ウポポイとは、北海道白老郡白老町にあるアイヌ文化の発信、顕彰及び発展を目的とした文化施設である。
当初は2020年(令和2年)4月24日に開業予定であったが、新型コロナウイルス流行を受け開業が5月29日に延期。その後、再延期して7月12日に開業した。
正式な施設名は「民族共生象徴空間」。アイヌ文化の継承を目的としており、アイヌ文化の展示やアイヌ文化の体験などに触れることで、先住民の文化を尊重する社会を築くきっかけになるとしている。
「ウポポイ」の由来はアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味する[1]。愛称については3つの候補の中から一般の投票で選ばれ、白老町の全小中高生の約1500人も参加した。[2]
施設はポロト湖のほとりに位置する。ポロト湖のほとりにはもともと「ポロトコタン・アイヌ民族博物館」という、アイヌ文化の展示や白老町の自然に触れることが出来る施設が存在していたが、ウポポイにその役割を引き継ぐ形で2018年4月1日に閉館している。
施設は国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園からなっている。
日本初のアイヌ文化に関する国立博物館。アイヌ民族に関する様々な展示がされる。
アイヌ文化に関する講演会やシンポジウムで使用されることを想定している。
アイヌ工芸品や関連書籍の販売。
国立民族共生公園は下記からなる。
体験型のアイヌ文化の展示や、北海道の自然を活かした憩いの場として活用される。
このウポポイについては当初から知名度の向上が課題になっていた。
道では道内および全国にてイベントを行い必死にPRを行っているが、2019年11月に行われた調査では、ウポポイを「知っている」と回答したのは、道外では1割にも満たず、道内においても5割程度にとどまっている。[3]
また札幌市で開催された第71回さっぽろ雪まつり大通会場でも、大雪像の展示、プロジェクションマッピングの上映、イベントの開催など、PRを行っている。[4][5]
前述のとおり、道では様々な取り組みを行ってもなかなか知名度が上がらなかったが、その後意図しない形でインターネット上で話題となる。それが道内で新型コロナウイルスの新たな感染者が確認されたことを受け、2020年2月21日に北海道が行った記者会見である。
この記者会見では鈴木直道知事が詳細を発表しているが、知事の背後に「ウポポイ」のパネルが映っていた。X(旧Twitter)にその模様が画像として引用・投稿されると、「ウポポイ」という不思議な響きからか、ネット上では多くのユーザーがこれに反応した。記者会見はウポポイのPRを目的としたものではなかったが、このようにして意外な形で注目されることとなった。
公共交通機関を使用する場合、JR北海道白老駅から徒歩約10分[6]。白老駅の出入口は線路の南側にあるのに対し、ウポポイは線路の北側にあるため、ウポポイ開業に合わせて駅北側に通じる跨線橋と臨時改札口が整備される。
なお、白老駅には2020年3月14日より副駅名「ウポポイ 民族共生象徴空間前」が設定される。また、それまで停車していた特急「すずらん」に加え、同日のダイヤ改正より新たに特急「北斗」も停車する。両列車の白老駅到着前にはアイヌ語のアナウンスが追加される。
また同地区でバスを運行する道南バスも、ウポポイ開業に合わせて同所を経由する高速バスの設定を予定しており(公式リリース)、札幌市・新千歳空港・登別温泉からアクセスが可能となる。ただし2020年7月12日の開業の時点では、新型コロナウイルス流行の影響で当初予定の全便は運行していないので、道南バス公式サイトを確認されたい。
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最終更新:2024/11/09(土) 09:00
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