あんなのよけられない方が悪いんじゃんとは、漫画『MAJOR』の110話(単行本13巻)の川瀬涼子の台詞。
野球のリトルチーム三船ドルフィンズに所属する主人公:本田吾郎[1]は夏の合宿で出会った横浜リトルの女子ピッチャー川瀬涼子に惹かれており最終日には電話番号まで貰ってみんなでバッティングセンターに行くデートの約束もする。(代わりに清水の機嫌は悪くなった)
――1ヶ月後
時は過ぎて、秋のリトルの大会を勝ち進んだ吾郎のチーム三船ドルフィンズは3回戦、遂に横浜リトルに挑む事となり、激戦の末試合は延長線に突入し遂に川瀬涼子がマウンドに上がってくる。
ドルフィンズの面々は吾郎に「デートはどうなったんだよ(笑)」と茶化しにかかるが、当の本人は冷めた様子でその日の出来事を語り始める。
試合1ヶ月前のその日そもそもトシ君(佐藤寿也)もいたのでデートでは無かったがバッティングセンターでいい当たりを連発して涼子に褒められるなど吾郎は上機嫌だった。
その帰り道にファストフード店での談笑中、それぞれが野球をはじめたルーツについて語り合う事になる。
吾郎は自分の父がプロ野球選手だった事を語ったが、マウンドの事故で命を落としている為、言いづらい事と雰囲気が重くなる事を避け具体的に選手名などはそれ以上語らず、少々強引に涼子に話を返した。
語られる涼子のルーツは去年まで日本でもプレーしていたメジャーリーガー:ジョー・ギブソン。
涼子は幼い頃はアメリカに住んでおり、日本に来る前からのファンで投球フォームも真似る程に尊敬しており、ギブソン側に肩入れするのは自然な事であった。
「日本で誰かにデッドボールぶつけて相手を死なせちゃったって聞いたときは、同情したなァ。」
ギブソンはデッドボールの事故により、その贖罪として日本での1年でアメリカに帰る(というか試合後には即帰る気だった)所を3年に延長。その影響で副次的とはいえ妻と離婚・その妻と娘を事故で失う・結果息子と関係悪化と不幸に見舞われている。
そして、その頃アメリカにいた涼子にとってメジャーで彼の姿を見れないのは不満だったのだろう。その口から少々嫌味な言葉が飛び出してしまった。
「だって、あんなのよけられない方が悪いんじゃんって思って―――」
それを聞いた吾郎は「…悪いけどオレ帰るわ。」と突然帰ってしまう。困惑する涼子にトシ君はギブソンがデッドボールを当てて帰らぬ人となった選手こそ本田吾郎の父親:本田茂治であることを説明する。
瞬時に吾郎にとっては自分が言った言葉以上に無神経な発言だったと理解した涼子は店を出ていった吾郎を追いかけた。
吾郎はその後涼子が泣いて謝ってくれた事、(死んだ選手の息子だと)知らずに言ったので悪気は無かった事、根に持っているわけではないと語り、実際涼子の良いピッチングを「さすがギブソンを尊敬してるだけのことはあらァ!」と純粋にライバルとして認めている。
(加えて、吾郎はギブソンを特に恨みに思っている訳ではないというのも関係している。吾郎の死球に対する基本的なスタンスは後述する。)
しかし「そのこと以来、なんか急にどうでもよくなったっていうか……」と少年の淡い恋心は完全に冷めてしまう事となった。
小学生の発言で本人に悪気は無いが、それが逆に印象に残るのか『MAJOR』の中でもトップクラスに酷い発言として有名。
ネット上では実際に避けられない方が悪い場面や後述の様に死球に対する議論の中で使われる。
この回は原作で言うと96話/11巻で試合中の回想ではなく時系列順。時間も試合1ヶ月前ではなく1週間ほど前になっている。
Aパートではメイン以外のメンバーのドラマが盛られており、この場面が描かれるBパートでも色々描写が追加されている。
具体的には
つづく25話で原作の回想のタイミングではファストフード店の「相手が男の子だって絶対に負けない!」と闘志を見せる台詞だけがクローズアップされており、その後の台詞も「どうでもよくなった」ではなく「どうやって打ち崩すか、今はそれしか考えてねーよ…」と吾郎の中では恋する相手からはっきりとライバルにかわった事がわかる台詞になっている。
原作での涼子はリトル編以後本編での出番は無いがアニメではちょくちょくその後が描かれている。第3シリーズ16話では大学野球チームに入っておりぎぬまっち八木沼隼人とも戦っていた。
