もうひとつの道
己の不甲斐なさに
ひざを折っても
いつか立ち上がれ。あの日の喜びが
遠く思えたなら
周囲に目をこらせ。
ヴァーミリアン(Vermilion)とは、2002年生まれの日本の競走馬・種牡馬である。黒鹿毛の牡馬。
エルコンドルパサーが残した3世代のなかで最大の大物で、当時の日本記録となるGⅠ(級)9勝を挙げた。 シンボリルドルフらを超える記録である。
馬名の由来は、母スカーレットレディからの連想で朱色(Vermilion)。
主な勝ち鞍
2004年:ラジオたんぱ杯2歳S(GⅢ)
2005年:浦和記念(GⅡ)
2006年:ダイオライト記念(GⅡ)、名古屋グランプリ(GⅡ)
2007年:川崎記念(JpnⅠ)、JBCクラシック(JpnⅠ)、ジャパンカップダート(GⅠ)、東京大賞典(JpnⅠ)
2008年:フェブラリーS(GⅠ)、JBCクラシック(JpnⅠ)
2009年:帝王賞(JpnⅠ)、JBCクラシック(JpnⅠ)
2010年:川崎記念(JpnⅠ)
父は夭折してしまった天才エルコンドルパサー、母は社台の基幹牝馬の一頭スカーレットインクに連なるスカーレットレディ、母父*サンデーサイレンスという血統。
半兄がダートで活躍したサカラート、近親に1歳上の皐月賞馬ダイワメジャーがいる(なのでもちろん2歳下のダイワスカーレットも近親)。そのため、デビュー前からかなりの期待を受けていた。
2歳の10月、デビュー戦で上がり33.8の末脚を繰り出し圧勝。続くオープン2戦を取りこぼすが、アドマイヤジャパン・ローゼンクロイツらサンデー産駒の有力馬の揃ったラジオたんぱ杯2歳ステークスで
上がり33.6の末脚を繰り出し快勝。キレッキレの末脚である。こうしてクラシック候補となった。
3歳の春、スプリングステークスから始動。この年のクラシックにはディープインパクトという巨大な星がいたが、彼なら対抗できる!と思えなくもなかったが……14着に敗れる。
いやいやいや、こんなもんじゃないよと皐月賞に向かうが、ディープはスタートでズッコケながら圧勝したのに普通に出たこっちは12着惨敗。あれ?
一旦立てなおそうとトライアルの京都新聞杯に向かったがインティライミの12着、ダービー断念となった。あいやー… …
秋も菊花賞トライアルの神戸新聞杯で惨敗。ここで陣営は芝を諦め、兄が活躍していたダートへ向かう。あんまりな惨敗続きで精神的に折れていた疑惑があったが僅差差し切り勝利。精神面は大丈夫だったようだ。
その後重賞を1着2着しフェブラリーステークスに向かうが、当時無双状態だったカネヒキリに完敗の5着に敗れた。次走の東海ステークスでは1番人気を背負うがレース中に心房細動を発症し最下位。長期休養となってしまう。
復帰後はジャパンカップダートを4着と上々の滑り出しを見せ、名古屋グランプリと川崎記念を連勝。川崎記念では南関東総大将アジュディミツオーを撃破してのGⅠ(級)初勝利となった。
これに自信をつけ、ドバイワールドカップ遠征に出るがインヴァソールに完敗の4着に終わり、遠征の疲れを癒すため春は全休となった。
しかし、秋のJBCクラシック@大井で復帰した彼は強かった。JBCを圧勝すると、ジャパンカップダートでは改装府中のレコードを更新して勝利、暮れの東京大賞典も圧勝で飾る。これで同一年度秋の中距離ダートGⅠ(級)三戦、JBC・JCD・東京大賞典完全勝利達成となった。史上初の達成である。
翌年は前年と同じく川崎記念からドバイの予定だったが、川崎記念直前に熱発し回避となった。今思えばこれが転落の前兆だったのかも知れない。
一度立て直し壮行レースをフェブラリーステークスに変更したがここは圧勝。そしてドバイ遠征、ファンは前年以上を期待したがカーリンのはるか後方で何も出来ず12着に敗れ去った。
やっぱり川崎記念取消後、一回立て直しかけてのフェブラリーステークス出走が仇になったのだろう。道中ですでにやる気を失っていたようだった。
そして例によって秋まで休養しJBCクラシック@園田で復帰、ここは勝つが阪神に移ったジャパンカップダートでは帰ってきたカネヒキリに敗れ3着、東京大賞典でも再びカネヒキリに敗れ2着に終わる。ここまでに築いた絶対王者との評価が、カネヒキリに負け続けることで崩れていった。空き巣の王者扱いすらされる始末であった。
このままでは終われない。そんな決意の中現役を続行するがフェブラリーステークスでは6着に完敗。
