ゲームエンジンとは、CS・PC・スマホアプリ等を問わず、ゲーム開発の根幹にいながらも縁の下の力持ちのような存在であるゲームプログラマーが作り上げる技術の結晶である。
広義的には「コンピューターゲームのソフトウェアにおいて、入力されたデータ(絵・モデリング・音等)を正しく出力するためのプログラム」の事を指し、言ってしまえば全てのゲームにはそれぞれ専用のゲームエンジンが搭載されている。しかしその概念は時代を重ねる毎に変化していき、ゲームハードにおける第7世代(PS3/XBOX360/Wii)以降の所謂HD規格のゲーム開発がメインとなった時代に、「ソフトを効率よく開発する為に汎用性が高く、開発作業を各自共有化しやすくされたミドルウェアの集合体」の事を指す言葉して使われるようになった。
第7世代が始まった当初、前世代からの開発規模の拡大と開発難易度の上昇、それに伴う予算負担の肥大化が各社で深刻化する事が多かった。当時を知る者であれば、PS2までは据え置きハードでの開発を多数行っていた会社や、人気だったシリーズ物の多くが、DSやPSPといった携帯機に舞台を変えていった事を覚えている事だろう。
また、第7世代はSFC・PS・PS2といった各世代に於ける圧倒的シェアを誇ったハードが不在だった時代でもある。国内での初期の時代はPS3が値段の関係でPS2ほど普及しなかった事、そして海外ではPS2のシェアをPS3と二分するようにXBOX360が広げていった事が重なり、さらにWiiは二社とは全く違う独自規格モデルで全世界でヒットを飛ばし、開発者にとっては混迷の時代を迎えていた。中小規模の会社は据え置きでの開発を諦め携帯機に移行していく中、各大手ゲームメーカーはそれら三社のハードに対応していくべく、開発者に対しより効率的な開発体制を求めた。
そうした中でプログラマー間で行われていた「プログラムライブラリの共有化」であったフレームワークの概念を更に広げ、デザイナーやプランナーといった他部門の人材でもある程度操作が可能であり、情報を共有化する事で円滑な人材移動や効率の良い開発を行う事が可能なソフトの開発、また他機種への移植や3ハードのマルチ展開を簡単に行えるようにプログラム制御の変換をスムーズに出来るように効率化を果たすソフトの開発等、ゲーム完成までの時間や予算の削減に繋がるようなミドルウェアの集合体をやがて「ゲームエンジン」と呼ぶようになった。
こうして完成したゲームエンジンの多くは自社の資産として、その後も多数の自社ソフトのエンジンに流用される事が多いが、一部汎用化されたエンジンは、他社にライセンス契約を行う事で貸し出すようになる。中には無料で配られたエンジンも存在し、多くのゲームプレイヤーや企業に属さないフリーのクリエイターはその存在を認知するようになった。それらの貸し出されたゲームエンジンを利用し、個人でゲーム制作を行う「インディーズゲームクリエイター」が各地で爆発的に増えるきっかけにもなった。
クリエイターAとクリエイターBは、同時期に全く新しい「野球ゲーム」の開発に着手した。Aは「その野球ゲームを作る」為にプログラムを作成し、1年6ヵ月で完成し販売まで行えた。Bは「あらゆる球技ゲームを想定したゲームエンジン」の開発を行い、そのエンジンが完成した後野球ゲームの開発に着手した。結果、エンジンの完成に1年、ゲームの完成に1年消費した。
次に両者は「サッカーゲーム」の開発を行うようになる。当然同じ球技であっても、ルールや使用されるボールは全く違う物であり、当然それぞれの物理的な挙動は別物となる。Aが開発したプログラムは野球専用の物であった為、ある程度流用は可能でも完璧に動作を行うためには時間を有する事になり、結果ボールの物理演算だけで2週間掛かり、最終的なゲームの完成は1本目と同じく1年6ヵ月で、2本のソフトを販売するのに3年有した。
Bは最初から様々な球技に対応したエンジンを作っていた為、パラメータを打ち変え野球ボールの物理演算からサッカーボールの物理演算を制御するのに1時間と掛からず、結果わずか6ヵ月でゲームが完成した。2本のソフト販売は2年6ヵ月でAより早く2本目を販売する事が出来た。
主に海外でその考えが早く浸透していき、国内は出遅れたとされている。その為、第7世代初期は特に苦労するゲームメーカーが多かった。
大雑把ではあるが、たとえジャンルが違うゲームでも上記のような細かい効率化を担うのがゲームエンジンの特徴である。
以下のゲームエンジンは、会社に所属していない一般人でも利用可能である。
条件を満たせば無償で開発・販売することも可能なので、個人開発者としてゲーム開発にチャレンジするのもいいかもしれない。
以下のゲームエンジンは一般向けには公開されていない。
社内やグループ会社、特定のハード開発者向けにのみ使うことができる。
FOXエンジンによってマップが生成される動画。現代のエンジンのイメージ付かない人でも動画見たら何となくどういう物なのか想像が出来るだろう。
掲示板
18 ななしのよっしん
2024/05/11(土) 04:50:00 ID: MVnJfGqkB7
19 ななしのよっしん
2024/12/10(火) 23:02:28 ID: IVm+/tNUNq
MOTHER2開発時の岩田伝説もゲームエンジン的な発想の先駆けの一つだよね
あれが頓挫しかけた理由の一つは変な要素いっぱいだからプログラマーに全部ぶら下がる制作体制で作れるゲームじゃなかったことで、そのために開発環境を全部整えてデザイナーやプランナーがどんどん素材をつっこめるようにしたっていう
20 ななしのよっしん
2025/01/11(土) 20:18:28 ID: t7zWiHPHiZ
>>19
そのMOTHER2における重要な改革として「アセンブラを使わず、C言語で開発する」というものもあったので、間違いなくそうだと思う。
ゲームエンジンの存在意義って、「汎用性の高さ」もそうだけど、それ以上に「チーム開発する上での共通認識事項になる」という点が非常に重要だから。
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最終更新:2025/03/28(金) 19:00
最終更新:2025/03/28(金) 19:00
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