阪神園芸とは、兵庫県西宮市に本社を置く造園業者。本社近隣に所在する阪神甲子園球場のグラウンド整備を請け負っていることで知られる。
概要
その名の示すとおり、阪神電気鉄道(阪急阪神ホールディングス)のグループ会社。本来は造園業者であり、関西一円にて造園事業や観葉植物のリース事業を展開している。阪神電鉄と経営統合した阪急電鉄も造園業者を持っていたものの、2012年に合併し同社の一部門となっている。
しかし一般、特に野球ファンには阪神甲子園球場において、大雨などによりグラウンド状態を試合できないほどのそれから復活させ、簡単に中止やコールドゲームにさせない非常に高いグラウンド整備能力で知られる。その一例として
- 2017年のセ・リーグCS1st第2戦、試合序盤から大雨が降りしきる中、阪神園芸は試合中断の度にグラウンドを整備し干潟のような状態にこそなるも試合は9回まで行なわれた。この阪神園芸の技はこの試合勝利した横浜DeNAベイスターズ、敗れた阪神タイガース、両方のファンから賞賛を受けた。
- 2019年の夏の甲子園、予定されていた日程が丸々順延になるほどの超大型台風が関西地方を直撃。雨は翌日早朝まで降り続き、試合開始が8時と早くグラウンド状態が心配される中、高野連からの連絡を6時30分に受けると開始予定に合わせ見事グラウンドコンディションを復活させた。その時の担当者の談話が記事に→阪神園芸「いけます」と神整備 甲子園予定通り開催(日刊スポーツ)
などが挙げられる。(詳しい方追加頼みます)公式側もその知名度を認識しているためか、タオルを始めとしたグッズも多数販売されている。
その能力を見込まれ、日本中央競馬会(JRA)が芝の整備について度々指導を受けている他、2016年にはスタッフが東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地・楽天Koboスタジアム宮城の天然芝化を受け楽天球団に出向し、1年間にわたり技術指導を行ったこともある。
なお、夏の甲子園の後高校軟式野球の全国大会が開催されている明石トーカロ球場など、甲子園球場以外の野球場やテニスコートの管理や関西を中心にグラウンドの出張整備も手懸けている。
具体的にどうやって整備してるの?
(参照:阪神園芸、甲子園の神整備生む秘伝の土作り オフの綿密な“下準備”(サンケイスポーツ))
- 年一回1月に内野の土を耕し、甲子園の土の成分である粒子の細かい土と粒子の粗い砂を混ぜ合わせ、その後天候を見計らい土を固める。これにより「雨が降っても水はけのいい土」を作り出す。
- プロ野球のシーズン中は朝9時からグラウンド整備に従事、午後から試合終了にかけてはタイガースの試合前練習の手伝いや事務作業をしつつ5回裏終了後など随時整備を行う。試合後にはトンボがけや雨が予想される場合はシート掛けを行う。
- 人数は15人と少数精鋭。甲子園近隣の阪神二軍本拠地・鳴尾浜球場も担当する。高校野球シーズンにアルバイトを雇うことはあるが、基本求人は欠員が出た時のみ。さらにマウンド付近のホースによる水撒きは一定の経験を積まなければ担当できない。
- 選手の要望により土の質を変えたりしている。松永浩美が阪神から移籍する際に言い放ったとされる「甲子園は幼稚園の砂場」という言葉は、元々グラウンドの土の硬さへの要望を阪神園芸の職員に伝えたものが、松永のFA宣言時に関西マスコミにより曲解されて伝えられたもの。
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阪神で活躍した和田豊は引退セレモニーで阪神園芸を「日本一」と称えた。動画の4:35頃から。
ライン引きも一流品。
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