また、吾郎が香取の高速スライダーに対応する練習の助っ人として吾郎の前に登場。一度は惚れていた思い出がある上、周りから評される程の美人に育っていたために若干ドギマギしていたが、バットを握ればその感情は吹き飛んでいた。
やはり特に恨んだりはしていない。
幼少期のこともあって吾郎は基本的に報復死球は絶対にせず、ホーネッツのチームメイトキーンからは「吾郎の最大の報復はバッターを三振に取る事」ととらえられている。
63話/8巻(第1シリーズ14話)吾郎は夏の合宿中の横浜リトルとの連取試合中、送球で頭に当ててしまいまともなピッチングが出来なくなった時樫本監督から自分のリトル時代の話を聞く事になる。
死球で怪我をさせてしまったライバル選手から「デッドボールは当たっちゃう方が悪い」「プロは一流選手でも上手によける」と聞かされていた。
そして、その彼がもしここにいたらきっとこう言うだろうと言う「人間がやる以上間違いはあるさ。一流のメジャーリーガーだって間違えるんだ。ただそれをよけられなかったおとさんがヘタクソだったんだ――だから。がんばれよ吾郎ってな…」
そのライバルとはリトル時代の父:本田茂治であった。それに続く言葉に励まされた吾郎はまたピッチングができるようになった。
また、401話/44巻(第3シリーズ22話)、高校の海道戦で阿久津に対する死球(変化球の試し撃ち)を「ちっ、よけろやヘタクソ。」と言っているので吾郎もわざとでなければ基本的に「避けられない方が悪い」というスタンスなのだろう。
しかし、521話/56巻ではオールジャパンとの練習試合でトシに顔面付近のブラッシュボールを要求された時は断っている。
メジャーのブラックソックス戦で吾郎が野球人生で初めて頭に死球を当ててしまった時はイップスに陥ってる事もありメンタルが崩壊してしまい、試合後相手のチャペスに必要以上に謝った結果逆に怒られてしまった。しかし同時に彼から気にするなと次の登板に対する激励を貰っている。
飲料水のCMに出演する際、制作会社側が出してきた「ボールを当てて敵キャラのバッターを倒す」というプロットには激怒し吾郎じゃなくても激怒すると思うあわや撮影を放棄する所だった。
62話/8巻(アニメ第1シリーズ14話)で樫本監督から「デッドボールで死ぬようなマヌケなやつは、おまえの親父だけさ!」と荒治療の為わざと煽られた時は激昂して手に持っていたボールを樫本監督の顔に投げつけてしまっている。
また454話/49巻(第4シリーズ6話)ではギブソンの息子であるギブソンjrから「死んだバカ親父」「頭にデッドボール食らって死ぬようなマヌケな選手」と面と向かって煽られた(先に煽ったのは吾郎だが)時には「ぶっ殺す!!」「俺のことはともかく…おとさんをバカにするやつは許せねェ!」と殴りかかりってしまった。
その後、試合を通じてライバルとして認め合ったことで互いに軟化。既に吾郎のギブソンjrに対する嫌悪感は収まっていたが「逆恨みで中傷して済まなかった」と謝罪受け和解した。ギブソンjrは墓参りにも数年後の新婚旅行の時に行っている。
「ま、待って!」「待って吾郎君!!」「あんなの避けられない方が悪いんじゃん!!」
と言い訳がましく左記の台詞を追い打ち気味に繰り返す吹き出しが追加されている物があるがコラ画像であり、本来このスペースには何も無い。
死球は現実でも死亡事故や怪我は起きているのでやはり危険であり、当たった選手は塁に進めたり、当てた側が危険球退場という事もあるので、ルール上も投げる側が悪いという部分が強いだろう。
日本プロ野球では死球をした場合帽子を取って謝る事が多いが、世界やMLBでは事故という見方が強く謝らないのが一般的。(マウンド外では謝る事もあるようだ)
2013年、(当時)楽天:美馬学が「(死球は)避けようとすれば避けれる」という発言で炎上している。
「ま、待って!」「こんなPVがあるんだからいくら名作野球漫画が原作でも買う方が悪いんじゃん!!」
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/03(日) 16:00
最終更新:2024/11/03(日) 16:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。