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男たちの大和とは、作家の辺見じゅんが1983年12月14日に出版した書籍である。2005年に「男たちの大和/YAMATO」のタイトルで映画化された。本項では主に映画作品について記載する。
概要
映画「男たちの大和/YAMATO」の原作となった「男たちの大和」は、1945年4月7日に米軍の空襲により撃沈され、2,700名を超える戦死者を出した旧日本軍の戦艦大和の生存者や遺族を描いた書籍である。遺族や元乗組員から膨大な聞き取り調査を行っており、可能な限り史実に近づけている。翌1984年に新田次郎文学賞を受賞した。作者の辺見じゅんは角川書店の創立者角川源義の長女で、映画の製作者である角川春樹の姉である。
戦後60年を記念して映画版が製作され、2005年12月17日に東映系映画館で公開。上映時間145分。観客動員数は約400万人で、制作費25億の2倍以上である約51億円の興行収入を叩き出す。年末の公開だったにも関わらず、2005年度邦画No.1のヒット作となった。また東映作品全体で見ても2位の興行収入であり、まさしく破格だった。角川春樹は本作を「思い入れのある作品」と語り、戦艦大和の模型製作に私財の一部を投じたほど。
ミリタリーに疎い一般人にも名前が知られている戦艦大和を題材としているが、あまり語られない水兵に焦点を当てるという珍しい作風となっている。このため主人公の所属は烹炊員(ご飯作る人)である。
かなり気合いの入った作品で、オールスターキャストとも言える俳優陣が揃い、ベテランの仲代達也・渡哲也・高畑淳子や若手の反町隆史・中村獅童・松山ケンイチなど人気俳優が多数出演。最初に登場する鈴木京香が物語に花を添える。特に話題となったのは、広島県尾道市向日町に撮影用の大和の模型を造った事だった。総工費6億円。原寸大で再現された大和の艦首から艦橋付近までの巨大なセットで、長さは約190mに及ぶ。2005年3月に完成し、7月17日からは一般客向けに開放されている。この大掛かりなセットは「めざましテレビ」等の報道番組でも取り上げられ、程良い宣伝になった。2006年3月31日に公開終了となる予定だったが、予想以上の動員数になったため5月7日まで延長。100万人以上が訪れ、入場料だけで約3億円の収入を得た。
監督・脚本は佐藤純彌(さとうじゅんや)は高倉健主演の「新幹線大爆破」や「君よ憤怒の河を渉れ」、角川映画の「人間の証明」「野性の証明」の監督も務めている。また音楽は北野武の作品でも有名な久石譲が担当し、主題歌の「CLOSE YOUR EYES/YAMATO」を長渕剛が歌った。
世界最強とも言われ旧日本軍を象徴する存在でもあった大和を舞台に、緊張感に満ちた毎日を過ごし、必死に戦う若者たちの姿は戦争を知らない世代の観客の心にも残ったと思われる。監督の佐藤純彌は戦時中に疎開を経験しているが、戦争とはどんなものだったかを後世に伝えることは、戦争を知る世代の義務でもあると考えながら撮影を進めたのかもしれない。
あらすじと作風
2005年4月6日、鹿児島県枕崎の漁港を訪れた内田真貴子と名乗る女性が、老漁師の神尾克己に北緯30度43分、東経128度4分まで船を出してほしいと懇願する。最初は突っぱねる神尾だったが、彼女が元大和乗組員の内田二兵曹の娘だと知り驚愕する。神尾もまた大和の元乗組員であった。要望どおり、漁船を指定の場所まで走らせる。やがて神尾の目に在りし日の戦艦大和の幻影が映り、1941年12月へと場面が移る。当時15歳の神尾は、1942年3月に海軍へ入隊する事を決意。海兵団での訓練を終えた1944年春、戦艦大和に配備され、大発動艇で向かうところから物語が始まる。
戦艦大和の誕生から沈没までの期間を描いた戦争映画だが、乗組員の間で繰り広げられる人間ドラマが中心。冒頭で開戦から山本五十六大将殉職までを軽く説明し、1944年春から物語がスタートする。尺の都合からかバトルシーンはシブヤン海海戦と坊ノ岬沖海戦しか描かれておらず、マリアナ沖海戦とサマール沖海戦はカット。描写されたシブヤン海海戦も戦闘前後含めて僅か4分程度しか無い。一方、最後の戦いとなった坊ノ岬沖海戦は15分以上取られている。大和以外の艦やグラマンは全てCGで、大和にも一部CGを使用。また戦時中の実録映像を所々挿入している。バトルでは25mm三連装機銃を扱う機銃員を中心に描かれている。それに伴って血しぶきが舞う場面が多く、割とグロテスク(史実と比べると圧倒的にマイルドだが)。
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