SCP-3519とは (シズカナルヒビとは) [単語記事]

SCP-3519 - 静かなる日々（These Quiet Days）とは、2019年 3月5日にまつわる噂である。

概要

都市伝説創作サイト「SCP財団」に投稿されたもの（SCP-3519はあくまで創作である）。執筆者はAccelerando氏。

オブジェクトクラスは「Keter（Neutralized）」となっている。報告書には

SCP-3519への感受性を有する人物が生き残っていないことから、これ以上の収容は必要とされません。感染は無力化したと見做されます。

とあり、もともとKeterだったが、対象となる人が全員死んでしまいNeutralized扱いされているようだ。

SCP-3519は「ミーム感染（ミーム汚染）」の意味さえわかれば、何が起こっているのかはなんとなく理解できる文章である。ネタバレを回避するのであれば先に読むことをお勧めする（→日本語訳記事）。

一言で言うならば、SCP-3519とは「2019年 3月5日に世界の終わりが来るから、その前にみんなで自殺しよう」という噂である。「世界の終わり」は語る人によって内容が変わるが、2019年 3月5日という日付は共通する。

問題なのは、この噂（ミーム）には根拠がないのにも関わらず、皆が信じてしまうという異常性がある。ある人がこの噂を聞くと信じてしまい、40日以内にその人は自殺してしまう。

時系列

2018年 12月5日にはSCP財団がラジオ放送でSCP-3519の存在を確認しているが、最初はただの怪しい宗教が流した噂だろうとスルーしていた。しかし、同年の年末に10人を超す集団自殺が発生しメディアが報じるようになる。その報道内容が自殺をした人に奇妙に同情的だった。以下がSCP-3519についての、アメリカのニュース専門チャンネルであるCNNの報道の一部である。

アンダーソン・クーパー: それで、その予言というのはどの程度信用できるものなんです？

ケリーアン・コンウェイ: ホワイトハウスとしては、これは非常に信頼性のあるものと考えています。信用できる情報源が複数、世界が3月5日に終わりを迎えるかもしれないと語っています。

（略）

コンウェイ: そうです、教会も我々の情報ソースの一つでした。テノチティトラン亡命政府の特使も同様でして、貴方も今朝のTwitterでご覧になったように、大統領と連絡を取り合っています。

画面には当日の朝の大統領のツイートが表示される。“アステカの特使から3/5に世界が終わると聞かされた。何と怖ろしい！”

（略）

クーパー: さて、お時間はここまでとなりましたが、私個人としては恐ろしいのを認めるのに吝かでないですな。

ホワイトハウスの担当者とアメリカ大統領がこの噂を「非常に信頼性のあるもの」として語ってしまっている。その後インドで300人以上が集団自殺をした。そのため、この噂が異常な現象と認定され、SCP-3519というナンバーが割り振られた。

翌年1月には自殺率が世界人口の1%に達する。1月末にはローマ教皇がミーム感染し、自殺のための特免を発布しようとする。これは間際で食い止められたが、2月には世界人口の2%が自殺し、インフラの維持が困難になったことでさらに死が連鎖していく。

2月19日にはイスラエルとイランの間で核戦争が発生し、さらなる死者が出る。翌日にはSCP-3519の財団担当者だったワタナベ博士までも自殺してしまい、後任にマリレッツ博士が就く。

2月26日には「世界的メディアの大部分が沈黙している」状態になり、財団にも情報が入ってこなくなる。28日、次席研究員だったジョーンズ博士がSCP-3519の担当者となり、翌日には財団の最高職であるO5に就任する。3月4日にはジョーンズ博士の通信相手の全員と連絡がとれなくなった。

報告書のタイムラインには、ジョーンズ博士が残した文章が載っている。

(T-3) 19/03/02: 今日マリレッツを埋葬した。

(T-1) 19/03/04: サイト-42のデサイ博士とのコンタクトが途絶。他には誰も応答しない。

(T-1) 19/03/04: 収容プロトコル改正。

(T=0) 19/03/05:

(T+1) 19/03/06: いい天気だ。