昨日公園 単語

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キノウコウエン

4.4千文字の記事
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昨日公園とは、朱川湊人(しゅかわ・みなと)作の短編小説である。

概要

初出は2003年タイムスリップによる過去のやり直しがテーマとなっている。

この短編を収録した単行本『都市伝説セピア』(文藝春秋刊)は第130直木賞補に挙げられており、「「昨日公園」一本の秀逸さだけでも高く評価できる」(北方謙三)、「「昨日公園」は佳品だった」(井上ひさし)など本作に対して選考委員の賛辞が寄せられたが、受賞はならなかった。

2006年にはフジテレビ制作テレビドラマ世にも妙な物語」で映像化もされている。

ネタバレ注意 注意!
以下の項は、ネタバレ成分を多く含んでいます。
ここから下は自己責任で突っ走ってください。

あらすじ

577 1/2 2008/09/12() 11:36:10.59 ID:0+P8IssH0

主人公息子と共に公園に遊びに来ていた。
くなったボールを取りに行く息子を見ながら、主人公過去思い出

小学生だった主人公は、友人と共にキャッチボールをしていた。 
息子と同じように暴投してしまった主人公ボールを拾いに公園の外まで行った。
拾い終え、主人公友人と別れた。それが最後の別れとなる事も知らずに。 

その日のに、帰宅途中の友人タクシーに轢かれてなくなったと聞かされた。
と共に事故現場に行くと、地面に微かな血の跡があった。
主人公はひどく悲しみ、通にも行かず時間を潰し、 そして最後に友人キャッチボールをした公園に行こうとした。

すると、公園からボールが転がってきた。ボールを拾い、公園に入る。 
そこには死んだはずの友人がいた。時間が昨日に戻っていたのだった。 
信じられない状況にとまどいながらも、友人を死なせずにすむかもしれないと意気込み、 
主人公友人まで送って行った。友人事に事故に会わずに帰れた。 

だがその、またしても友人が死んだと聞かされた。 
一度に帰ってから頼まれたお使い先で、ダンプに轢かれたのだった。 
と共に事故現場に行くと、道路いっぱいにおびただしく血が広がっていた。 

今度こそ友人を救わなければと主人公は思い、前回と同じ行動の末に友人に再会する。 
に帰ったらもうそこから出てはいけない、絶対にだと念を押し、また別れる。 
だがやはりそのに、友人が死んだと聞かされた。 
人が出ている間に火事が起き、友人ごと焼け死んだという。

自分が救おうとすればするほど友人の死に方が酷くなっていっている。 
今度こそ確実に助けなければと、憔悴しながら主人公は思う。


578 2/2 2008/09/12() 11:36:46.92 ID:0+P8IssH0 
また過去に戻った主人公は、泣きながら友人にすべてを話す。
自分は未来から来ている事、どうにかしないと友人が死んでしまうという事。 
ボールを取りに帰っただけなのにひどく疲れ切り泣き腫らした主人公の顔を見て、友人はそれを信じる。 
事故にも火事にも気をつけるよと友人は誓う。 

安心したのも束の間、またしても友人が死んだと聞かされた。 
今度はガス漏れで、友人だけではなく幼いも亡くなったという。 
過去に戻る主人公。そのやつれ果てた顔に友人は驚く。
だが主人公はなにもわけを話さず、ただ一言ねた。

お前の一番大切なものはなんだ?」

ちゃんだからが一番大切だなあ」

友人はそう胸をはり答える。もうどうしようもない、主人公は何もせずに帰った。 
やがて友人タクシーに轢かれて亡くなったと聞かされた。 
主人公友人の通に出た。それきり過去には戻らなかった。


息子ボールを片手に戻ってきたので、主人公回想を終える。 
どこか息子の様子がおかしい。 
いつもは憎まれ口ばかり息子が、おびえたように主人公を見上げる。
その表情から主人公は全てを察する。息子もかつての自分のように戻ってきたのだと。
そしてこれから自分の身になにかが起こり、息子はそれを阻止しようとがんばっているのだ。

「もうお父さんのためにがんばらなくてもいいんだよ」
そう言う主人公に、号泣しながら息子は抱きついてきた。


引用元:朱川湊人「昨日公園」
exit

 原作ドラマ版では結末が違う。
原作との違いが知りたい方は下記リンク参照
あの映画・小説・ドラマ,etc.の結末が知りたい@wikiexit

あらすじ(ドラマ版)

 とあるの午後、人気のない公園キャッチボールをしている陽介(堂本光一)と男。軽口をたたきながらボールを投げていた二人だったが、男の何気ない一言に、陽介は、思わずボールを取り損ねた…
「来週の典ちゃんの誕生日、思い切って告白しようと思って」
  部屋に戻った陽介は、ぼんやりと見つめていた。視線の先には、陽介と男、そして典子の写真
間の男の言葉が頭によみがえる。と、テーブルの上の 携帯が鳴った。電話に出た陽介のに届いたのは、「男君が…今日の夕方、亡くなったって」という、まじりの典子の言葉だった。陽介と別れた帰り道、石 段から足を踏み外し、頭を打って亡くなったというのだ。
 通の帰り、典子とわかれてひとり公園を通りかかった陽介。昨日と同じように人気のない 公園。入り口でぼんやりとたたずんでいると、足元にボールが転がってきた。何気なく拾い上げると、「陽介、何やってんだよ、こっち」と叫ぶは、 死んだはずの男だった。陽介に向かって両手をあげて、ボールを投げてよこせと合図している。昨日と同じ会話、昨日と同じ風景…何かがおかしい。一体なぜ? 訳のわからぬまま男と別れようとした陽介だったが、はたと思いついて男をまで送ってゆく。石段から足を踏み外すこともなく、事に男をに 送り届け、ホッとした気持ちで自宅に戻った陽介だったが…。

