Shahrazadとは、マジック：ザ・ギャザリングのカードの一枚であり、終わらないカードである。
概要
ソーサリー
プレイヤーは、それぞれのライブラリーを自分のデッキとしてマジックのサブゲームをプレイする。そのサブゲームに勝利できなかったプレイヤーはそれぞれ、自分のライフの端数を切り上げた半分を失う。
マジック：ザ・ギャザリング最初のエキスパンション「アラビアンナイト」に収録されたカード。
極めて稀少な「サブゲーム」に関わる効果を持つ。2023年現在、サブゲームに関わる効果を持つカードはこれと《Enter the Dungeon》、《カウントダウン残り１/The Countdown Is at One》、《綱引き/Tug of War》の4枚のみ。ちなみに《Enter the Dungeon》以下3枚はジョークセットである「アン」シリーズのカードなので、公式な場では使用できない。
そしてマジック：ザ・ギャザリングの総合ルールには、この4枚のためだけに「724 サブゲーム」という項目が存在する。
ヴィンテージの禁止カード
マジック・ザ：ギャザリングには複数のフォーマット（使用可能なカードを定めたルール）があり、
その中で最も使用カード範囲の広いフォーマットがヴィンテージである。
ヴィンテージには唯一、デッキ[1]の中に1枚だけ使用できる【制限カード】というルールがあり、これによって、パワー9のような常軌を逸したカードたちをもデッキに入れることができるようになっている。
黎明期のマジック・ザ：ギャザリングには、
「ゲーム開始時にライブラリーの一番上のカードを1枚裏向きのままデッキから取り除き、勝者は敗者のカードをもらうことができる[2]」というマジキチルールが存在した。
この「賭けカード」のことをアンティという。マジック：ザ・ギャザリングにはアンティを追加したり交換したりするカードが9種類存在するので全部禁止カードに指定されている。
一つ、策略カード。
策略カードとは、2014年6月に発売された「コンスピラシー」というセットに含まれる特殊カードである。ゲーム開始時や任意のタイミングで伏せていた策略カードを開くことで効果を発揮する。このカードはデッキには含まれず、何枚でも使用できる。
「コンスピラシー」は「多人数戦ブースタードラフト」というゲームを行うためのセットであり、このゲーム方式では何枚でも使用できる、とはいっても使える策略カードの種類も枚数も限られる。しかし、同時に「コンスピラシー」はレガシー、ヴィンテージなどエターナル環境で使用可能なカードで構成されたセットであり、策略カードもマジック：ザ・ギャザリングのカードである以上、使用可能範囲に含まれる。
もし策略カードを禁止カードに指定しなかったら、エターナル環境では無制限に策略カードを投入できることとなり 100%1ターンキルできるデッキが完成してしまう。そのため、策略カード全25種類（2017年8月現在）もすべて禁止カードに指定されている。
Shahrazadは、こうした事情によらない正真正銘の「ヴィンテージ禁止カード」3種のうちの1枚である。
ただ、残りの2枚の《Chaos Orb》と《Falling Star》は、1フィート以上の高さからカードをはじいて1回転以上させると効果が出る[3][4]というカードゲームをなんだと思ってるんだという効果である。
まともな理由で禁止カードになってるのはこれだけじゃないかと思う。
何故禁止カードなのか
このカードで何が起こるのかをリストにすると以下のようになる。
- 現在、手札と戦場と墓地と追放領域にあるカードは脇に置いておく。
- 今のライブラリーを使ってゲーム開始の手続きをする。ライフは20点である。
- 普通にゲームをする。（これがサブゲーム)
- サブゲームで使用したカード全てをライブラリーに戻しシャッフルした後、元のゲームを行う。この時、サブゲームの敗者はライフを半分に減らす。
さて、ここで一つ。
Q:サブゲームをしているときに《Shahrazad》を使ったらどうなるの？
A:サブゲームの中にサブゲームが発生します。
黎明期の大雑把さゆえに再利用禁止対策など何も無く、かつ、上記｢アン｣カードのようなサブゲームの時短を考慮(開始ライフが5点とか1点とか、開始盤面にデカブツが鎮座しているとか)されていないため、真面目にShahrazad4枚積みのデッキを回し続けたらそれこそ永久にゲームが続くかもしれない。相手が付き合ってくれるのであれば。
時間の問題を何とかしてももう一つ大きな問題がある。
それは、サブゲームをやっている間、メインゲームのカードやライフなどの記録を置いておくスペースがないことである。
部屋全体を使ったカジュアルゲームならまだしも、不特定多数と対戦するトーナメントでは使える机の広さはかなり限られている。そこでこんなカードを使われたら(面積的な意味で）ゲーム続行不可能である。
実は《Shahrazad》が効果を発揮した直後にサブゲームを投了することで一応問題は解決する。…でも、それも原因の解決にはなりませんよね？そのためか1999年10月から2007年9月までヴィンテージ、レガシーで使用可能であった。
そもそもShahrazadってなに？外人？歌？
シェヘラザードはアラビアンナイト（千夜一夜物語）におけるストーリーテラー。妻の不貞を見て人間不信となった王様は、不信のあまりに国中の若い女性と夜を過ごしては毎晩一人ずつその女性を殺していた。そんな行為を止めさせるために王様の元へ嫁いだのがシェヘラザードである。
シェヘラザードは毎晩、王様に色々な物語を語った。王様は彼女が語る物語を聞き入っていたのだが、話のいいところで「今日はここまで」と切り上げるので、続きが気になりシェヘラザードを殺せなかった。その夜の「物語り」は1001日の間も続き、いよいよ王様は改心し、女性を殺すのを止めたのであった。
…が、MTGでのShahrazadは1001の世界が集合する次元「ラバイア(Rabiah)」の住人である。たぶん。 細かな設定については存在しない。なので、恐らく上記のシェヘラザードとは無関係である。たぶん。
そういうことだから察しろ。おねがいします。
関連項目
脚注
- *サイドボードを含む
- *現在は微妙にルールが違い、ライブラリーから無作為に1枚取り除く。このルール残ってるのかよ。
- *この2枚、実は効果対象の条件が違う。《Chaos orb》は【触れたものを破壊】、《Falling Star》は【これが上に乗ったクリーチャー】に3ダメージ＋タップ。《Chaos Orb》は破壊したいカードに当てさえすれば乗っける必要はない。
- *ちなみに、昔は《Chaos Orb》は裏表方向に1回、《Falling Star》は水平方向に1回転、という条件の違いもあった。今は裏表方向1回転で統一されている。
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