《頭蓋骨絞め》(ずがいこつじめ)とは、マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)のカードである。初出は2004年発売の『ダークスティール』。
概要
装備しているクリーチャーは+1/-1の修整を受ける。
装備(1)((1):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それにつける。装備はソーサリーとしてのみ行う。このカードはつけられていない状態で戦場に出て、クリーチャーが戦場を離れても戦場に残る。)
1マナで戦場に出せて1マナで装備できる、非常に軽量な装備品。その分修正値も小さく、パワーを1上げる代わりにタフネスは1下がり、修正値の合計はプラスマイナス0となっている。
しかし2行目の「装備しているクリーチャーが死亡するたび、カードを2枚引く」が重要であり、対戦相手に「パワーが上がったクリーチャーに殴られ続けるのも地味に痛いな……でも除去するとアドバンテージ与えちゃうし……」といったジレンマを発生させる。装備しているクリーチャーが死亡しても装備品は残るため、大抵は後続がまた装備しなおして殴りに行くことになる。そして色によってはアーティファクトを処理できない。オワタ。
強いのかコレ?
強い。ちょうつよい。毎ターン「馬鹿にならないダメージか手札2枚か選べよな!」ってのでも十分強い。でもその程度なら大百科に個別記事が作られるほどじゃない。
さて、ここに1/1のクリーチャーがいる。こいつに《頭蓋骨絞め》を装備させるとどうなると思う? 2/0になる? そう、正解だ。MTGではタフネス0のクリーチャーは自動的に死亡する。で、次は? うんそうだね。死亡したから2枚ドローできるね。……何か悪用できそうだなーって気がしてきたと思う。それで大正解なんだ。
つまり
1/1のクリーチャーを並べ、片っ端から2ドローに変換することで凄まじいアドバンテージを得ることができる。クリーチャーが1マナだとすると、差し引き2マナで2ドローできてそれが何度でも使えることを意味する(なお、どの色でも恒久的に使用できるドローエンジンは4マナで1ドローが相場)。「死亡したとき」能力を持つクリーチャーの能力発動に使ってもいいし、大量に溢れる手札からコンボに走ってみてもいい。なお、サポートするカードに恵まれた全盛期は、
(1)、クリーチャー(タフネス1でなくてもよい)を1体生け贄に捧げる:カードを2枚引き、特定のクリーチャー1体が1回り強くなり、対戦相手は通常1点~最大4点のライフを失う。
というわけのわからなさを誇った。コレ絶対1マナのカードの働きじゃない。
当時のスタンダード最強デッキである『親和』を超絶強化したほか、1/1のエルフをドローに変えて強力な《歯と爪》につなぐ『エルフ&ネイル』、1/1のゴブリンを大量に墓地に送り《総帥の召集》で一気に復活させる『ゴブリン召集』など、環境を席巻。《減衰のマトリックス》という、「《頭蓋骨絞め》と『親和』にはメチャクチャ強いがそれ以外には全く効果がない」カードがコントロールデッキのメインボードに4枚投入されるなど、スタンダード環境は世紀末と化していった。その結果、スタンダードにおける5年ぶりの禁止カードに指定される。スタンダードはレガシーやエクステンデッド(当時)といったフォーマットと比べてカードプールが狭く、カードの相互関係も少なく禁止カードはなかなか出ないはずだが、それでも禁止されてしまったあたり、いかに《頭蓋骨絞め》がブッ壊れカードであったか、という話である。
現状
ヴィンテージを除いて禁止カードに指定されている。ヴィンテージでは「クリーチャーではほとんど追いつけないほどの世紀末環境」であることと、「ブッ壊れアーティファクトとその対策カードが多数あり、《頭蓋骨絞め》もそれに巻き込まれる形で処理されてしまう」ために許されている。そうでもなけりゃ野放しになんてされない。
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関連項目
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