陽介が自宅に戻ると、彼の携帯が鳴った。彼が出ると、電話の向こうから典子が「男君が…今日の夕方、亡くなったって」と告げた。陽介と別れた後、工事現場で上から落ちてきたの下敷きになって亡くなったのだという。
次の日、その工事現場にやってきた陽介と典子。花束を供える典子に、陽介は「確かめたいことがある」と言って走り出した

陽介の向かった先は、あの公園だった。ベンチに座った陽介の足元にボールが転がってくる。陽介がボールを拾うと、後ろから男のいた。「陽介、何やってんだよ、こっち」
男を(男の屋)まで送り届けた陽介。男はさらに別の場所へ配達に行くためを出ようとする。必死で引き止める陽介だが、男は自転車を出てしまう。陽介は先回りしようと駆け出した。
男が工事現場を通りかかろうとすると、前に息を切らしながら陽介が立ちふさがった。いぶかしむ男だが、その時向こう側にが落ちてきて、男は然とする。

中、「人に迷惑かけやがって…」と一人愚痴る陽介のもとに、またしても典子から電話がかかる。典子に言われてテレビをつけると、男の強盗が入り、男は刺し殺され、男の・聡子までが重傷を負ったとのニュースが流れる。「聡子ちゃんまで…」と呆然とする陽介。

次の日、陽介はまたあの公園に足を運んだ。転がってくるボールを拾い上げる陽介。「男、お前が守ってやる…」
また昨日に戻った陽介は、男を送り届けた後、中に男のの前で見りをすることにした。怪しい人が塀を乗り越えていくのを見た陽介は「泥棒!」と叫んで追い払う。さらに近くのバス停ベンチにをおろし、まで見ろうと決める。
いつの間にか眠っていた陽介。あたりが騒がしくなってを覚ますと、やじが集まっていた。やじが進むのと同じ方向に歩いていくと、男の煙をあげながら燃えていた。
、陽介の手元の新聞には「火災により一家四人焼死」の見出し。その新聞読み、もう一度公園へ向かう陽介

公園で少しためらいながらもボールを拾い、昨日に戻って男と再会した陽介。ベンチに座って男と話し始める。
「顔色悪いぞ、今にも死にそうって感じ」と心配する男に、陽介は尋ねた。「もしが死んだらどうする?
もし今日死ぬってわかったら、お前どうする?」
「助 けに行く」当然だろ、という雰囲気で答える男。「でも理なんだ」と言い返す陽介に、「それでも助けに行く」と男は言う。「助けられないんだ!助けよ うとすればするほど、どんどん悪くなっていくんだ!」と叫ぶ陽介。「何の話だ?」と聞く男に、「わかんねえ…」とうめくように陽介は言った。
男は立ち上って明るく言った。「お前は死なねえだろ。まだ典ちゃんに気持ち伝えてないしな。」突然の言葉に困惑している陽介に、男は続けた。「好きなん だろ、典ちゃんのこと。典ちゃんもお前にそう言ってほしいんだと思う。お前ら二人見てると、じれったくてしょうがないんだよ。」
「でも、お前告白したって…」そう聞き返す陽介を振り返って男は言った。「ああ、あれは『お前のことよろしく』って言ったんだよ。」笑顔男は続ける。「典ちゃん、いい子だよ。大切にしてやれよ。」
そう言って帰ろうとする男を、陽介が呼び止めた。「なあ、お前の一番大切なものって何だ?」男は
「決まってんだろ、家族だよ。お袋と、。」と答え、自転車に乗って帰った。それを言で見送る陽介。

自宅で典子からの電話を受け取る陽介。男が石段で足を踏み外して亡くなった、と典子が告げるが、陽介は何も答えない。
翌日、陽介は公園ベンチに座っていた。足元に転がってきたボールを拾おうとして、陽介の手が止まる。
そのまま手を伸ばすことができず地面にくずおれ、嗚咽する陽介。そのの前でボールゆっくりと消えていった。

7年後。
同じ公園ベンチに座り、キャッチボールをしている二人の少年を眺める陽介。そこへ典子がやってきて、
「どうしたの?」と尋ねる。「いろいろ思い出してたら懐かしくなって」と陽介は答える。「もうすぐ七回忌だね…」と典子がつぶやく。
典子がミネラルウォーターペットボトルを陽介に手渡しながら「遅くなっちゃってごめん」と言う。陽介が軽く笑って「何言ってんだよ、まだ5分も経ってない だろ」と言うと、「そっか、そうだよね…」と典子はうつむき加減に言った。「顔色悪いぞ、疲れてないか?」と陽介に聞かれると、典子は「大丈夫」と答え た。(←このあたりのセリフの順番がうろ覚えです、すみません)
「そろそろ帰るか」と立ち上がって歩き始める陽介。その腕に自分の腕を絡ませて、典子が思いつめたような調子で尋ねる。「もし私が今日死ぬってわかったら、あなたどうする?」
思わず立ち止まった陽介。典子は慌てて言った。「ごめん。ちょっと聞いてみただけ」陽介は「おかしなやつだな」と一言言った後、何かに気づいて表情を変える。
世にも妙な物語」のロゴが出て終了。


引用元:世にも奇妙な物語「昨日公園」
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