しかし帝王賞は巻き返して勝利。GⅠ(級)7勝目を挙げ、日本記録タイとする。そして更新をかけて挑んだJBCクラシック@名古屋では砂が厚く不利とされた最内を回りゴール前で少しだけ抜け出すという巧みな競馬で勝利。見事新記録を達成した。
ついでにJBCクラシック三連覇も達成した。アドマイヤドン以来で、同一GⅠ(級)三連覇も平地では南部杯のブルーコンコルド、東京大賞典のオメガパフュームと合わせて現在4頭しか達成していない記録である。
しかしジャパンカップダートでは惨敗。引退すら囁かれたが東京大賞典ではまだ格好の付いた2着となり、現役続行。引退させてやれよ……と思ったファンも少なくなかっただろう。
8歳も例によって川崎記念から始動し、なんとレコード勝ち。限界説を払拭したかに見えたが5ヶ月後の帝王賞では9着に惨敗。やっぱり限界だったようで、帝王賞後ジャパンカップダートまで復帰できず、復帰したジャパンカップダートは追走すらままならず3角あたりから後退し14着。ついに引退となった。
通算成績34戦15勝。GⅠ(級)9勝・ダート馬としての獲得賞金1位(11億3285万円)・2歳から8歳まで7年連続重賞勝利・同一GⅠ(級)三連覇とタイも含めて4つの日本記録を樹立している(2023年現在、7年連続重賞勝利はオジュウチョウサンと並びタイ。他3つは更新された)。[1]
確かに強い馬だったろうが、カネヒキリには全敗など、絶対的に強い感じはあまりないかも知れない。
引退後は種牡馬として社台スタリオンステーションで暮らす。2011年は216頭に種付けするなど、エルコンドルパサーの後継馬として期待されていた。
牝馬の質は……種付け料50万円からお察しください。でもソングオブウインドよりは恵まれていた。そんな中から勝ち上がる産駒は少なく、2017年に種牡馬を引退し、ノーザンホースパークで乗馬として余生を送る。
現状、父系の継承は2018年・19年のオーバルスプリントを連覇し2021年に種牡馬入りしたノブワイルドに全てがかかっている。あとは2021年に入って短距離の交流を賑わせるようになったリュウノユキナがどこまで伸びるか、というところか。
*エルコンドルパサー 1995 黒鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
*サドラーズギャル 1989 鹿毛 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | |
Fairy Bridge | |||
Glenveagh | Seattle Slew | ||
Lisadell | |||
スカーレットレディ 1995 黒鹿毛 FNo.4-d |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
スカーレットローズ 1987 栗毛 |
*ノーザンテースト | Northern Dancer | |
Lady Vistoria | |||
*スカーレットインク | Crimson Satan | ||
Consentida |
掲示板
11 ななしのよっしん
2023/01/24(火) 00:42:03 ID: JpTHq7KwC7
なお、別な牧場に住む母馬はかつてヴァーミリアンがラジオたんぱ杯2歳Sで撃破した同級生(去勢済みで遺伝子的には母の異母弟)によく絡まれている模様。
12 ななしのよっしん
2023/01/24(火) 00:48:02 ID: LtByrrnC/z
>>10
実際この時のダートはクロフネ→ヤドン→カネヒキリとスターホースが続々出てたからね
13 ななしのよっしん
2023/04/20(木) 05:54:58 ID: Xura9WmOZA
リュウノユキナ8歳になってもしぶとく現役続けてまた重賞勝ったし
今年こそ目標にしてるJBCスプリント取って、細々でもいいから種牡馬入りして産駒残してほしいな
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最終更新:2023/10/03(火) 01:00
最終更新:2023/10/03(火) 01:00
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