インフラとは、産業や社会生活の基盤となる施設やそれを構成する要素のこと。
英語のインフラストラクチャー(infrastructure)の略である。
辞書的な意味としては「下部構造」や「基盤」といった意味。
日本訳語としては、社会基盤・基盤施設・経済基盤と、産業や社会生活の基盤として整備される施設という意味で用いられる。
電気・ガス・水道といったイメージも大きいが、道路や線路、橋・トンネルなどもインフラの一種とされる場合もある。必要最低限の生活、便利な日常生活を送るための重要な要素、もはや当たり前の生活必需品であるが常にそれを支える人たちがいる点が忘れられがち。
特に、無くなったり問題が起きて使えなくなると大勢が非常に困るものを指しやすいが、高速道路・ガス・用水路・インターネットなど、限られた人や業種でしか使わなかったり、人生で必ずしも使うとは限らない。
どれも非常に便利で役に立つ反面、使用不能になるだけで致命的な損害が出る。(後述)
基本的には二重化・代替手段が用意されている場合が多く、住宅街の電線がひとつ切れただけで半径20kmの町中が全部停電…といった事は起きづらくはなっている。(局地的には停電を起こしてしまうが)
故障・破損等によって停止した場合において、広域の不特定多数の人間・施設・企業団体に被害が及ぶ。
(例)停電・断水・渋滞・通行制限/通行止、運休、通信不能、孤立
副次的に営業や生産・取引不能といった経済的なダメージも起こりうる。
大型発電機や大量備蓄といった手段もあるが長期的・永続的な使用は現実的ではないし、大勢の市民の前では大量備蓄など割り算する間もなく、あっという間に底を突く可能性のほうが高い。
<原因>
有効な代替手段のない地域では致命的な遅延や渋滞・ストレスが発生するし、海外や状況によってはインフラ停止によって治安悪化、無法地帯化、暴動が起き沈静化に余計な時間がかかる場合もある。
物流の停止による品薄や物資不足、パニックも起こりうるし、限られた資材や電力のため医療行為が縮小せざるをえないといった人命にかかわる場合もある。(トリアージによる選別など)
大規模災害においては関係者や必要機材を失う場合もある。
※国によっては停電・断水・電車の遅延程度では日常的で逆に誰も気にしていない場合もある。
逆に言えばインフラを破壊するだけで甚大な被害を及ぼすことが可能であるため費用対効果が非常に高く、テロや犯罪の標的とされる場合もある。線路や送電線などは長大で県境・山間部・田舎を含み全域の24時間警備が難しい[1]。
戦争中においては支配した国のレジスタンスによって線路などが破壊される事例もあった。
テロでなくとも個人の過激思想や錯乱、目立ちたいといった利己的な理由によって破壊されては同様の被害であるため、平和であっても油断はできない。
更新(新規建造・点検整備・補修)はおろか、現状維持するだけでも多大な手間とコストがかかる。
円滑な運用のために操作・監視・警備するための設備や人材、災害や様々なトラブルに備えて二重化・強化・代替するなど副次的にも相応の予算が必要。
市町村・自治体によっては予算不足や財政破綻によって現状が放置されている実情もある。
極端に人が少ない田舎、限界集落などはインフラを更新・建造したところで見合った費用対効果が得られない場合もある。かといって移住を勧めるにも相応の金額が必要だったり応じない、好機と見てさらに保証金を吊り上げようとゴネる人間も出るため一筋縄ではいかない。
安くしたいからと変な建設業者に頼んでしまえば、手抜き工事され本来の用途を果たせない。海外の途上国などでのインフラ建設においては割とあるある。(国外の"安いだけに全振りした業者"に受注したり、一方的に契約を反故にされる、途中で必要金額を吊り上げられるなど)
維持・整備・点検するための人材の教育、人材確保などの問題もある。
芸能人やスポーツ選手のように華々しく映し出されることはなく(むしろ地味)、子供が目を輝かせる仕事でもないため、人手不足といった事例は多い。人が足りないからとその辺の素人を連れてきても電線や水道管の点検や交換はできないし、非常時の対応もできない。
また「インフラは使えて当然」「早く直せよ」「俺ならこうする」「なぜこうしない」といった事情を考慮しない素人考えな利用者のワガママや説教に業務そっちのけで付き合わされる場合もある。
日本のインフラは高度経済成長期に建設されたものが多いため、近いうちに多くの施設・設備・配管等を補修点検・更新しなければならないといわれている。しかし、公共投資・予算が削減されてきているため更新がままならず、寿命・劣化による事故が相次いでいる。
道路や橋、トンネルなどの施設建設・完成式典、重大なイベントなどはお偉いさんや市町村などのイメージアップに直結するため、費用対効果の良い“パフォーマンス”として好まれる反面、完成したインフラ等の維持管理は費用がかかる割に地味なため予算が下りづらい。
大半のインフラを騙し騙し使っているのが現状であるが、事故や災害トラブル・崩壊などは待ってくれないため、いずれツケを支払う時がくる。笹子トンネル天井板落下事故(項目参照)などがひとつの例。
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最終更新:2024/12/23(月) 21:00
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