ゴブリンとは、
- ヨーロッパの民間伝承に出てくる空想上の生物。
- マクダネルXF-85ゴブリン - 米マクダネル社が開発した試作戦闘機。実用化はされなかった。
- ゴブリン(バンド) - イタリアのロックバンド。現在はプロジェクトとして名前が残っている。
- ゴブリン(漫画家) - 主に成人向け作品を手掛ける漫画家。自己紹介しとこう!
- ゴブリン(声優)-ものまねタレント・ナレーターとして主に活動中。大沢事務所所属。
- 様々な人物や人びとに対して、主にネット上で蔑称として使われる言葉。
本項では1について解説する。
概要
元々はヨーロッパに伝わる、鉱山や洞窟等に棲むと言われるイタズラ好きの妖精(精霊)若しくは小人である。
妖精と言ってもフェアリーのような愛らしいイメージは殆どなく、大抵は醜悪な外見に邪悪な性格を持つ存在として語られる。見た目はかなり小柄で、大人でも体長が30cm程度しかないという伝承もある。
イタズラや悪事を好み、人間を怖がらせたり困らせたりする。他の妖精達はゴブリンと間違われたり混同される事を激しく嫌うが、伝承によってはノームやドワーフと同一視されることもある。日本でいう「子鬼」や「天邪鬼」に相当するだろうか。
名前の由来には様々な説があるが、一説ではコバロス(Kobalos=ギリシャ語で「子供」を意味する)という単語から来ていると言われている。事実ゴブリンはかつて、「イタズラや悪さをするが、どこか子供のように愛嬌のある存在」であり、必ずしも邪悪とは限らなかった。
ゴブリンが悪い妖精として認識されるようになった背景には、キリスト教徒の民間伝承排斥運動により、ゴブリンが悪魔と見なされた事が挙げられる。トロール・ドワーフ・エルフ等も同様に排斥の対象であったが、人気・知名度があったことからとりわけゴブリンに対する仕打ちはひどかった。やがてヨーロッパでは夜遅くまで起きている子供に対し、親が「早く寝ないと悪いゴブリンが来るぞ」と怒って子供を躾けるようになったという。
後にドワーフ・エルフは(主にトールキンの功績によって)一転して善き存在として認知されるようになるが、一方のゴブリンは未だに怪物のイメージが根強い。
ホブゴブリン
ホブゴブリンとはゴブリン同様妖精の一種であり、ホブと呼ばれる事もある。
ゴブリンの名前を冠しているが、彼等とは違い人間に対して友好的・献身的な性格をしており、ヨーロッパ各地では家の守護霊として認知されていた。具体的には1杯のミルク(1枚のパン)を台所の隅に置いておくと、次の日には家の掃除や薪割り等といった家事をあらかた片付けているなど、人間の手助けをしてくれる存在であった。
ゴブリンと同じくイタズラを働くことがあるものの、酒やバターをダメにしたり、椅子に化けて人間が座ろうとした途端に変身を解く等、大抵は被害が少ないイタズラである。人間からからかわれたりしない限りは、相手を必要以上に傷つけたりせず、単純に人間が驚く様を見られれば基本的には満足らしい。
また良く扱われた場合には相手にお返しをするらしく、「ホブゴブリンに親切にしていたら、一生幸せに暮らせる程の贈り物を貰った」という伝承も少なからず存在する。
ホブという言葉は「放浪者」を意味する言葉「ホボ」が訛ったもの、若しくはロビン・ロバート等の愛称「ロブ」が訛ったものと言われており、転じて「人間に近い知能を持つ妖精」「人間と親しい善意ある妖精」といった意味合いがある。
しかし前述した民間伝承排斥運動により、彼等もゴブリン同様悪しき存在と見なされるようになってしまった。現在では名前のイメージから「普通のゴブリンよりも強い(悪い)ゴブリン」と誤解されることが多いが、元々は「人間に近いゴブリン」という意味合いのある名前なので、ゴブリンの上位種とは一概に言えない事には留意されたい。少なくとも、悪の妖精としてのゴブリンとは一線を画すべきである。
フィクション作品のゴブリン
創作作品、特にTRPGやRPGなどでは専ら定番的なザコモンスターとして扱われる。オーク、トロール、オーガやコボルトといった亜人(獣人と扱われることも)と同種のモンスターとして扱われる傾向にあり、作品によっては独自の言語・文化を持ち、ゴブリン達で形成された社会・王国を築いている場合もある。
モンスターとして登場する場合は何も得物を手にしていない丸腰のゴブリンか、ゴブリンバット棍棒を始めとする粗野な武器を持っているゴブリンが多い。中には人間と同じく剣や槍、盾や斧などといった武器を自在に操るゴブリンも存在する。「ロマンシング サ・ガ」シリーズのドビー達のように弓矢を器用に使いこなすケースもあれば、杖・ステッキを手に魔法を使うゴブリンも存在するなどバリエーションは数多く、モンスターとしてのゴブリンの愛されぶりが垣間見えるだろう。
