Folding@home（フォールディング・アット・ホーム）とは2000年10月から北アメリカのスタンフォード大学を中心に行われている分散コンピューティングプロジェクトおよび、それに使用されているコンピュータプログラムである。略称はFAH
概要
たんぱく質の折りたたみ構造を解析することで、これに関係する様々な疾病（アルツハイマー病、がん、パーキンソン病、狂牛病など）の治療に役立てるのが目的。このプログラムをダウンロードし、パーソナルコンピュータやプレイステーション3（PS3)で動作させると研究に必要な計算が行われ、その計算結果がインターネットを通じてスタンフォード大学に送られる。また、このプロジェクトではCPUだけでなく、GPGPUによる処理も行う事が出来る。
2007年3月22日より専用のアプリケーションをインストールしたPS3を利用して参加することが可能になった。同年9月16日には分散コンピューティング史上初めて1PFLOPS（ペタフロップス）を達成し、その8日後の24日にはPS3が単独で1ペタフロップスを叩き出している。
2012年10月22日に「Life with PlayStation」サービスの提供終了に伴い、PS3上での終了が発表された。2012年11月6日のサービス終了までに延べ1500万人が参加した（SCE発表）。
PS3プロジェクト完結後3年後の2015年にはXperiaで同じ事が可能なAndroidアプリが配信されている。当初はソニーのXperiaかタブレットのみに対応していたが、2016年以降は他のAndroid端末からでも参加できるようになった。こちらは充電中かつWi-Fiに接続中であることが必須となる。
なお、あまり知られていないが、プレイステーション3バージョンでのこのアプリケーションは、優れたジュークボックスとしても機能しており、CD取り込みによる楽曲であればソニー独自の12音解析技術が適用されてアプリ内の「おまかせチャンネル」でそれぞれの曲調に応じた振り分けが自動的に行われる(USBやSDカードなどから取り込んだ楽曲は不可)。PS3に音楽を取り込んだ時にBPMが記録されていることに気付いた人は、ここで使われている機能であることを覚えておこう(テストにゃあ出ないけどね)。「おまかせ」にすればウォークマンで言うところの時間帯に合わせた「朝のオススメ」などが自動で流れる。
また、PS3版では、時間帯に応じて独自のインストのテーマソングが毎時0分で流れる。この曲は「Life with PlayStation」チームの研究成果の一環とされており、特定の著作者による作品ではない。全て同じ旋律でそれぞれ別々にアレンジされている。後にPSPの音楽アプリである「Sense Me」のアプリケーション起動時にも同じ旋律が使われている。
2016年時点では、Life with PlayStationを起動すると強制的にアップグレードされてしまい、二度と元の機能を使えなくなるため、ジュークボックスとして使いたい場合はオフラインで使用すれば問題ない。また、グレーゾーンだが、当時の生アプリデータを保管している人ならカスタムファームウェアでver1.0をインストールしなおせば、ジュークボックスを復活させることは可能。
2020年3月14日に公式Twitterアカウント
より新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の解析を呼びかけるツイートが投稿された。
その後、NVIDIA(US,JP)・GIGABYTE(AORUS)・ASRock・ガレリア・ASUS(ROG)等がFolding@homeによる解析貢献を呼びかけている。
企業による参加も行われており、さくらのクラウド・サイボウズ・KDDI・富士通クラウドテクノロジーズ株式会社・A.L.I. Technologies(AMDが技術協力)等が参加を表明している。
バーチャル美少女ねむ・ねこます等VTuberによる参加呼びかけも行われている。
2020年3月26日に公式TwitterアカウントよりFolding@homeの演算能力が1EFLOPS(エクサフロップス)を超えたことを伝えるツイートが投稿された。数値上ではCOVID-19 High Performance Computing Consortiumが提供する330PFLOPSの演算能力を上回る。
2020年4月14日に公式TwitterアカウントよりFolding@homeの演算能力が2.4EFLOPSに達したことを伝えるツイートが投稿された。数値上では上位500のスーパーコンピューターの合計の演算能力を上回る。
2020年4月18日にClient Version 7.6.9がリリースされた。このバージョンより貢献対象にCOVID-19が追加され、新型コロナウイルス感染症に関するWUを優先的に処理する事が可能になった。
2020年4月29日にCERNがFolding@homeへ廃止予定のデータセンターマシンより10,000のCPUコアを計算資源として提供すると報道された。
2020年6月16日にMicrosoftの海底データセンターがFolding@homeへ計算資源を提供していると報道された。
関連動画
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関連項目
外部リンク
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:recycle: Update: 新型コロナウイルス感染症（COVID-19）への貢献について追記
