戦争プロパガンダ10の法則とは、イギリスの政治家アーサー・ポンソンビーが提唱した、戦争中に世論を操作するためにしばしば用いられがちな10の嘘である。
ポンソンビーは第一次世界大戦の惨禍を経験した後の1928年に出版した『戦時の嘘』の中で以上の10項目を紹介した。国際社会の誰が見ても明白な侵略戦争を、政治指導者が「自衛戦争だ」と強弁し、国民に吹聴することは第二次世界大戦から現代の戦争まで頻繁に見かけることである。アジア・太平洋戦争も大日本帝国首脳陣にとっては「防衛戦争」であるし、ナチス・ドイツでさえ「生存権(レーベンスラウム)」構想のもと、こうした自己イメージを盛んに宣伝していた。
近代の民主国家において、一国の戦争は少なくとも建前上は国民世論の後押しを受けて行われることになっている。しかし実際の国民は戦争に関する情報を政府やメディアを通じてでしか知り得ないという非対称性がある。政府は敵国の意図を見誤っているかもしれない。不都合な情報を隠蔽しているかもしれない。紛争問題の正確な歴史認識を欠いているかもしれない。
政府がいったん戦争を決意すると、あらゆる情報をその正当化に向けて都合よく配置し、最後にはこう叫ぶ。
「自分達は悪魔のような敵国の被害者であり、正当な大義のもとで仕方なく、正々堂々ルールを守って、しかも確実な勝利のために戦っている」
大日本帝国も打倒鬼畜米兵を叫びながら現実から乖離した大本営発表を乱発した。最初から勝ち目のない戦争だと日本人が気づいたのは国土が焼け野原になってからであった。そのアメリカもニカラグア干渉やグレナダ侵攻の名目は集団的自衛権の行使あるいは在外自国民保護であった。後にニカラグア干渉は国際司法裁判所によって国際法違反と認定され、グレナダ侵攻は国連総会の決議によって強く批判された。
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最終更新:2025/12/15(月) 18:00
最終更新:2025/12/15(月) 17:00
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