以下に、各作品におけるゴブリンを記述する。
- 「指輪物語」およびその前日譚「ホビットの冒険」
敵役として登場する。悪に仕える種族であり、群れをなして上下関係が存在する。「指輪物語」以降はオークと改められ、ゴブリンはオークを英訳した言葉であると設定された。後の作品におけるゴブリン像(若しくはオーク像)の大元は、本作によるものと言える。 - テーブルトークRPG
- ダンジョンズ&ドラゴンズ - 敵モンスターとして登場。オークとは別の種族、野蛮ながら一定の社会を形成している。またホブゴブリンはゴブリンよりも大型の種族として登場する。以降の作品では上記の設定を踏襲している場合が多い。
- ロードス島戦記 - 種族として登場。
- ソード・ワールドRPG - 敵モンスターとして登場。
- 小説・ライトノベル
- お姫さまとゴブリンの物語 - 地下に王国をかまえお姫さまをさらおうとする悪い妖精族。ファンタジーの古典であり「指輪物語」の先輩格にあたる。邪悪な地下種族としてのゴブリンのイメージも本作から「指輪物語」に受け継がれた。
- ハリー・ポッター - いくつもある種族の一つ。経営感覚に優れているが、守銭奴。彼らの作る武器はそれを強化するものだけを吸収する。ゴブリンが経営する銀行が登場する。
- スレイヤーズ - 種族として登場。
- 灰と幻想のグリムガル - 敵モンスターとして登場。
- ゴブリンスレイヤー - 敵モンスターとして登場。1体1体は大したことないが数が非常に多く、厄介な存在として扱われている。
- 転生したらスライムだった件 - 序盤で出会う種族の一つ。集落のゴブリン全員に名前を付与したことでホブゴブリンに進化し、街の発展に助力していく。
- 漫画
- BASTARD!! -暗黒の破壊神- - モンスターとしてゴブリン、ホブゴブリンが登場。ホブゴブリンはゴブリンの大型亜種であり、日光を嫌うため地下に住まう残忍な種族。全身イカくさい。
- ドリフターズ(漫画) - 黒王軍の配下の化け物たちとしてゴブリンが登場。
- デュエルマスターズ - デュエルの神殿「JDC」の神殿の案内人。ゴブリンに似ているためにそう呼ばれた。
- 覇王大系リューナイト - 邪鬼族と呼ばれ寿命が短いが繁殖力は高く、悪しかいないとされる。リューゴブリンを駆る。
- 機動戦士ガンダム ジオンの再興-漫画のモビルスーツ - MS-109A/PMX-109A ゴブリンA(GOBLIN)。通常の制作コストの2/3で制作されたが、高性能のため量産された。
- ゴブリン公爵 - 手塚治虫のSF漫画。「燈台鬼」という青銅製のロボットを巡る戦いが描かれた。
- ゲーム
- ファイナルファンタジー(RPG) - シリーズの多くに雑魚敵として登場。ドラクエに於けるスライム的な存在だが、見た目の問題でスライム程愛されていない。シリーズ11では、世界中に広がる技術の高い種族として姿を見せる。
- ロマンシング サ・ガ(RPG) - 雑魚敵として登場。中にはかなりの強敵も存在する。
- ウィザードリィ(RPG) - 敵モンスターとして登場。
- ゼノサーガ(RPG) - グノーシスと呼ばれる者たちの一種族。
- ジルオール(RPG) - 冒険者のゴブリン達、ゴブゴブ団。聖杯をめぐって主人公たちと何度も戦うが後に和解。
- ワイルドアームズ アソヴァンスドサード(RPG) - ゴブリンのおじさん。主人公たちに世界地図作成を依頼する。
- オーディンスフィア(RPG) - プーカ族のなれの果て。性根の腐った追剥集団。
- ラジアータ ストーリーズ(RPG) - グリーンゴブリンとブラックゴブリンという種族が存在する。悪戯好きな妖精。
- メダロット(RPG) - ボロゴブリンというメダロットが登場。見た目はボロボロだが、それなりの性能。
- Oblivion(RPG) - モンスターとして登場。野生のゴブリンと集団で活動するやや文化的なゴブリンがいる。基本的に雑魚だが、ゴブリン・ウォーロードなど一部強敵も存在する。
- アクトレイザー(アクションRPG) - グラティスのボス、ゴブリンキングのデスペアー。
- プリンセスクラウン(アクションRPG) - 主人公の一人プロセルピナの使い魔。敵モンスターとしても登場する。
- タクティクスオウガ(シミュレーション) - 魔族の一種として登場。たいして強くない。
- 高機動幻想ガンパレード・マーチ(シミュレーション) - 敵キャラクターとして登場。
- キングオブキングス(シミュレーション) - 妖精系で、最も安価に生産できるユニット。
