バス停(―てい)とは「バス停留所」の略称であり、主に日常会話で使用される。
バス停留所とは路線バス利用客のために規定された停車場所のことを指すが、転じて設置されている標識や設備なども指す言葉である。特に高速道路上に存在する停留所は「バスストップ」と呼ばれることもある。運行事業者が所轄官庁に許可を得て設置しており、当該事業者以外の個人・法人車両が駐停車することは認められない。
ちなみに近年は新規の停留所を設置する場合、事業者や自治体が、官庁に届け出るだけではなく、所轄の警察署やそこに面した住居、事業所、町内会などにあらかじめ相談(あいさつ回り)を行っている。後述する喫煙(吸い殻)・ゴミなど、バス停設置後にバス利用客が近隣の住民などに迷惑をかける可能性も否定できないからである。
路上数百m~1㎞ぐらいの間隔で設置されるが、コミュニティバスなどではもっと短い間隔で設置されることも多い。逆に人家や施設などがなければ1.5㎞以上間隔が空くこともある。一般的には上り・下り双方設置するが、様々な事情でどちらかの設置を断念する個所もある。もちろん一方通行区間などでは当該方向にしか設置されない。
一般道路に設置することが基本であるが、病院・学校・ショッピングモールなどの施設では敷地内(エントランスや駐車場の一角など)に設置する場合もある。路線の終点であれば折返しを行う回転場内に設置する事例も多い。高速道路上では専用車線を設けて設置する場合と、サービスエリアの一角に設置する事例が見られる。もちろん一般車の進入・停車は禁止されている。
原則的に乗車・降車のいずれも可能である。但し、以下のような事情で通過したり、乗車または降車の一方のみを取り扱う、というバス停も見られる。
1番目・2番目の事例は「クローズド・ドア・システム」と呼ばれ、事業者同士の「大人の事情」が多く見受けられるので、バス趣味における研究対象となる。
路線数や運行回数が多い都市部のバス停では、2台分停車できるスペースを確保している事例が多い。
同一事業者・同一名称のバス停が、路線・行き先の違いで数十m程度離れた別々の場所に設置されている事例が非常に多い。これも初見殺しの要素であるとともに、運転手が案内に悩むポイントでもある。逆に同一立地のバス停であるにもかかわらず、複数の事業者ごとに異なる名称が付くことも多い。今は事業者の公式サイトで紛らわしい立地のバス停について案内しているので、事前の確認を推奨する。
バス停を象徴する設備で、「事業者名/社章・CIマーク」「停留所名」「路線名や系統名・主たる行先・通過予定時刻」等の表示(順序は各事業者によって異なる)がなされた標識。シンプルなタイプは路上に置かれていることが多いが、近年は転倒事故防止や悪戯・武器使用の防止のため、道路に建植される事例が多い。ちなみにシンプルなだるまポールであっても60~70㎏ぐらいの重量があるので、現実には振り回すことなぞできません!
掲示内容についてもう少し触れると
といったものが揚げられる。事業者・標識によっては省略される内容もある。
「片停」(かたてい)とは、郊外や山間地(特に冬場の天候が安定しており、バス停に雪除けなどの必要がない太平洋側など)などにおいて、道路の片側だけに標識を設け、逆行きの標識を省略している事例のことである。都市部居住者がこれを見ると驚いたり、中には非常識と感じる人もいるようだが、実際には設置費用・管理の手間を軽減する意味から割とありふれた風景となりつつある。1本の標識に両方向のバスの時刻が明示されており、反対側車線を通るバスに乗車したい場合は、見通しが悪いような箇所を除き、標識のほぼ向かいで待っていればよい。通常なら主に市街地行きの車線側に標識設置されることが多いが、あてはまらないパターンも間々あるのでなかなかの初見殺しである。
また、厳密にはバス停とは異なるが、都市部の住宅街などに交差点での進路変更が数多い新設路線が開設されると、しばらくの期間、交差点直近に「← バス」などと記載されたバス停標識を流用した表示が掲出されることも珍しくない(各自治体が所管するコミュニティ路線など)。もちろんこれは専らバス運転士に宛てた表示であるが、類似の設備として記しておく。
都市部で施行されている設備。鉄製の2本柱で支える屋根を、雨除けなどの目的で施行している。近年は劣化に強いアルミ製がほとんどで、風除けのため側面にもパネルを設置し、標識の代わりに掲示する事例が増えている。
2003年から主要都市中心部において「PFI方式」の「大型電照広告・風防付きバスシェルター」の設置が広まりつつある。基本は電照広告幕が横浜市のように1~2分間隔で回転して、出稿元が別の広告に変わるのであるが、他都市では夜半に1回転するだけなど、まだまだ保守的である。
都市部に限らず見られる設備。かつては木製の掘っ立て小屋のような建物にベンチがある、という形態であった(→田舎の小屋付きバス停の記事を参照)が、現在はアルミ製が多い。上屋と異なり路上には設置されず、標識ポールから少し離れたところに設置される。
車両の運行状況を把握し管理するシステムで、利用客に対しては予定のバスが「どれぐらいで到着するか」「どれぐらい遅れているか」などの情報をバス停に設置された「接近表示機」により知らせる。標識ポールに設置する場合と、上屋・待合室に設置する場合があるが、近年はそうした情報をスマホアプリで提供するようになり、バス停自体には表示機を設置しない方向にシフトしている。
ちなみに、かつてのシステムはバスに発信器、バス停に検知器を設置してバスがバス停を通過したことを把握するシステムであったが、今はGPSを使用して各車両の状況をリアルタイムで把握できるようになっている。
