SIMPLEシリーズとは、D3パブリッシャーのライフワークである。
D3パブリッシャーから発売されている廉価ゲームソフト群の総称。
作品名は『SIMPLE○○シリーズ Vol.○○ THE ○○』というスタイルでほぼ統一されている。
D3パブリッシャーは販売専門の企業でありゲーム開発部門を持っていないため、全ての作品は別の開発メーカーによって製作されている。
現在は『閃乱カグラ』や『ドリームクラブ』などで知られるタムソフトを中心に、トムキャットシステム、サンドロット、ヴァンテアンシステムズなど、このSIMPLEシリーズに多数の作品を卸したメーカーも複数ある。
元々はゲーム会社であるサクセスがD3パブリッシャーの前身であるカルチュア・パブリッシャーズに持ち込んだ企画で、例えば「麻雀はやりたいけど、脱衣要素やプロ雀士は必要ないという人もいる」といったように、特別な付加価値のない作品でも需要は絶対あるだろうとして「SIMPLE1500シリーズ」を立ち上げたのが始まり(その後、サクセスは同じコンセプトで「SuperLite1500シリーズ」を作っている)。
当時はソフト価格に対するロイヤリティが固定制から割合制に変わって、1500円の作品でも利益が上がるようになったことも背景にある。
始めから低価格販売を目的としているため「ゲームエンジンの流用」「小規模開発会社へ委託」「同人ソフトの買取」と、あらゆる手を講じて徹底的にコスト削減を計っている。
小売店にとってはベスト版が出ないため店頭に長期間置きやすい、ユーザーにとっては低価格のため衝動買いしてもあまり痛くないというメリットがある。
上記の通り他の作品での技術を流用している作品も割と見られ、『チョロQ』シリーズのノウハウが活用された『THE タクシー』、『ギガンティックドライブ』の流用で製作された『THE 地球防衛軍』など、他作の廉価版のような感覚で遊べる作品も複数ある。
実験的な作品も多く、良作・佳作・凡作・迷作・バカゲー・クソゲーと一通り揃っており、今日もマニアックなファン(シンプラー)を増やし続けている。
現在は低価格のダウンロード作品にシェアを奪われまくった結果、DS系のDLソフトで『THE 密室からの脱出』シリーズが出ているくらいで作品はほとんど出ていない。ただし、SIMPLEシリーズ出身の『地球防衛軍』シリーズや『お姉チャンバラ』シリーズは現在もフルプライスで販売が続いている。
シリーズ屈指の名作『THE 地球防衛軍2』が有名で、当然これが最も売れたと思っているプレイヤーが多いかもしれないが、一番売れたソフトはシリーズ初作の『SIMPLE1500シリーズ Vol.1 THE 麻雀』。なんと1年で50万本、2年掛けてミリオンヒットを飛ばしている。今じゃ考えられない話だろうが、当時SIMPLEシリーズの衝撃はそれだけ大きかったのである。
作品数の多い1500シリーズ、2000シリーズ、DSシリーズ、2500シリーズを中心に。
1998年の10月22日に最初の作品としてプレイステーションにて『THE 麻雀』、『THE 将棋』、『THE 五目並べ』、『THE リバーシ』の4作を同時発売。初期はこのようなテーブルゲームや『THE 野球』『THE テニス』などのメジャースポーツオンリーで、まさかこんなに続くとは思わなかったらしい。
段々とネタ切れになり、Vol.36の『THE 恋愛シミュレーション』辺りから他のジャンルにも手を出し始める。スポーツの方も『THE すもう』『THE パターゴルフ』など多数の種類に手を広げていく。
『THE キックボクシング』が2ちゃんねるの低価格作品スレで攻略が大いに盛り上がるなど、現在でも「やや人は選ぶがSIMPLE初期の傑作」とされる。
後期になるとテーブルゲームはほとんど見られなくなり、スポーツゲームも減ってくる。また、アナログスティックをコントローラが壊れるほど使わせる『THE 水泳』、登山とRPGを組み合わせた全く新しいゲーム『THE 登山RPG』、ツッコミ所満載の『THE 剣道』など、作品がバカゲーの片鱗を見せ始める。
現在はゲームアーカイブスにて5分の1の価格である300円でいくつかの作品が配信されている。SIMPLE300
ハードをプレイステーション2に移す。初期10作ほどは1500時代と同様にテーブルゲームやスポーツゲームを出していたが、すぐにそれらはなりを潜めてゆく。
とにかく色々なゲームがごった煮的に多数発売された混沌とした時代であり、ゲームの質的にも超名作~糞未満の何かまでブレが激しい。ソフトのバラエティ的には間違いなくSIMPLEシリーズの全盛期だろう。
ソフト数は最大の全123本を誇るほか、番外的なアルティメットシリーズも30本ほど出ている。
3Dモデリングに定評のあるタムソフト開発が多数のソフトを担当しているため、ジャンルとしては3Dアクションゲームの割合が比較的高い。ギャルゲー出身のD3Pの看板娘「双葉理保」が多数のゲームに出まくっていたのもこの時期。
『THE 地球防衛軍』シリーズが有名だが、『THE ロボットつくろうぜっ!』、『THE 原始人』など隠れた良作も探せば意外に沢山見つかる。
逆に『THE 特撮変身ヒーロー』、『THE カンフー』、『THE 男たちの機銃砲座』などはクソゲーハンター以外はやらないほうが賢明だろう。
『THE大美人』、『THE大量地獄』など、公式が病気レベルのバカゲーもこの頃出されており、現在までネタにされている。
ドリームファクトリー作品などのクソゲーも残ってはいるものの、全体の良作率はシリーズでも高めの時代ではないかという印象なのだが、時代の変遷や携帯機ゆえの価格差など色々な要因があってか、大きくヒットした作品は少ない。
特に『THE 裁判員』、『THE パズルクエスト』といった間違いなしの良作が、イマイチ知名度を得ていないのが残念なところ。
時代の流れもあってダウンロード販売に軸足を移し、主に脱出ゲーム『THE 密室からの脱出』シリーズや、女性向けアドベンチャー『THE 浮気調査』シリーズを中心としたラインナップとなっている。
それ以外にも麻雀やオセロといった定番作品、歴代SIMPLEシリーズ作品の移植のほか、後期には『THE 熱血!炎のラーメン屋』、『THE 巨人走』などのオリジナル作品も見られた。
Switch発売後5年近くの間はSIMPLEシリーズは出さず、『THE 密室からの脱出』・『THE 麻雀』といった定番タイトルも「THE」を付けてはいるが、SIMPLEとしては発売しない形を取っていた。
だが、2022年になって遂にSIMPLEシリーズが復活。『THE テーブルゲーム』などの定番作品を皮切りに、『THE バスフィッシング』などの新規作品も作られるようになっている。
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最終更新:2024/11/28(木) 06:00
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