ヒシイグアス 単語


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ヒシイグアス

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ヒシイグアス とは、2016年生まれの競走馬である。

  • 主な勝ち鞍
    2021年: 中山記念(GII)中山金杯(GIII)
    2023年: 中山記念(GII)

概要

血統

ヒシイグアス
Hishi Iguazu 滂薄無比
生年月日 2016年1月22日
馬種 サラブレッド
性・毛色 牡・青鹿毛
生産国 日本JPN
生産者 ノーザンファーム
(北海道安平町)
馬主 阿部雅英
調教師 堀宣行(美浦)
主戦騎手 フィリップ・ミナリク
(2019.1~2020.2)
松山弘平(2020.11~)
馬名意味 冠名+イグアスの滝
初出走 2018年11月25日
戦績 JRA: 15戦7勝[7-4-0-4]
海外: 1戦0勝[0-1-0-0]
獲得賞金 3憶7139万円(JRA)
660万香港ドル(香港HKG)
競走馬テンプレート

父ハーツクライ、母*ラリズ、母父Bernstein。

父は無敗三冠馬ディープインパクトに初めて土をつけた馬として有名。種牡馬としてもそのディープインパクトやステイゴールドらと共にサンデーサイレンスの後継種牡馬として多数の活躍馬を出した。

母は南米最大の馬産国であるアルゼンチンにて生産された馬で、スプリント路線で13戦9勝の実績を上げた。母父は欧州のスプリント路線でGIII1勝を含む8戦4勝。母がアルゼンチン産馬という血統馬は過去にもレシステンシアやサトノダイヤモンドなどの活躍馬を輩出している。

青白い大瀑布の如く

デビュー前~4歳まで

ノーザンファームにて生産された本馬は、当歳セレクトセールにて「ヒシ」冠名を用いる阿部雅英氏[1]にシルエットが綺麗だと目を付けられ、当初の予算は5、6千万だったが、熱が上がってしまい1億476万円で落札。落札後やってしまったとも阿部オーナーは思ったが、それくらい良い馬とも感じていた。[2]
その後美浦の堀宣行厩舎(主な管理馬にキンシャサノキセキ、モーリスなど)に入厩した。

脚部不安を抱えていたため1月生まれながらデビューは年末の11月・府中芝1800m。王道の先行策から直線抜け出したが、ラストドラフト(GIII京成杯勝者)に差されてアタマ差の2着。続く未勝利戦を勝利して2歳戦を終えた。

3歳はフィリップ・ミナリク鞍上で1月の若竹賞(1勝クラス)から始動し2連勝。ここまで1ヶ月おきにレースを使っていたこともあり、放牧を経て3月のスプリングステークスに出走。しかしマイナス16kgの影響か、それとも前半かかったからか、直線伸びず5着まで。この結果を受け春のクラシックは回避し、再び放牧へと入った。

次走は6月末のラジオNIKKEI賞。しかし1番人気を裏切る9着惨敗。そして三度放牧となった。

そのまま秋競馬は回避し、帰ってきたのは2020年になった1月。2勝クラスを連続で2着とすると、ダミアン・レーンに乗り替わり石和特別(2勝クラス)を勝利。半年の放牧を挟んで以後何度もコンビを組む松山弘平騎手でウェルカムステークス(3勝クラス)も勝利。オープン馬への昇格を果たして4歳を終えた。

 そして晩成のハーツクライ産駒らしく、本馬の活躍はここからが本番であった。

5歳 ~初重賞制覇~

在厩での調整を経て5歳初戦は実に1年半ぶりの重賞挑戦となる中山金杯。1歳年下のディープボンドとの2強体制となり、本馬は斤量の軽さが考慮されて1番人気を背負う。レースは微妙にちぐはぐな内容になったが、最終直線で外に持ちだすと前を力強く差し切り、併せて出てきたココロノトウダイを最後クビ差振り切って悲願の重賞制覇を果たした。ちなみに雅英氏は所有馬の数を絞っていたこともあり、これが初めての重賞制覇であった。

次走は伝統のマイル重賞中山記念。ここでも再びの1番人気。レースは逃げた3頭から離れた4番手を進み、直線でケイデンスコールと併せながら逃げ粘るウインイクシードを猛追。ゴール板直前で捉えるとケイデンスコールにクビ差先着。これで2勝クラスから4連勝となった。

その後は放牧を経てクイーンエリザベス2世カップ(HKGGI)を予定していたが、激走の反動が抜けなかったため回避。さらに札幌記念にも間に合わず、天皇賞(秋)へ直行。ここの主役は前年の無敗3冠馬コントレイル、3階級制覇を目指すグランアレグリア、3歳で古馬戦に踏み切ったエフフォーリアの3頭。そんな中本馬は大外に当たったこともあり7番人気(40.4倍)。レースでは中団、コントレイル・エフフォーリアと同じような位置取りから進めるがやはり外枠の影響かそれとも純粋な力の差か、最終コーナーで置き去りにされてしまった。その後馬場の良い外から追い込んだが5着まで。

続く年内最終戦、有馬記念のファン投票では26位だったが距離が長いとみて回避し、香港カップ(HKGGI)に出走。ここには日本馬として初めてアメリカのブリーダーズカップ競走を制したラヴズオンリーユーが引退レースとして出走しに来ていた。そんな中本馬は3番人気。1番人気はいうまでもなくラヴズオンリーユーである。「マジック・マン」ことジョアン・モレイラ騎手に導かれた本馬は大外枠もあって後方から。しかし最終コーナーで大外からまくりにかかると、前壁に邪魔されて思うように伸びないラヴズオンリーユーを捉え逃げ粘るロシアンエンペラーに迫っていく!海外で初GI制覇なったか!!

