ヒュンダイとは (ヒュンダイとは) [単語記事]

現代自動車株式会社（Hyundai Motors Company）とは、韓国の自動車会社である。

概要

ヒュンダイ（現代、현대）は韓国で最大の自動車会社。キア（起亜）を傘下に持ち、「現代-起亜グループ」を構成している。
安い車を提供することが特徴（現在の韓国車については、ヒュンダイに限ったことではないが）。

主な販売車種に『ヒュンダイ・アクセント』等。TopGearでは『アクシデント』とよく馬鹿にされる。

社名及びブランド名は「Hyundai」（ヒュンダイ）だが、韓国では「현대」の表記どおり「ヒョンデ」（Hy eo ndae）と発音するのが正しい。
英語では「ホュンダイ」という感じの発音になり、「ホンダ」と聞き間違えそうになるのは多分偶然。併せてヒュンダイのエンブレムもホンダが斜めになっているような感じだがこれも多分偶然。

人気・規模

同業大手の起亜と合わせて韓国内でのシェアの約8割を占めており、「韓国車」とは実質現代車か起亜車であるといっても過言ではない。双龍？何それ。

1960～70年代はヨーロッパフォードの「コルチナ」のライセンス生産を行っていたが、70年代に三菱自動車と技術提携を結び、韓国初の国産乗用車「ポニー」を発表。但しデザインはジウジアーロ、メカニズムは三菱の初代ランサーそのまんまであり、純粋な国産車とはいえなかった。但しその安さは大きな武器であり、新興国に売り込んで結構なシェアを稼いでいた。

今後・問題

全世界の販売台数では、既にホンダや日産を抜いて全メーカー中5位・アジア 2位に登り詰めており、更なる躍進が期待されている（売上高で言えば日産の3分の1以下なのだが、それはSUZUKIとかも同じ）。
これはSUZUKIなどと同じく、廉価な車を新興国に売り込んだ結果である。
販売台数の多さに対して売上高が妙に低いのもそのためである（それを補うための自国民搾取については後述）。

今後は中印を中心とした新興国で、労働力の安さを武器に廉価な車がどんどん生産されていくこと（例：タタモーターズ）が確実視されているため、現在の戦略が通用するかどうかかなり怪しい。というかヤバくなることは確実である。
SUZUKIやフォルクスワーゲンのように敢えてその中を同じく廉価な車で戦うのか、既に飽和状態の高級車市場へ再びシフトするのか、どの道厳しい状態。
現代が現在、高級車ブランドの確立に必死なのはそのためである。いかにも2つ選択肢があるように書いたが、実際、現代のみならず最早先進国の大手自動車メーカー（日本含む）は、SUZUKIなどのような一部を除いて遅かれ早かれ高級車中心の販売戦略に追い込まれることが確実視されており、現代もご多聞に漏れずその波にもまれている状態なのだ。

ちなみに海外で薄利多売をしている裏で、本国である韓国では現代-起亜グループだけで75%以上のシェアを独占しているのをいいことに、海外で販売するよりもに高い価格で車を売りつけるという、いわば自国民からの搾取を行っていると批判される。一例を挙げると、主力車種の「ソナタ」がアメリカで（日本円換算で）200万円程度の価格なのに対して、韓国では300万円。つまり、自国における独占的なシェアを利用して国内市場で獲得した利益を活用し、海外で薄利多売することでシェアを獲得しているのだ。
この売り方に対して韓国内では批判が強く、現代車を海外から輸入するという本末転倒な買い方に臨んだ者もいる。

ストライキ

韓国企業の中でも随一労働組合の力が強く、毎年のようにストライキが起こることで有名。

この労組さえいなければ、今よりかなり大規模な企業に成長していたかもしれない。現代自動車にとって労組との衝突はそれほど大きな悩みの種であり、成長を阻害する最大の原因とも言われる。

特に、2006年には韓国内でのシェアトップをGM 傘下の大宇自動車に一時奪われた上、2007年にはそれまで3位だった中国市場でのシェアが6位に転落している（2009年では7位）。これらは全て、ストライキによる麻痺による影響であり、成長を続けているとはいえ、もはや致命的なダメージを生みかねないレベルになっている。

実は、日本の自動車企業にも似たようなケースがある。日産である。
日産も、80年代までは（労組との衝突ではなく、経営側と労組の過剰な協力関係という、現代自動車とは正反対のケースだが）労組が成長を阻害するほどの邪魔者となっていたのだが、この場合は当時の社長が労組のトップを強引にクビにしたことで解決していた。が、現代の場合、サムスンなどと同じく同族経営意識が強すぎるため、このような強引な人事を行うことがかなり困難であるため、解決にはかなり苦労することになると思われる。

日本での展開

日本市場にも2001年に、「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」などと上から目線で殴り込みをかけ、CMにペ・ヨンジュンを起用したり「とりかえっこキャンペーン」や「10年10万km保証」などをやっていたが、日本のユーザーには全く相手にされず販売台数は常に低迷していた。そしてついに2009年度をもって日本の乗用車市場からは完全に撤退した（但し大型観光バス「ユニバース」の販売のみは継続している）。

2022年には日本の乗用車市場に再参入を画策しているらしい。規模が大きいとは言え明らかに先細りであり、その上それにも関わらず強豪メーカーがひしめいている日本市場に、必死こいて割り込む必要があるのかどうかは疑問視されている。

反自民・親民主（というか小沢一郎ファンクラブ）で知られるタブロイド判夕刊紙、日刊ゲンダイも親しみをこめてヒュンダイと呼ばれることがある。
しかし本紙は、本来は韓国・韓国人に対してはもっと批判的。
一方でNHKでは「ヒョンデ」と記載している。ニュースで特定の企業を上げる場合は社名を出すのが一般的であるが、日本法人の名称は「ヒュンダイモータジャパン」で、ヒョンデと出すのは正しくはない。ただし、2022年に日本法人の名称をヒョンデモビリティジャパンに変更している。