宮崎カーフェリーとは、兵庫県神戸市中央区と宮崎県宮崎市を紀淡海峡・四国沖経由で結ぶ長距離フェリー、及び同航路を運営する物流・運輸会社である。
現在の法人は3代目である。本記事では2代目・初代及び初代法人の親会社日本カーフェリーについても記述する。
日本カーフェリーはモータリゼーションの進展を背景に1964年発足。宮崎とは縁も所縁もない東京湾横断航路を設定しており、東京湾フェリーと競合状態にあった。しかし早くも長距離路線に目を向け、わずか7年後には川崎港~細島港(日向市)の長距離航路を開設している。細島港は宮崎市から遠く離れているものの、三方を陸地に囲まれた天然の良港であるため選択された。また、当時宮崎港は未整備だった。以後、細島港は一大ターミナルとして整備されていく。
1971年、関西航路設立を目的に宮崎県の企業と共同出資して宮崎カーフェリー(初代)が誕生し、神戸港(東灘区)~細島港と大阪港~細島港を相次いで開設した。しかし業務の効率化を図るため1年で吸収合併される。
日本カーフェリーはその後広島にも航路を伸ばすなど、東日本フェリーと並ぶ国内最大のフェリー会社へと成長した。しかし、鉄鋼業や商社が中心となって設立された企業であるにも拘らず当初より旅客需要を当て込んでいたため船舶の建造費が嵩み、高速道路の整備や宮崎新婚旅行ブームの終焉によって経営は傾いた。
経営譲渡により社名を「マリンエキスプレス」と改めた後の1997年には東京湾アクアラインが開通し、主力の東京湾航路が廃止に追い込まれる。更に原油価格の高騰で打つ手がなくなり、2004年に辛うじて黒字を出していた大阪港~宮崎港と貝塚港(貝塚市)~細島港~宮崎港の2航路を宮崎カーフェリー(2代)へ切り離したのち、最後まで残った川崎~細島・宮崎航路も翌年に廃止され会社は消滅。これにより川崎港を発着する定期旅客船も消滅した。
2代目宮崎カーフェリーも業績は苦しく、発足から2年で貝塚航路を廃止。2014年には航路短縮による燃料代圧縮を図り大阪航路を神戸港新港(神戸三宮フェリーターミナル)発着に変更した。しかし、かつて日本を二分する規模の船舶と従業員を抱えていたことから退職金などの労働債務が嵩み、加えて東九州道の延伸で大分港に顧客が流出してしまう。船舶の老朽化も進んだが置き換え費用も捻出できず、遂に2017年に特別清算を申請。行政の支援を仰ぐことになる。
第一次産業が盛んな宮崎県では農作物の輸出をフェリーに頼っており、「県経済の生命線」として宮崎県が支援に乗り出した。官民ファンドや地元企業も参加している。負債を前会社に切り離し、2018年に宮崎カーフェリー(3代)として再出発した。
長年の債務超過から解放されたことにより、補助金や経営改善もあって2022年には待望の新造船を投入。プロ野球のキャンプ地として賑わうこともあり、オリックス・バファローズとコラボしたキャンペーンを継続実施している。
| 下り(宮崎方面) | 港 | 上り(神戸方面) |
| 19:10 | 神戸三宮 | (翌)7:30 |
| (翌)8:40 | 宮崎 | 19:10 |
現行法人が保有したもののみ記載。
運賃別に5種類が設定されている。
運賃は時期・原油価格により変動する。webでの予約がお得である。なお、一部の料金プランは宮崎市の補助を受けていたことがある。
三宮バスターミナル(ミント神戸)からバスで約10分だが、駅から歩いて行けるほど近い。なお、道中には日本一短い国道174号がある。
全盛期は特撮・ドラマのロケ地として港や船内が使われていたが、作品内で登場した航路は全て廃止され現存しない。このため聖地巡礼は困難を極める。
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最終更新:2025/12/06(土) 04:00
最終更新:2025/12/06(土) 03:00
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