呉ソフトウェア工房

「呉ソフトウェア工房」とは、ゲームクリエイター「呉英二」が設立したコンピュータ・ソフトウェア開発・販売を行う企業である。

多数の敵味方がリアルタイムに入り乱れて戦うゴチャキャラシステムを採用した「ファーストクイーン」シリーズで知られる。

概要

東京理科大学理工学部物理学科を卒業して中学校や高校で教師をしていた石原彰生が、MZ-80Kを手に入れた事と、大学時代の後輩の縁でショートSFを連載していた「月刊マイコン」を読んでBASICやマシン語を理解した事がきっかけで、教師を辞職してゲーム開発者「呉英二（くれ えいじ）」となった。

フリーランスのゲーム開発者として、電波新聞社から発売された「ポンコツ船サバイバル」「ゴールドラッシュ」といったPC-8801用ゲームを開発、その他に森田和郎の「アルフォス」の影響をうけた「空間浮遊都市ゼノン」を手掛けた。その他、BPSから発売されたPC-88用ゲーム「超次元戦士エプシロン3」や、PC-88版をマシン語にコンバートして高速化したX-1版「ザ・ブラックオニキス」を手掛けた呉英二だったが、自宅で一人でゲーム開発を続けていても頭打ちになると思った事から、外部の協力を得ようと1985年に設立したのが有限会社「呉ソフトウェア工房」である。（1992年に株式会社に改組）

創業時の呉ソフトウェア工房には、同社のグラフィックを全般的に手掛ける福田英美や、同社でPC-8801mkIISR版「スペースハリアー」の移植を手掛け、PC-8801のゲーム開発本を呉英二と共著した石田和久、X1版「スペースハリアー」の移植を手掛けた込山健二ら、呉英二が教師時代に生徒だった者たちが集まっていた。石田と込山に至っては高校在学中に同社でアルバイトして前記の移植開発を行った。石田は高校卒業後、NECの半導体設計会社を経て本田技研に務め、独立後は自動車向けアプリ開発に携わった。込山は、高校卒業後SHARPに就職し、AQUOSの開発に携わった後、医療機器メーカーに務めた。

1986年に呉ソフトウェア工房としては1作目のゲーム「スーパーゼノン ガンマー5」が電波新聞社から発売されると共に、初の自社販売ソフトである3D視点のアクションRPG「アルゴー」を発売した。

1988年には、4月に同社の代名詞となるゴチャキャラシステムを採用したリアルタイムSLG「シルバーゴースト」を、12月にゴチャキャラシステムの代名詞的ゲームとなる「ファーストクイーン」を開発・発売した。

「シルバーゴースト」と「ファーストクイーン」は、AIで独自行動をとる大量の敵・味方が画面内で入り乱れる臨場感のある戦闘にキャラ1人1人の個性を感じる事が出来るゴチャキャラシステムと、RPGライクな探索・育成、戦記ものの様なストーリーが楽しめる内容がヒットし、

• 1989年に「DUEL」
• 1990年に「ファーストクイーンII 砂漠の女王」
• 1992年に「川中島異聞録」
• 1993年に「ファーストクイーンIII」

とゴチャキャラシステムを用いたタイトルを連続して発表。1994年にはゴチャキャラシステムの最高傑作「ファーストクイーンIV バルシア戦記」を発売した。

※パッケージイラストには天野喜孝や末弥純らを起用している。

その後は、1995年に「ダークセラフィム」、1996年に「デュエルサクセション」を開発・販売。2001年にはファーストクイーンをWindows環境で遊べるようリメイクした「ファーストクイーン1」を発売した。なお本作には漫画家の鬼頭莫宏がキャラクターデザインで参加している。

その後は、2004年に「だれでもテニス」、2005年に「ゴルフ始めました!」などのタイトルを開発・販売していったが、2007年以降は日本ファルコムのタイトルへの開発協力がメインとなっている。

※呉英二こと石原彰生は、2013年より日本ファルコムの外部監査役を務めている。

2019年には、業界最年長プログラマーを自負する呉英二が新たな技術・開発環境に挑んで初代ファーストクイーンをリメイクした「ファーストクイーン1NEXT」をリリースした。

関連動画

関連リンク

• 株式会社呉ソフトウェア工房
• 呉ソフトウェア工房オフィシャルホームページ
• X（旧twitter）/ファーストクイーン【公式】(@FirstQueen_JP)
• Wikipedia - 呉ソフトウェア工房
• PROJECT EGG｜呉ソフトウェア工房 配信ゲーム

関連項目

• ゲーム会社一覧
• シルバーゴースト
• ファーストクイーン
• 呉英二
• 福田英美
• 佐々木正樹
• 天野喜孝
• 末弥純
• 鬼頭莫宏
• 電波新聞社
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