ところが。ヒシイグアスに並びかけられたあたりでラヴズオンリーユーの末脚が炸裂。再び差し返され、アタマ差の2着。ラヴズオンリーユーにとってみれば海外GI連勝で大団円といったところだが本馬にしてみれば千載一遇のチャンスを逃す形となってしまった。

6歳 ~激走!一転、命の危機!?~

6歳初戦は前年同様にクイーンエリザベス2世カップを予定していたが、急遽受け入れができない形となったため大阪杯に池添謙一騎手で参戦。急な参戦となったため27.4倍の5番人気となった。レースはというと7番手で直線を迎えそこから追い込みにかけるが、前にいたポタジェとレイパパレを捉え損ね、ほぼ同じ位置にいたアリーヴォにも引き離されての4着。それでも逃げた2番人気のジャックドールはきっちり捉えたので急仕上げにしては上々といったところか。

続いて初のグランプリとなる宝塚記念。ファン投票は23位、出走表明馬では9番目でめでたく出走が決定。ここまでのGI戦線での好走で人気はグッと上がって5番人気とはいえ9.5倍。石和特別以来のダミアン・レーンとのコンビとなった。レースは好スタートを決めたが、パンサラッサとタイトルホルダーのハナ争いを無理に追うことはせず中団まで下げる。パンサラッサとタイトルホルダーが競り合った結果、最初1000mのラップは57秒6という異常なハイペースに突入。そんな中本馬は6番手を進み、ハイペースで脚を使わされた後続が伸びない中上がり3ハロン最速の35.9秒という脚を繰り出し、内目からパンサラッサやディープボンドら前を行く馬を捉えていった。

ヒシイグアスが2番手から前を追ってくる!

タイトルホルダーが先頭だ!

ヒシイグアスが前に迫ってくる!

前に迫ってくる!

しかし差が詰まらない!!

タイトルホルダー!3連勝だ!!

競馬界のエースは俺だ!!タイトルホルダー!!

- 関西テレビ 岡安譲アナウンサー

…しかし、そのハイペースを作り出した張本人であるタイトルホルダーの脚は止まらなかった。2馬身差まで詰めたがそこからが詰まらない。そのままタイトルホルダーが2分9秒7というとんでもないレコードを出して優勝。そもそも当のタイトルホルダーが上がり3ハロンを36秒1でまとめているのである。本馬とて従来のアーネストリーのレコードを0秒1上回っていてこれとか、もはやどうしろと。

さて、中距離戦では国内屈指の実力者となった本馬。当然秋の活躍も期待されたのだがいつまでたっても次走報が入ってこなかった。というのも本馬、宝塚記念での激走によって美浦への輸送中に熱中症を発症[3]人間でも状態が重ければ死亡や後遺症につながるこの病気、当然馬も同じことになる。一時は生死の境をさまようほどの重症だったらしいが、入院を経てどうにか回復。いったん北海道で長期休養を挟むこととなった。

7歳 ~復活、そしてさらなる飛躍へ~

7歳、本馬はターフへ帰ってきた。復帰戦は2年前に制した中山記念。メンバーが手薄だった2年前とは異なりGI馬3頭がそろうハイレベルなレース。そんな中熱中症からの復帰戦であること、馬体重がプラス14kgと過去最大だったことなどから5番人気に留まる。

ダノンザキッドがゲート潜ろうとしたりした後、スタートはややもたついて後方から。レースはドーブネが1000m59秒9とやや遅めの逃げを打つ中、本馬は中団で待機。そして最終直線、見慣れた末脚を繰り出すと前を行く馬を全頭差し切ってゴールイン。2年ぶりの勝利を挙げ、復活を印象付けた。

次走は前年も挑んだ大阪杯。今回は緊急参戦ではなく、ここに照準を合わせての参戦となる。ヒシ軍団としてはヒシミラクル以来20年ぶりのGI制覇に向けて、復活の老雄の戦いは続く。

余談

  • 中山競馬場で8戦5勝2着2回と最も得意とした上で、2023年3月まで勝った重賞は全て中山開催。そんな傾向もあってかメディアから、「中山巧者」[4]、「中山将軍」[5]と呼ばれることもある。

血統表

ハーツクライ
2001 鹿毛
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers
ラリズ
2004 鹿毛
FNo.3-h
Bernstein
1997 鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
La Affirmed Affirmed
La Mesa
La Marlene
1995 黒鹿毛
Rainbow Corner Rainbow Quest
Kingscote
La Cardinale *サザンヘイロー
La Bozan
競走馬の4代血統表

クロスHalo 5×3(15.63%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)

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関連リンク

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 2019年クラシック世代
  • ハーツクライ

脚注

  1. *冠名で分かるかもしれないが、祖父は初代ヒシマサルやヒシスピードの馬主であった阿部雅信氏の孫、ヒシアマゾンやヒシミラクルの馬主であった阿部雅一郎氏の息子である
  2. *【大阪杯】“ヒシ”3代目・阿部雅英オーナー 受け継がれた系譜でヒシイグアス頂点を!「楽しみ」
  3. *ヒシイグアス重度の熱中症から回復 堀師「健康状態はいい」完全復活へ軽快な走り/中山記念 - 日刊スポーツ 2023年2月22日
  4. *【中山記念】中山巧者ヒシイグアスが重賞3勝目 - 日刊ゲンダイ 2023年2月26日
  5. *【中山記念】〝中山将軍〟ヒシイグアスが当地重賞3勝目 松山「メンバーも強い中で勝ち切ってくれました」 - 東京スポーツ 2023年2月26日
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