角川春樹事務所とは、日本の出版社。
概要
その名の通り、角川書店元社長・角川春樹が設立した出版社。1995年創業。KADOKAWAグループとの間に資本関係はない。
1992年、当時角川書店社長だった角川春樹が、経営方針で対立していた弟の角川歴彦を角川書店から追い出したのだが(追い出された歴彦はメディアワークスを設立。いわゆる角川お家騒動)、翌1993年に春樹はコカイン密輸事件で逮捕されてしまい角川書店を退社(空いた社長の座にはその後弟の歴彦が戻ってきて就任)。翌年保釈された春樹が、角川書店の持ち株を全て歴彦に売り、それを元手に1995年に設立したのが角川春樹事務所である。その後春樹は実刑判決を受けて収監、2004年に出所。
飛鳥新社から引き取った「ポップティーン」などのファッション誌も出しているが、基本は小説を中心とした文芸出版社。文庫レーベルとしてハルキ文庫、時代小説文庫、ハルキ・ホラー文庫がある。90年代末から00年代初めの頃は小松左京賞を設立したり国産名作SFをどかどか復刊したりとやたらとSFに力を入れていたが、現在は高田郁『みをつくし料理帖』などの時代小説や、佐々木譲の道警シリーズ、今野敏の安積班シリーズといった警察小説が主力だろう。北方謙三の『三国志』『史記』なども出している。一部の人気作以外はあんまり書店で見かけない。
もともと角川春樹は70年代に映画タイアップで横溝正史作品などを大ヒットさせた角川映画の仕掛け人のため、出所後は映画製作にも乗りだし、2005年に『男たちの大和/YAMATO』を製作、興収50億の大ヒットとなる。しかし続いて作った2007年の『蒼き狼』は大コケ。2009年に春樹自らが監督となり「観客動員が150万人を超えなかったら映画を辞める」と宣言した『笑う警官』が動員10万人、興収3億円弱と惨憺たる結果に終わって以降は宣言通り映画製作から手を引いている。
雑誌・叢書
雑誌
- ポップティーン(1994年-)ティーンズ少女向けファッション誌。飛鳥新社から譲渡された。
- ボーダーランド(1996年-1997年)オカルト誌。
- 俳句現代(1998年-2001年)
- BLENDA(2003年-2014年)20代前半女性向けファッション誌。
- 月刊ランティエ。(2005年-2008年)40~50代男性向け総合誌。
- 美人百花(2005年-)アラサー女性向けファッション誌。
- BLENDA BLACK(2006年-2010年)大人ギャル向けファッション誌。
- 料理通信(2006年-)販売のみ担当。発行は料理通信社。
- ランティエ(2008年-)小説がメインのPR誌。
- ポップシスター(2009年-2011年)ポップティーンよりやや上の年齢層向けファッション誌。
叢書
文庫・ノベルス
- ハルキ文庫(1997年-)創刊されたのは北方謙三『三国志』を文庫化するためだったとか。
- ハルキ・ノベルス(1997年-2010年)
- ボーダーランド文庫(1997年-1998年)翻訳オカルト書籍レーベル。
- ハルキ・ホラー文庫(2000年-2015年?)
- 時代小説文庫(2001年-)ハルキ文庫の内部レーベル。
- グルメ文庫(2004年-2008年)
単行本
関連商品
関連項目
- 2
- 0pt