曖昧さ回避
概要
液体やバラ荷を貯蔵するために使用される容器。側面の中央部がなだらかに膨らんだ円筒形になっている。ビア樽、ビヤ樽と呼称されることもあるが、厳密に言えばビア樽と呼んでいいのは正確に36ガロン入るものだけである。
船舶用の輸送容器の一つとして、20世紀にコンテナが登場するまで2000年近くに渡り用いられた。そのメリットは何と言っても「転がせる」という点である。これにより最小限の労力で荷物を移動することが可能である。また膨らんだ形状のおかげで、はずみをつけて揺らせば簡単に立てて置くことができる。
ワインやウイスキーは、製造時に樽に入れて熟成させる工程がある。樽は多くが木製であるがゆえに気化した酒が抜けていき、酒の総量が減少する。これを指して「天使の取り分」「天使のわけまえ」などと呼ぶ。
質量の単位で「トン」というものがあるが、これは船内で樽を叩いて数える時の「トン」という音に由来する。
バレル
単位としては160リットル弱(正確には、158.987294928リットル)。ヤード・ポンド法の体積。
国・何を入れるかによっても若干異なる。イギリスは約162リットル。
参考として、ドラム缶は200リットル、石油用の1バレルは42ガロン。
1ガロンは約3.78541リットルだが、国によって異なるため紛らわしい。
「バレル」だけだと銃の銃身[1]も含めるため広義。(→銃器用語)
フィクションにおけるタル
容器から武器、隠匿までなんでもこなす万能選手。
フィクションにおいては敵に投げつけたりするが、実際は中身が入っていると重量的に困難。
世界観を壊しにくく形状的にちょうど良いためか、アレンジしたデザインのものがバケツ・コップ・水筒といった容器全般に使われる事もある。天板を机として用いられる場合もある。(ONE PIECEなど)木箱・麻袋・籠(円柱型・四角柱型)と使い分けられることもある。
木板と金枠といった単純構造で耐久性も丁度良い。結果的に攻撃で破壊する・木板を散らして派手に砕け散る、内容物が飛び散る・吹き出すといった表現にも用いやすい。また良くも悪くも円柱型であるため、坂道や斜面で転がる/転がってしまうといったトラブルも演出できるが、地形を利用して低所の相手への攻撃手段にも用いることができる。
店舗でも倉庫でも路地裏でも船内でも、とりあえず背景に並べたり積んでおけば殺風景な風景を埋めることができ、木箱と比較して曲面があるため絵面が単調になりづらい。また内容物にもよるが浮力を利用して海や水面に浮かべたり漂着させるといった方法もある。
それなりの大きさがあるため、中に隠れてやり過ごしたり奇襲する、人質や規律を破った人間を閉じ込めたり頭を出して晒す、武器を隠しておき取り出すなどアイデア次第で様々な応用ができ、次述のゲームでもギミックとして用いられる。
ゲームにおけるタル
ゲームにおいては以下の特徴を持つ。
- ドンキーコングシリーズの万能かつ多目的装置/アイテム
- 持って投げたり押し付けることで敵を倒す、ボスへの攻撃手段、ボーナスステージを開ける
- 割ることで様々な効果を得られる。
- 入ることでショートカットできたり、ボーナスステージに入ることができる
- プレイヤーを射出する大砲、移動手段として用いられる
- 高性能爆薬であるTNTが入っている[2]
- ワニが中に隠れており、近づくと飛び出して体当たりしてくる(クロバー/2)
- 背景の一部として描かれていたり、滝を流れて足場になる
- 照明がつく、足場が顔を出すなどスイッチとして用いられることも
- 敵が大砲・ラッパ銃・バズーカから発射してくる、足場としても用いられる
- 鋼鉄製の割れないものもある
- 初代では、攫われた恋人を取り戻そうとビルを登ってくる配管工に投げつける
- 海賊退治用の武器
- 黒ヒゲ
- 「た~る。」「たる。」「たる~。」「たーる!」
- その他、壊してみるまで中身の分からない宝箱のように用いられることも。
- 大乱闘スマッシュブラザーズにおいてはアイテムが入っていたり、たまに爆発する
他、何かあれば追加希望。
桶と樽はどう違う?
板目の板。水を通しにくく、樽によく用いられる。 | 柾目の板。水を通しやすく、桶によく用いられる。 |
固定されたフタがあるのが桶、ないのが樽、なんて見分け方もあるが、大きな違いは使われている板の種類である。
樽は長期の保存を目的としているため、水分を通しにくい板目の板が、桶は短期間の保存や水分を飛ばすことを目的としているため、逆に水分を通しやすい柾目の板が使われている。例えば漬物は漬物「樽」で保存し、酢飯の調理や保存には寿司「桶」を使う。
技術・家庭科の授業で習った人も居るだろうが、木材は年輪に対してどう切り出すかで性質が変わる。年輪の中心から外側に向かって(立木から本を取り出すように)板を切り出せば、直線の模様が並ぶ柾目の板が、年輪に接線を引くように(立木から皮をひっぺがすように)板を切り出せば、渦巻きなど曲線の模様が並ぶ板目の板ができるのだ。バウムクーヘンを買ったら切って実験してみましょう。
関連動画
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関連項目
脚注
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