)の海に生きていた脊索動物の1つに過ぎないという説が有力。
頭索動物 (とうさくどうぶつ)
すべての脊索動物の先祖形と言われている。ナメクジウオやゲイコツナメクジウオといった水棲の生物がこのカテゴリに分類され、今日でも生存はしているものの個体数は少なくなってきているとも言われている。
頭索動物の一種であるナメクジウオは、動物と言っておき乍ら普段は砂の中に埋もれて全く動かない。食いもんとなる微生物が口元にくれば食す、居心地が悪くなったり砂から掘り起こされたりしたら気持ち悪いくねり方で泳ぐ、あとは何もしないという見事なテータラクである。ある意味では、我々の先祖と聞いて首肯せざるを得ぬと感じるかもしれない。
尾索動物 (びさくどうぶつ)
水棲。有名なものでは珍味としても知られるホヤが該当。上述頭索動物が駄目な方に進化したものであり、ついに泳ぐことすらしなくなった (といっても幼生、つまり子供の頃はそれなりに運動能力を持っている。またホヤ以外の尾索動物(サルパ等)では終生自ら水流を起こして移動しようとするものもいる。皆海流に勝てないけどね) 。これでもナメクジウオより人間に近縁である。
脊椎動物 (せきついどうぶつ)
上述頭索動物が幾分マシな方に進化したもの。理科で習った「ほ乳類・は虫類・両生類・鳥・魚」の全てが該当。
ちなみにヤツメウナギとヌタウナギは一応脊椎動物に分類されてはいるものの、顎がない・脊椎が発達していない (脊索が残り続ける) 等他の脊椎動物とは異なる特徴を持っている。ゆえに先に挙げた理科のメンツとは幾分違う分類 (円口類) におかれている。
顎口類 (がくこうるい)
上述のヤツメ・ヌタを省いた理科メンツの称号。伝統的には顎口上綱としてほ乳類、は虫類などの上位分類とされてきたが、英語版Wikipediaでは「Infraphylum (下門)」としている。
これまた紛らわしいことに顎口動物という分類群があるが、こちらはサナダムシや回虫に近縁ではないかと見られている寄生虫のグループであり脊椎動物ではない。顎口動物は大枠では概要で述べた「貝・イカ・蛸」の類に入る。
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関連項目
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