待合室が設置されている場合を除き、ベンチや椅子は事業者では設置しない。道路上の障害物となるためで、街で見かけるバス停のベンチは誰かがどこかから持ってきて置いたもので、警察から黙認されているだけである。ただ、近年のバスシェルターには許可を取ってベンチを設置する事例も見られる。
変わった設備例としては「時刻表横ボタンを押すとLED光で光る」(両備グループ・しずてつジャストラインなどの一部基幹路線かつ、ある程度本数が設定された暗めの場所)、防水クリアケースを据え付け、中に高速バスのチラシを込めて「ご自由にお取りください」(JR東海バスと他社との共管路線ほか)などもある。
一方、以前は当たり前にみられた「灰皿・吸い殻入れ」はほぼ見かけなくなっている。これは2002年に公布された「健康増進法」の施行によるもので、大多数のバス事業者が管理するバス停には「バス停周囲での禁煙」をお願いする旨の文、もしくはピクトグラムの掲示がおこなわれ、灰皿・吸い殻入れの撤去が進んだためである。「飲料空き容器などのポイ捨て」を戒める表記がなされるとともにゴミ箱の撤去なども同様におこなわれた。
路線の終点にみられる折返しのための設備。回転場は「折返場」「操車場」などと呼ばれることもあり、出発時刻までの待機もこの場内でおこなう。敷地が狭く、バックや切返しが必要な場所も見られる。
一方、地方の中距離路線の最終便はその日に営業所に帰還するのではなく、翌日の折返し始発便に運用するため車両・乗務員とも滞泊をおこなわせることがあり、そうした路線ではバスを駐車する分車庫と乗務員詰所を合わせて設置している。但し近年はそうした運用は非常に少なく、施設共々絶滅寸前である。
→バスターミナル参照
バス停以外の任意の地点で乗降を取り扱うシステム。降車の場合は希望の場所で運転手に告げ、乗車の場合はタクシー同様に挙手して知らせる。正規のバス停は設置されており、乗降のほか時刻の掲示・運賃区界等の役割がある。バス停にあまりに近かったり、トンネル・交差点の前後など、道路交通法に抵触する場所・不適切と判断される場所では乗降できない。主に山間部の閑散路線や観光地の路線に見られるが、都市部でも夜間の住宅団地路線で防犯のために降車に限って取り扱う事例もある。またこうした路線で本数設定が僅少の場合、運用に就く車両の屋根上には、移動販売車のようにスピーカーを設けて何らかのメロディを鳴らし、区間内で接近・通過を知らせる事例もある。この制度をフル活用して乗下車した場合の運賃は「乗車地点が含まれる運賃区間(乗車場所手前の正規のバス停)」から「下車地点のそれ(下車場所の先の直近の同じく)」までとなる。
前述の自由乗降区間を除き、路線バスは停留所(道路が混雑している場合は停留所前後)以外での乗降は取扱ってはならない。乗り遅れた利用客が、すぐの信号待ちなどでバスが停車したところに追いかけてきても乗車させることはないし、乗り間違い・降り間違いなどを乗客が申告し、運転士裁量で無賃乗車を認めた場合でも、降車は「次のバス停までお待ちください」となる(監督官庁の目が厳しくなっていることもある)。
バス路線は歩道のないような道路を走る事が多く、バス停も必然的に車道の端に設置されることになり、乗降時・バス待ちの時はかなり危険な状況となる。またバス停が横断歩道や交差点の側に設置されている際、バスの停車が要因となって生じる歩行者事故がかなりの件数に上る。現在国や事業者、警察等が調査・対策をおこなってはいるが、廃止や移設に利用客からの反対意見が出されることもあり、早期の解決が難しい状況でもある。
やはり監督官庁が色々指導されたためか、バス停近くで立っている人がいるだけでも通過しようとするバスが、律儀に一旦停車し、乗車扉を開け閉めしてから発車することが多い(特に複数の系統を持つバス停)。これに気まずい思いをした方も結構いるのではなかろうか。途中バス停から単独で乗車したい意思を示す場合は(正面の行先と自分の目的地を確認して)恥ずかしがらずに挙手したり、乗車カードを横に差し出したりしてみよう。これが現業の運転士としてみれば、意外に有難いものらしい。
たすかります あげてください あなたの手
複数系統ある郊外行きバス停、日中、好天で、意中の系統ではない車両が来た場合に腕で大きく「×」…これは「プロ向け」。もし物陰に、別の誰かがそのバスを待っていた…なんて事になると、割と洒落にならないのでお勧めできない。あくまでもテクニックのひとつとして参考までに記しておきたい。
何気に「バス停」を題材にした絵は多く、様々な様態のバス停を見ることができる。
主なのは「バス停で待つ人物」を描いた絵で、「雨宿りの風景」として描かれているものも多い。
掲示板
14 ななしのよっしん
2023/06/30(金) 21:55:54 ID: 6DWuwZeUB+
>>12の望んだ記事ができたら
あっという間に当記事のレス数を越える皮肉
15 ななしのよっしん
2023/06/30(金) 22:03:37 ID: IJtjd8WgcD
メタルマックスでは野バスを捕まえるための重要アイテムだったな
AIが反乱した世界で昔の路線バスも暴走して野生の野バスと化してるけど元バス停の位置でバス停を使うと制御の甘い野バスが反応して停まる→乗り込んでシステム掌握して入手とかいう
デコらしいぶっ飛んだイベントだった
16 ななしのよっしん
2023/08/12(土) 03:26:34 ID: nxu9eHGQdF
比喩として「バス停を毎日1ミリずつ家に近付けていく」も有名
バス停(ウマ娘)みたいな隠語も生まれた
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/19(日) 14:00
最終更新:2025/01/19(日) 14:00
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