- ダンジョンキーパー(ダンジョン設営シミュレーション) - 勇者たちと戦うための、もっとも基本的な配下ゴブリン。序盤の戦力。
- カオスブレイカー(格闘ゲーム) - オークと共に戦うゴブリンの戦士。トカゲに乗って槍を振るう。
- ローグ(ローグライク) - 敵モンスターとして登場。
- Elona(ローグライク) - 敵モンスターとして登場。プレイヤーの種族としても選択可能で、肉弾戦の能力と生産系のスキルに優れている。
- ネバーランドシリーズ(一連のゲームシリーズ) - アイディアファクトリーのゲームのキャラクターとして登場。
- ラストハルマゲドン(RPG) - エイリアンの侵略に対抗する12種類のモンスターの1人。殆どの武器と防具が装備できる為、戦闘の中心的存在となる外、Lv17&Lv34の融合時の最有力候補となる。
- 悠久の車輪(ATCG)-機械神を信仰する火山の国グランガイアの民。テンプレ通りの男ゴブリンとホビットみたいな可愛らしく聡明な女ゴブリンが存在する。金!暴力!SEX!の無法地帯だったが、新大王の就任で、教育機関や軍隊の設立され国家として成り立とうとしている。
- 千年戦争アイギス(タワーディフェンス)-ゴブリン女王が支配する種族。雑魚敵としてはよくいる紫ゴブリンからエリートの黒ゴブリン、温厚で非常に平和的な白ゴブリンまで存在する。しかし極々稀に人間そっくりなゴブリンが産まれるらしい…。
- サキュバスクエスト短編(RPG) - フリー版に内容を追加した完全版となる[白の史書]にて追加された夢魔として登場。種族は妖精系で性格は子供っぽく、見た目はロリだが大きな石鎚を担げるぐらいに力が強く、油断すると押し倒された後に押さえつけられ犯されてしまう。
- もんむす・くえすと!(RPG風アドベンチャー) - 主人公ルカの住んでいた村の隣町、イリアスベルクの近くに拠点を置き、万引きや作物荒らしや旅人を襲撃するなどの悪行を繰り返してきた盗賊団の四天王[土のゴブリン]として登場。ルカによって他のメンバー共々懲らしめられ盗賊団が壊滅した後、イリアスベルクにて健脚を生かした運送業にスカウトされる。なお他の四天王はラミア、バンパイア、ドラゴンといった強種族の幼体で、ゴブリンの彼女だけ(担当絵師様の違いもあって)浮いている印象があったが実は…。ちなみに続編となる[ぱらどっくすRPG]にて[ゴブ]という個人名が判明する。
- RPGツクール3 (RPG作成ゲーム) - サンプルゲーム[gobli -ゴブリくんの冒険-]にて、主人公であるゴブリとその仕事仲間が登場。世界を作った神が考えた物語の主役である勇者パーティに倒される雑魚敵の役を演じる日々を過ごしていたが…
- MMORPG
- World of Warcraft - オーク・ホルドの配下。
- ラグナロクオンライン - 人間の半分ほどの背丈のゴブリン族、道具を使用しテントを張って生活する。
- アラド戦記 - 種族として登場する。
- その他のジャンル
- スパイダーマン(アメコミ) - 悪役(ヴィラン)としてグリーン・ゴブリン、その模倣犯としてホブゴブリンが登場。
- X-MEN(アメコミ) - 敵としてゴブリンクィーン、ゴブリンプリンスが登場。
- マジック:ザ・ギャザリング(カードゲーム) - 種族の一つ、赤マナに属したクリーチャー。スクィーなどが有名。
- カルドセプト(ボードゲーム) - クリーチャー。戦闘力は低いが、コストが安く大量展開できる。
- エンドセクター(カードゲーム) - ゴブリン族の王、ガストが登場。
- 遊戯王OCG (カードゲーム) - ゴブリン突撃部隊をはじめとしたゴブリンシリーズがある。
- 戯王GX(アニメ)- 異世界に置いて敵役として登場する。カードにもゴブリンは存在するが、纏まりは無い。
- 東方Project(弾幕STGを中心とする作品群) - 「東方茨歌仙」にホフゴブリン(=ホブゴブリン)が登場。家事を手伝ったり繁栄をもたらしたりする善良な妖怪。人里から姿を消した座敷わらしの代わりとして、紫が海外から連れてきた。しかし見た目が怖く里の人々から不評だった。座敷わらし達も戻ってきたことから里を追い出されるが、結局紅魔館で雇われた。
(「この作品が存在してない」「情報が間違っている」「情報が足りない」などがあれば、追記をお願いします。)
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関連項目
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