コモドール64(Commodore 64)とは、アメリカ・コモドール社が1982年に発売した8ビット・コンピュータである。
1982年に595ドルで発売。コモドール社がそれまで発売していたVIC-20と比べて、RAMを5KB→64KBと大幅増量した。「コモドール64」の「64」はこのRAM容量からきている。当時コモドールに買収されていたモステクノロジーが開発した高性能チップ群を筆頭に、殆どの部品を自社製造することで性能の割に値段を下げることに成功した。
CPUはファミコンのCPUコアとしても有名な6502のカスタム品であるMOS6510、SID Chipといわれる音源チップ MOS 6581を内蔵。さらにスプライト機能も備えている上、テレビに直接繋げられたためゲーム機としても人気を博した。後に登場したファミコン(北米ではNES)の作品がコモドール64に移植されることも多かった。また、多くのアーケードゲーム、特に日本ではファミコンに移植されなかった作品がコモドール64に移植される事例すらあった。「R-TYPE」「ニンジャウォーリアーズ」「ターボアウトラン」などが有名。
その高性能と幅広い販路をバックに86年までは市場シェア30~40%近くを占めていた。1993年の生産終了までに1250~1700万台を売り上げたといい、「単一機種で世界一売れたパソコン」とされる。
お膝元の北米はもちろん西ヨーロッパでも売れに売れ、熱心なプログラマー(ハッカー)たちの手でそのスペックを限界まで、あるいは限界を超えて引き出し表現を競い合う「デモシーン(メガデモ)」の下地が生まれた。デモシーンで活躍したハッカーたちが後にゲーム会社を設立した例も多い。
SID Chipは3チャンネル+ノイズ1音のスペックではあったが、他の音源にないフィルター・変調などの機能を備えており、和音不足を補う高速アルペジオなどの技術と共に、コモドール64を象徴する個性的で重厚なサウンドをもたらした。後期にはSID Chipの仕様を裏技的に応用し、サンプリング音源の再生をやってのけた例もある。(関連動画のターボアウトランで使用されている)
いまでもSID Chip用の楽曲を制作できるツールがPCやiOSなどに存在するほか、SID Chipを取り出し、単独でMIDI音源にした例も存在する。
現代のメタバース(代表サービスはSecondLife、VRChat)の祖と言われるCGを活用したパソコン通信チャットサービス「Habitat(1986年より2年間テスト、ルーカスフィルムゲームズ社→ルーカスアーツ社)」のクライアント端末はコモドール64が使われた。のちに富士通が権利を購入し、1990年富士通Habtatシリーズとして日本、韓国、米国にてサービスをした。日本版は2010年サービス終了。
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最終更新:2024/11/22(金) 00:00
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