戦争プロパガンダ10の法則 単語

センソウプロパガンダジュウノホウソク

1.0千文字の記事

戦争プロパガンダ10の法則とは、イギリス政治家アーサーポンソンビーが提唱した、戦争中に世論を操作するためにしばしば用いられがちな10のである。

概要

  • われわれは戦争をしたくはない
  • しかし敵側が一方的戦争を望んだ
  • 敵の導者は悪魔のような人間
  • われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う
  • われわれも誤って犠牲をだすことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる
  • 敵は卑劣兵器戦略を用いている
  • われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
  • 芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
  • われわれの大義は神なものである
  • この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。

ポンソンビーは第一次世界大戦の惨禍を経験した後の1928年に出版した『戦時の』の中で以上の10項紹介した。社会が見ても明侵略戦争を、政治導者が「自衛戦争だ」と強弁し、民に吹聴することは第二次世界大戦から現代の戦争まで頻繁に見かけることである。アジア・太平洋戦争大日本帝国にとっては「防衛戦争」であるし、ナチス・ドイツでさえ「生存権(レーベンスラウム)」構想のもと、こうした自己イメージを盛んに宣伝していた。

近代民主国家において、一戦争は少なくとも建前上は民世論の後押しを受けて行われることになっている。しかし実際の民は戦争に関する情報政府メディアを通じてでしか知り得ないという非対称性がある。政府敵国の意図を見誤っているかもしれない。不都合な情報を隠蔽しているかもしれない。紛争問題の正確な歴史認識を欠いているかもしれない。

政府がいったん戦争を決意すると、あらゆる情報をその正当化に向けて都合よく配置し、最後にはこう叫ぶ。

「自分達は悪魔のような敵国被害者であり、正当な大義のもとで仕方なく、正々堂々ルールを守って、しかも確実な勝利のために戦っている」

大日本帝国も打倒鬼畜兵を叫びながら現実から乖離した大本営発表を乱発した。最初から勝ちのない戦争だと日本人が気づいたのは土が焼け野原になってからであった。そのアメリカニカラグア干渉やグレナダ侵攻の名集団的自衛権の行使あるいは在外自民保護であった。後にニカラグア干渉は裁判所によって国際法違反と認定され、グレナダ侵攻は国連総会の決議によって強く批判された。

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最終更新:2025/12/15(月) 18:00

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