ウィキペ読んでもキュウリウオ目なんだかサケ目なんだかアユ目なんだか良く分からないね。何種類かいるらしいが、ここではそこらの川にいるアユについて述べる。
薄い金色というような独特な色合いの、滑らかな姿態をした美しいお魚である。この美しさからか「鮎子」とか女の子の名前に使われる事もある。
鮭と同じように川で生まれ、海に下り、育ったら川を遡って産卵する。ちなみに一年魚である。
小さい内はプランクトンや虫なんかを食べているが、川を遡る頃には石なんかにこびりついた苔類なんかを食べるようになる。この苔が良いのか、アユからは果物みたいな香りがするのである。メロン、スイカ、きゅうりとかそんな感じの青っぽい匂いであるので、嫌う人もいる。ちなみに、川が綺麗なところのアユはより良い香りがする(雨が降らずに苔が腐ったり、水がにごると香りが悪くなる)。アユが大量遡上するシーズンには川全体でアユの香りがする(本当だぞ!)。
大体5月くらいから川を遡り始める。川に行くと岩や石に削ったような後が見られるようになるが、これが所謂「アユの食み跡である」。橋の上なんかから見ていると、苔を食べるために石に身体を擦り付ける際、アユが翻ってぴかっと光るわけだが、これが多くなるとなんかフラッシュを焚いたみたいにそこらじゅうがピカピカしだす。
そうなると、アユ釣り師のおっちゃんたちはもうソワソワ。竿を出して磨いたり、ウエットスーツを干したりと準備に余念がなくなる。釣具屋の配置がアユ物一色に塗り換わるのも風物詩。
その頃、川にのこのこ現れると殺気立った漁協のおっちゃんたちを見る事が出来る。バス竿なんか持って歩こうものなら怒鳴りつけられかねない。なんとなれば、漁協にとってアユは特別。毎年毎年大量放流して、釣り師や投網師から漁業券代を徴収し、簗で獲って観光客や市場に出荷して、漁師(漁協)の生活を支えてくれる神聖なお魚なんである。つーか、内水面漁協なんてほとんどアユで食ってる。おっちゃんたちは密猟や川を荒らす行為を監視し、カワウをおっぱらい、アユの無事な成育と遡上を祈るのである。
6月辺りになると、アユ釣りの解禁が始まる。熱心な人になるとテントを張って深夜販売ならぬ深夜解禁を待つアキバのゲーマー顔負けのおっちゃんもいる。でも、内水面の夜釣りは禁止な。
普通、アユは友釣りといって、アユが縄張りを主張するお魚である事を利用する釣りで釣る。糸の先におとりアユをセット。この周りに掛針を流し、おとりをアユの縄張りに送り込む。するとアユは怒って「何しとんじゃぁ!われ!!」と、おとりアユに体当たりをかましてくる。すると掛針にアユが掛ってしまう。まぁ、考えた人天才じゃね?という釣法である。知らない人は「へぇ、アユって二匹いっぺんに釣れるんだね」と言うけど違うからね。
言葉にすれば簡単だが、これが難しく、アユのいる場所を見極め、おとりアユを自然に、しかもすばやく縄張りエリアに侵入させるのには技術がいる。ついでに言うと、アユの竿は大体10m前後と長く、取り回しが難しい。結構な激流に立ちこんで釣ることも多く、なかなかハードな釣りである。
川の両側に所狭しと鮎師が立って物凄く長い竿を並べている姿は夏の風物詩だが、近年は鮎師の数が減ってしまって少し寂しくなっている。その原因は簡単に言えば昔ほど釣れなくなったからで、これはアユの遡上が減っている事。更に放流鮎に冷水病という皮膚病みたいなのが蔓延して大量に死んでしまう事。更に少なくなったアユどもが仲良く苔を分け合うようになって、縄張りを作らないようになった事などが原因だという。
そもそも鮎釣りは用具が高く(竿なんて安くても10万円近い)川の良いポジに進入するには四駆がいるなど、始めるのにハードルが高い釣りなんである。魚券もアユのは特別で、ひときわ高い。
でも、やってみれば奥が深くて面白いので、釣りが好きなんならやってみれば良いと思うよ。
鮎釣りの楽しみの一つは、アユがおいしい魚だと言う事である。川魚特有の泥臭さがなく、淡白な上品な味で大変おいしい。苔しか食べない時期のワタはほろ苦くて美味い。塩焼きが基本だが、てんぷらやフライなんかにしてもいける。川魚だからナマはNG。ただ、小さい魚なんで食い出が無い。大きいのは大味でおいしくないし。また、大量に釣れる事もあるので毎週食っていると流石に飽きる。その時は冷凍してお中元お歳暮にしたり、正月に食ったりする。
料亭とかでえらそうに出しているアユはほとんどが養殖。もしくは放流物。遡上物は味がピュアで本当に一味違う。ぶっちゃけ、そこらでは手に入らない。味わいたければ自分で釣るしかない。
最近は日本の河川の水質が良くなって、多摩川なんかでも獲れるらしい。ただ、それこそ無差別に放流しているせいで、川ごとのアユの特色が無くなってしまったという話もある。とにかく漁協がアユばっかり重要視してうざい。アユのためにスモール駆除すんな。
とにかくその美しい姿やおいしさが昔から日本で愛されているアユ。一度は川でその泳いでいる姿をご覧あれ。
掲示板
29 ななしのよっしん
2021/07/30(金) 15:56:00 ID: 5iJAAx6ZVD
30 ななしのよっしん
2021/11/10(水) 23:04:11 ID: oB9IH2XLRZ
31 ななしのよっしん
2022/09/14(水) 20:03:07 ID: OcGqHkV0Pt
文章は面白いけどスモール駆除すんなってのは流石にクソ
そんなだからバサーは忌むべき存在だと思われてんだよ
そこの鮎が国内外来種だとしてもマジモンの外来種より数千倍マシだしバスなんぞより数段美味しくて比べ物にならないくらい価値が高いってのに
バスなんかを守ってやる道理がない
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最終更新:2023/10/05(木) 12:00
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