概要
統率者戦(とうそつしゃせん/Commander)とは、Magic: the Gatheringの準公式・カジュアル変種ルールの一つである。
2011年の「統率者セット」発売に際し公式訳が統率者戦に変更されるまでは、エルダー・ドラゴン・ハイランダー(Elder Dragon Highlander/EDH)と呼ばれており、現在でも国内外問わず「EDH」の呼称が広く浸透している。本項でも以降はEDHと称する。
また、ルールが一部共通するフォーマット、デュエルコマンダーとタイニーリーダーズについても記す。
ルール概要
デッキ構築
- はじめに「統率者」と呼ばれる伝説のクリーチャーカード(もしくは統率者に指定できるプレインズウォーカーカード)を1枚選ぶ。
- デッキには「統率者」の固有色に含まれない固有色のカードを入れることはできない。(固有色についての詳しい解説はこちら
) - 基本土地以外の各カードは、1枚ずつしかデッキに入れることができない。
- デッキの枚数は99枚+統率者のちょうど100枚。それより多くても少なくてもいけない。
ゲーム進行
- はじめに統率者を統率領域に置く。それが統率領域にあり、唱えられるタイミングならばオーナーはいつでもそれを唱えてよい。
- マリガンは部分パリ式(手札のうち交換したいカードを脇に避けそのカードの枚数-1枚のカードを引く、これを望む数だけ繰り返す)で行う
- 先手プレイヤーもドローする。
- 統率者が墓地か追放領域か手札かライブラリーに置かれる場合、オーナーが望むなら代わりに統率領域に置いても良い。
- 統率領域から統率者を唱えるのが2回目以降の場合、2回目は(2)、3回目は(4)……と、唱えるための追加コストが増えていく。
- 同一の統率者から21点以上の戦闘ダメージを与えられたプレイヤーはゲームに敗北する。
(※投稿時期の関係上、禁止リストが最新のルールとは若干違います)
特色
多人数戦である
EDHの一番の特徴。2人のプレイヤーが勝敗を競う通常のMTGとは違い、4人のプレイヤーが各々の勝利に向かって駆け引きを繰り広げる。他プレイヤーの動きに干渉したり、有利なプレイヤーを潰すために結託したりと、カードゲームというよりはボードゲームやパーティーゲームの趣が強い。複数の対戦相手がいるという特殊な環境下で、カスレアがゲームエンドカード級に大化けする例も。
推奨プレイヤー数は4人。根底のルールは通常のMTGと同じなので3人や5人、また2人でも問題なくプレイはできるが、大抵の場合別ゲーになる。
デッキ構築ルールが特殊
1枚の「統率者」と呼ばれる伝説のクリーチャーと、99枚のカードによって構築されるデッキを用いる。エルダー・ドラゴン・ハイランダーの名の通りデッキはハイランダー構築(基本土地以外のカードは1枚制限)で、それを踏まえた構築をする必要がある。
カードプールが広い
EDHで使用することのできるカードプールは、よりにもよってヴィンテージを下敷きに追加の禁止カードをいくらか設定したもの。昔の強カードが飛び交うレガシーですら許されないパワーカードを存分に振るう快感を味わうことができる。
でも、お高いんでしょう?
かと思いきや、ヴィンテージ筆頭高額カードの《Black Lotus》や各種《Mox》に始まるパワー9はほぼ全て禁止、各種レガシー高額カードを全力で集めたとしても必要なのは各1枚。またレガシーで禁止されてしまっているレベルの高パワーカードは、人気フォーマットで使えない事が逆に価格が安くなる要因となっています。また高価格のカードでも必要とする枚数は一枚で済む。
一度入手した資産は腐ることがないというエターナル環境の特色により、かなり本気のEDHでも、それに対する投資額は最終的にはスタンダードのトップメタデッキを追いかけ続けるのとそう変わらなくなってくるだろう。[1]
レベルという概念
あくまでも先述した通り、パーティーゲームとしての趣が近いわけなので、パワー差がありすぎるデッキ同士が戦うと白けてしまうのでよろしくない。このため、レベルという概念が提唱されている。
| レベル帯 | 説明 |
|---|---|
| 1-2 | おおむね構築済みデッキそのまま使ったり、部族などをコンセプトにしたデッキなど |
| 3-4 | 構築済みデッキを強化したり、手元にあるカードで強化したりしたデッキ |
| 5-6 | 統率者にあったカードや強力なカードなどを用いて、勝利を目指し始めたデッキ |
| 7-8 | 強力な統率者や希少なカード、ゲームを決める強力なカードが多数あるデッキ |
| 9-10 | 最上位の強力な統率者や希少なカード、すぐにゲームが決まるコンボなど最適化されたデッキ |
この説明は、日本語公式サイト
に書いてある説明を、表に当てはまるように修正しただけのものなので、公式サイトを見たほうがわかりやすい。
要するに、カジュアルに組んだデッキと、即死コンボに最適化したデッキで同じテーブルで戦いたくないよね、っていう話である。競技とは離れたこのフォーマットならではの話である。
デュエルコマンダー
統率者戦を二人対戦用に調整したようなフォーマット。統率者戦との違いは
等がある。二人対戦のため強いカードが統率者戦と異なり統率者戦とはまた違ったデッキ構築、プレイングが求められる。
タイニーリーダーズ
デュエルコマンダーの派生系といえるフォーマット。統率者1枚とその他のカード49枚でデッキを組むがハイランダー構築に加え点数で見たマナコストが3以下のカードのみでデッキを構築すると言う制限がある。
この制限に加え初期ライフが25なので無限コンボが成立しにくくまたビートダウン戦法が決まりやすいと言う特徴がある。
Brawl
統率者戦の派生フォーマット。ここ
で提唱されている。また、2018年5月10日にアップデートされた
。簡単に言えば
- カードプールはスタンダードと同じ
- 禁止カードはスタンダードに準ずる→2018/5/10に禁止カード管理がスタンダードと分離
- デッキは統率者を合わせて60枚
- 初期ライフは30点→2018/5/10に1vs1のときは20点に変更
- 統率者に指定できるのは、伝説のクリーチャーだけではなく、伝説のプレインズウォーカーもである
- 統率者ダメージによる敗北は適用しない
- 2018/5/10以降、固有色が無色の統率者を用いる場合、1種類の基本土地を必要なだけ入れてよい
スタンダードの範囲内なので資金はそれほどなくてよい(本気で統率者戦をやろうとすると長年蓄積されたカードと戦うために資金が相当飛ぶことになる)ので、結構おとなしいことになるだろう。
関連動画
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 4
- 0pt

