pixivファンタジアとは (ピクシブファンタジアとは) [単語記事]

　pixivファンタジアとは、イラスト投稿サイト「pixiv」で行なわれている企画の一つ。略称はPF、ピクファンなど。

概要

　「pixivでファンタジーをもっと盛り上げよう！」というところから始まった企画で、主催者が提示した世界観をもとに、キャラクター・生物・道具・風景・世界観の設定など「ファンタジーなもの」を描いてpixivに投稿する、というもの。所定のタグをつけることで企画に参加できる。

　投稿されたイラストはすべて「描いてもいいのよ」扱い（その作品内のキャラクター・設定などを用いた二次的著作を許可する）となり、参加者の間での交流・クロスオーバーが盛んに行われるのが特徴。

　また、主催者から告知される公式イベントがあり、その結果には作品の閲覧数が大きく関係する。
　例えば国同士が争う戦争イベントの場合、「各国のタグ」と「イベントタグ」を付けた作品の閲覧数の合計で勝敗が決定する。また、イベントの区切りごとに最も閲覧数の多かった作品は、MVPとして中間報告で紹介される。
　これらのイベントの結果がその後の物語の流れ・エンディングを大きく左右するという点において、pixivファンタジアは単なるテーマ企画とは一線を画し、「大勢のユーザーによって物語が紡がれる」という特殊な企画形態をとっていると言える。

　元はあるpixiv利用者が発案した非公式企画だが、第二弾以降参加者が増えていった結果、ビジュアルブックが出されるなど、pixivを代表するイベントとなった。
現在はその参加者数の多さから一日あたりの企画の投降ペースも早く、その様は時に「激流」に喩えられる。その為交流の全てを把握するのは困難であり、企画を追うにはプレイヤーキャラクターの所属ギルドを決めるなど、それなりの慣れを必要とする場合もある。

各シリーズの概要

　現在までに5回行なわれており、2011年 1月27日からは第5弾「pixivファンタジアV」が開催されている(同年3月27日まで)。
　なお、シリーズ間において世界観のつながりはない。（一部の公式キャラがスターシステムで登場することはある）

（記事内では文字化けを避けるためにローマ数字を「I」「V」のローマ字を用いて表記しているが、企画に使われるタグなどではそれぞれローマ数字が用いられていることに注意。）

pixivファンタジア（開催期間：2008年 1月24日～同年2月14日）
　第１弾。大陸の覇権を巡って争う五つの国「シルヴァリア」「アイゼルン」「ヴァルヴァニア」「イーストランド」「アンザール」と、その元で活躍する人々を描く。各国の兵士として描き、タグをつけることでイラストの閲覧数が戦闘力となり、最終的に閲覧数が最も多い国が勝利国となる。途中からこの企画の１つの肝であるイベント戦が始まるなど、企画が進行する中でのちのシリーズの基礎がつくられた。
pixivファンタジアII（開催期間：2008年7月25日～同年8月31日）
　前回の好評を受けて行われた第２弾。テーマは「五つ国の共闘」と「冒険」。世界に破滅をもたらす「異界からの侵略者『カラミティ』」を退けるというストーリー。「カラミティ」とそれに対抗する「シュバルツヘイム」「サイクロニア」「アーヴァン」「フォーレス」「ナガツ」の五国との戦争イベントの他に、各地に散らばる強大な力を持つアイテム「六つのキューブ」を探す探索イベントが設けられ、イベントの幅が広がった。
pixivファンタジアIII（開催期間：2009年 3月20日～同年5月10日）
　エンターブレインとのタイアップが話題となった第３弾。トライホルン大陸という世界の3大国「ウィンドラント」「ギガンダル」「アカツハラ」の間で巻き起こる戦乱を生きる「勇敢な戦士」とその世界を描く。イベントの全体像は第１弾「pixivファンタジア」に似ており、最終的な勝利国は各国のタグ登録作品の閲覧数の合計で決まる。
　音楽や動画といった、イラストの枠を超えた作品が外部サイトを通じて投稿された。（ニコニコ動画にも関連動画が投稿されている。後述の項目を参照のこと）
pixivファンタジアIV（開催予定期間：2010年 1月31日～同年3月28日）
第4弾。グランドリン大陸の三つの国「グランミリオン」「アルトラント」「ザンクトリア」そして空からの災厄「星の欠片」に滅ぼされた「セントラル」が舞台。「星の欠片」の脅威に大陸の力を合わせて立ち向かう、というストーリー。敵戦力投稿による閲覧数ポイントの妨害や冒険ギルドによるフリーミッションなど、新たなシステムの導入がされた。IIの形式に近く、公式から出された目標閲覧数を達成することで敵を撃破するというイベントであった。
pixivファンタジアV（2011年 1月27日～同年3月27日）
　第５弾。「高貴なる命」の大陸エデリオンを統べる三つの帝国「トライガルド」「ガルガディア」「ザイランス」が、その覇権をかけて争う物語。戦乱を生き抜く戦士や乱世を生きる人々、その世界を描いていく。第１弾および３弾と同じく、国家間の戦争がメインイベント。今回は集計にランク制が導入され、一概に閲覧数をたくさん得た絵が多ければ良い、という仕組みではなくなった。また、前回では（一部ストーリーに関わりつつも）おまけ要素の強かった「冒険者ギルドからの依頼」も、ボーナスポイントが加わるなど、より戦略性が深まっている。