アントン・フェルナーとは、小説・OVA「銀河英雄伝説」の登場人物である。
Cv.堀内賢雄(石黒監督版OVA)、千葉一伸(Die Neue These)。
前半生の経歴は不明。原作と石黒監督版OVAでは初登場時期が少々異なるが、、いずれにせよ本編登場時点はゴールデンバウム朝銀河帝国の門閥貴族であるオットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵に仕えている。
石黒監督版OVAでは帝国暦487年、ブラウンシュヴァイク公の専横とフリードリヒ4世の頽廃ぶりを憎んだクロプシュトック侯がブラウンシュヴァイク公の館にて爆弾テロを起こす事件(クロプシュトック事件)が起きる。両名とも大事はなかったが、激昂したブラウンシュヴァイク公は自ら討伐軍を編成しクロプシュトック侯の領地へと侵攻する。その際、彼の邸宅を包囲した陸戦隊の指揮官がアントン・フェルナー大佐であった。現場に駆け付けたブラウンシュヴァイク公は邸宅への砲撃を命じるが、邸宅の前面にルドルフ大帝の立像があったためこの命令をやんわりと拒絶。結果的にクロプシュトック侯が自決する時間を与えている。
原作での初登場は帝国暦488年。ラインハルトとクラウス・フォン・リヒテンラーデに擁立されたエルウィン・ヨーゼフ2世の即位に不満を覚えたブラウンシュヴァイク公は、同様に彼らに不満を持つ貴族らとリップシュタットの盟約と呼ばれる同盟を結成。両者は一触即発の状況となる。内戦による国力の疲弊と臣民の苦悩を憂慮したフェルナーは、シュトライト准将とともにラインハルト暗殺を提言。しかし、臣民など眼中にはなく自身が正面対決で負けるハズがないと考えていたブラウンシュヴァイク公はこれを却下。それでも、暗殺による時局収拾を諦めきれないフェルナーは単独での暗殺を決意し、少数部隊でラインハルトの元帥府を襲撃する。だが、計画はラインハルトらには見破られており、待ち伏せを受けて退却。一連の騒動によりブラウンシュヴァイク公ら門閥貴族は首都オーディンを脱出せざるを得なくなり、結果的に全面内戦への突入を早めることになった。
一方、観念したと言うよりラインハルトの知略に感服したフェルナーはその夜のうちに単身で彼の元へ出頭。その胆力と忠誠心観にラインハルトも感心し、パウル・フォン・オーベルシュタインの部下になるように命じられる。
石黒監督版OVAでは、門閥貴族に近かった経歴が買われたものか、戦役中はリップシュタット連合軍の内部分裂を煽る工作に従事。オフレッサー上級大将の処刑や、部下のヤーコプ・ハウプトマンを通じた離間工作で大きな役割を果たす。特に後者はブラウンシュヴァイク公にとって最良の副官であり忠臣であったアンスバッハを密告により失脚させ、多くの民心を貴族連合から離反させたヴェスターラントの虐殺を招来。さらに、ガイエスブルク要塞内の主砲制御室で反乱事件を起こさせ要塞の無力化に成功するなど、戦局への影響は非常に大きかった。
戦役後もオーベルシュタインの下で副官として任務に邁進。新王朝成立後には軍務尚書となったオーベルシュタインの官房長(兼軍務省調査局長)を務めた。ロイエンタールの反乱事件後に旧同盟領にオーベルシュタインが赴いた際も随行したが、ラグプール刑務所の暴動事件の際に負傷し入院。それ以降は本編で登場することはなくなった。
大変な自信家であり、ふてぶてしいまでの胆力は作品の中でも随一である 。暗殺を図り失敗すると、その日のうちに部下として自分を使うよう売り込むと言う大胆不敵さはラインハルトでさえ口をあけて唖然とさせている。しかし、忠誠心とは宝石であって価値の分かる人間に使われてこそ輝くと言う説明は大きく感心させたようであり、苦笑しつつもその陣営への参加を許している。この説明はのちにコンラート・リンザーがキルヒアイスに語るように、リップシュタット戦役の意義そのものであった。
また、戦争による不必要な人命の損失を嫌って陰謀で対処しようとした点は、のちに上司となるオーベルシュタインと通じる点もある。ラインハルトが期待したように部下を萎縮させがちだったオーベルシュタインの元でもその堂々とした態度は健在であり、よくその心情を察し、作中では読者に代弁する役割を度々演じている。オーベルシュタインが積極的に自らの(と言っても、ミッターマイヤーがロイエンタール討伐の任を受託した心情を解説したものだが)考えを述べるシーンもあり、信頼関係では他の部下とは比較にならないものだったようだ。艦隊戦が主流の本作ではやや地味な役職であり、荒事にも数えるほどしか登場していないがその存在感は大きいと言える。
なお、原作における登場時期や役割と主人公側についた経緯、態度から同盟のバグダッシュと比較されることが多い。
原作の初期版では6巻で少将、7巻で准将、8巻で少将、10巻で准将と奇妙な変遷をたどっている。銀河英雄伝説における作者のミスの代表格でファンの間でも有名なもの。ただし、某有名ファンサイトでは冗談交じりに「オーベルシュタインの意地悪」と解説している。なお、以降の版では准将で統一されている。
掲示板
36 ななしのよっしん
2021/10/01(金) 00:26:26 ID: gHgztCljk5
というか、最終職責「官房長」「調査局長」って少なく言って中将以上の階級だと思うんですけどね
PS 官房長:尚書の庶務を管轄する官房の長、尚書・次官に次ぐナンバー3
調査局長;情報を統括する部署の長 局長級なのでどう見ても上位
37 ななしのよっしん
2022/01/21(金) 21:20:40 ID: R0AfRF63ai
38 ななしのよっしん
2022/04/09(土) 20:46:13 ID: jZvJDaXgl4
ローエングラム朝の面々だと大将でさえ
実力上は上級大将から3枚くらい落ちる奴まで居る印象だし
上級大将や大将がいつまでも全線で別個に艦隊指揮してる所為で
そつなく仕事してるバイエルラインなんかも中将でずっと分艦隊指揮してたり
終盤の帝国の中将以下の人事はかなり雑なのではなかろうか…
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最終更新:2025/01/08(水) 11:00
最終更新:2025/01/08(水) 11:00
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