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曖昧さ回避
- さなだ虫 - ブリーフ&トランクスの楽曲。
概要
扁形動物門条虫綱に属する寄生虫で、普通複数の生物種を乗り換えながら成長していく。最終宿主は人間を含む脊椎動物であることが多い。テニア科や裂頭条虫科の人間の腸に寄生するものが有名。名前は真田紐に似ていることに由来する。英語では「tapeworm」(テープワーム)という。
中間宿主を経て人間に寄生すると、小腸などで栄養を奪い、成長。細長く平べったいきしめんのような形の成虫になり、一つ一つが卵を内包する大量の節を形成する。この節は便と共に体外に排出され、卵は外部で孵化する。それがまた巡り巡って人体に戻ることになる。種類によっては腸の中で何年も生き続け、広節裂頭条虫や日本海裂頭条虫などその体長は10メートルを超えることもある。
目黒寄生虫館では、日本人男性から採取された全長8.8メートルのサナダムシが展示されている。
また寄生虫にはよくあることだが、エキノコックスなど本来の最終宿主が人間でないものは、人間に感染すると重篤な症状をもたらすものもいる。
代表的なサナダムシ
- 有鉤条虫 Taenia solium
ブタやイノシシなどを中間宿主とし、主にその肉を食べることで感染する。最終宿主は人間のみ。頭部に鉤が有る。ブタ条虫ともいう。 - 無鉤条虫 Taenia saginata
ウシなどを中間宿主とし、主にその肉を食べることで感染する。最終宿主は人間のみ。有鉤条虫と違い頭部に鉤が無い。ウシ条虫ともいう。 - 広節裂頭条虫 Diphyllobothrium latum
サケ、マスなどを中間宿主とし、主にその肉を食べることで感染する。最大で10メートルに達する。 - 日本海裂頭条虫 Dibothriocephalus nihonkaiensis
サケ、マスなどを中間宿主とし、主にその肉を食べることで感染する。日本で感染するのは広節裂頭条虫ではなく主にこちら。分類学的な研究により広節裂頭条虫から区別された。肉眼での識別は困難。 - マンソン裂頭条虫 Spirometra erinaceieuropaei
ヘビ、カエル、ニワトリ、ブタ、イノシシなどを中間宿主とし、接触や肉を食べるなどして幼虫が感染しマンソン孤虫症を引き起こす。本来の最終宿主はイヌ、ネコ、タヌキ、キツネ、イタチなど肉食獣で、人間は中間宿主扱いだったりする。特にネコを飼っている場合は気を付けるべき寄生虫である。 - 大複殖門条虫 / クジラ複殖門条虫 Diphyllobothrium balaenopterae
大複殖門条虫はイワシ、サバ、カツオなどが中間宿主ではないかと疑われているが未確定。主にその肉を食べることで感染するとされる。
人間は本来の宿主ではなく、最終宿主がクジラ類のクジラ複殖門条虫と同じ種ではないかと言われている。クジラ複殖門条虫はクジラに寄生するだけあって成虫の長さが40メートル(!)にもなる世界最長の寄生虫である。
なお、2022年4月時点で、日本語圏のWebサイトでは大複殖門条虫を独立種(学名:Diplogonoporus grandis)としているものが多いが、海洋生物の国際的なデータベースWoRMSにおいては既にクジラ複殖門条虫のシノニム(要するに同じ種)として扱われている[1]ため当記事ではそれに従っている。属も広節裂頭条虫と同じ属に変更されている。 - 芽殖孤虫
Sparganum proliferum
報告は少ないが、人間へ感染すると無数に分裂し皮膚やあらゆる臓器を侵す芽殖孤虫症を引き起こし、その致死率は100%とも言われることがある(異論あり)。幼虫しか見つかっていないので孤虫の名がある。本来の宿主や感染経路は不明で、マンソン裂頭条虫との関連性が指摘されているが未だ謎は多い。 - エキノコックス
Echinococcus
単包条虫や多包条虫など、テニア科エキノコックス属に属する種の総称。最終宿主はイヌ科などだが、人間がそれらの糞を介して卵を経口摂取するとエキノコックス症(包虫症)を引き起こす。
対策・対処法
関連動画
関連静画
関連リンク
- わが国における条虫症の発生状況 - 国立感染症研究所
- FORTH|最新ニュース|2016年|条虫症/嚢虫症について (ファクトシート)
- 食品の寄生虫 |「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
- 条虫感染症の概要 - 13. 感染性疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
関連項目
脚注
- *WoRMS - World Register of Marine Species - Diphyllobothrium balaenopterae (Lönnberg, 1892) Waeschenbach, Brabec, Scholz, Littlewood & Kuchta, 2017
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