十二国記とは、小野不由美の異世界ファンタジー小説。またNHKで放映されたアニメ。
講談社X文庫ホワイトハート・講談社文庫・新潮文庫から刊行中。
麒麟に選ばれた王が治める十二の国が存在する、古代中国風の異世界を舞台にした大河ファンタジー。2019年現在、外伝と短篇集を含めて10作品が発表されている。
現代の日本から十二国の世界に連れてこられた女子高生・中嶋陽子(景王陽子)が一応中心人物的な立場にいるが、基本的にはシリーズ共通の主人公は存在せず、十二国それぞれの王と麒麟を中心とした一話完結の物語が繋がっていく形式を取っている。
緻密に突き詰められた世界観と、少女小説レーベルの作品とは思えないほど重いテーマを投げかける物語で、少女小説やライトノベルという枠を超えて非常に高い人気を誇る。そのため『華胥の幽夢』はイラストのない講談社文庫版が先行発売されたりもした。とはいえX文庫版からイラストを手掛ける山田章博の美麗なイラストも本作の大きな魅力のひとつであり、新潮文庫版ではイラストが復活している。
元々はシリーズというわけではなく世界観の共通する単発作品という扱いだったが、ファンの間で「十二国」シリーズと呼ばれるようになり、のちに「十二国記」というシリーズタイトルが追加されたという経緯がある。また当初本編とは別枠で新潮文庫から出ていた『魔性の子』はシリーズの外伝だが、刊行はシリーズ第1作より早い。こちらは現実世界から十二国の世界を見る伝奇ホラーであり、先に十二国記を読んでいるか否かで全く印象の変わる作品となっている。本編が新潮文庫に移籍した際に第0作として正式にシリーズに組み込まれている。
2002年にNHK-BS2にてアニメ化。『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』『風の万里 黎明の空』『東の海神 西の滄海』がアニメ化され、全45話で一旦終了。原作の展開が進み次第続編制作の予定があるが、何しろ原作の出るペースがペースなので、アニメの続編も放映の目処は立っていない。
2003年2月21日にビクターエンタテイメントより発売された。3つで1つ。
2009年9月26日より順次発売されたBDBOXの特典。各種BOXに1つずつ付いている。
2001年以降刊行が途絶え、その後は2008年と2009年に新潮社の雑誌「yom yom」にて久々の新作中編が1作ずつ掲載されるにとどまっていたが、2012年4月にシリーズの刊行元が講談社から新潮社に移籍されることが発表され、yomyom掲載の中編や、新作の刊行が告知された。また完全版として、7月以降既刊の新装版も順次刊行されることとなり、2013年に12年ぶりの新刊となる短編集『丕緒の鳥』が刊行された。
そして、新作の発表から6年経った2019年4月、ついに新作の刊行日が発表された。全4巻の大長編となっており、2019年10月12日に1・2巻、11月9日に3・4巻が発売される。また、8月にはタイトルが『白銀の墟 玄の月』(しろがねのおか くろのつき)であることが発表された。『黄昏の岸 曉の天』が刊行されたのが2001年なので、実に18年ぶりの長編となる。18年も長編の新作が出ないでいる間に人気が衰えるどころか、ファンは着々と増え続けていたようで、『白銀の墟 玄の月』1巻はなんと初版50万部。新潮文庫の初版部数記録を更新し、各地の書店で発売カウントダウンや深夜販売などのフィーバーが巻き起こった。
2019年の『白銀の墟 玄の月』1・2巻が発売された10月12日は、記録的な勢力を誇る台風19号が関東を直撃。作中では十二国の世界と現実世界が繋がるときに「蝕」と呼ばれる嵐が起こるため、SNSなどではファンがまさに「蝕」だと(ちゃんと発売日に買えるのかという問題も含めて)大盛り上がりとなった。
ちなみに、シリーズで最初に刊行された『魔性の子』が発売されたのは1991年9月25日。このとき何が起こっていたかというと、奇しくも後に「りんご台風」と呼ばれた平成3年台風19号が日本に迫っているところであった(上陸は27日)。
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最終更新:2025/04/30(水) 03:00
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